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カメラアーカイブ

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カメラアーカイブ
巷に溢れる新製品情報。そんな情報の波に埋もれてしまっている魅力的なカメラたちがある。メーカー開発者たちが、心血を注いで創りだした名機の魅力を蓄積していく。
公開日:2013/04/23

ハッセルブラッド500ELX & SWC

photo & text 赤城 耕一

ハッセルは自動化とワイド化へ・・・



ハッセルブラッド 500ELX

ハッセルブラッドに最初にモータードライブを内蔵したのは500EL(1956)だった。本体は500Cベースでファインダースクリーンの交換はできない。バッテリーはニッカド電池を使う。自動巻き上げの速度はきわめて遅く、手巻きのほうが速いと揶揄されたこともあったけれど、実は巻き上げ速度は重要ではない。手持ち撮影の場合など、ファインダーから目を離さずにシャッターがチャージできること。このことが重要なのだ。つまり、フレーミングを大きく変えることなく連続撮影を行うことが可能になったのだ。また実質的にはクイックリターン機能を内蔵したハッセルという感覚でも使用できるのがよい。動作音は大迫力で、かなりうるさいがスタジオでのモデル撮影などでは、よいリズムをとってくれるのだ。

この500ELXはミラーを長くし、しゃくり上げ方式に改良したもの。長焦点レンズやマクロレンズを使用する場合にもミラー切れが起きないという大きな利点があった。専用ストロボを使用している人は少ないと思うけど、ハッセルブラッドで初のTTL調光方式を内蔵している。電源はニッカドのままで、この後継機553ELXから単三乾電池が使用できるように改良される。


ELコンバーター
500ELから500ELXまではニッカド電池を使う方式だったが、後に供給されなくなる。これらのユーザーのために、サードパーティ製だが、いくつかの電池アダプターが用意されている。




ハッセルブラッド SWC

初代は「スープリームワイドアングル」略称でSWA。後継機はSWシリーズとも呼ばれている。レンズはビオゴン38ミリF4.5。レンズの基本仕様は最終機の905SWCまでは変わっていない(硝材やコーティング、シャッターの変更はある)。まさに「レンズを買う」という感覚のカメラであり、6×6判カメラ用の超広角レンズとしては、今もなお最高性能を誇るのではないか。歪曲収差の少なさから、建築物撮影や測量などの需要も多いが、超広角である利点を生かして、スナップショットに使用する写真家もいる。最近ではリー・フリードランダーの愛機はSWシリーズのどれかだと思う。対称型というビオゴン38ミリF4.5の仕様上、バックフォーカスがとれなかったため、一眼レフではなく目測式である。もちろん500シリーズとのマガジンや一部アクセサリーの共用はできる。

SWC/Mからはポラロイドマガジン100の装着が可能。なお、正確にフォーカシングを行いたい場合はアパーチャー部に装着するスクリーンアダプターもある。後期型になるに従い、ファインダーは金属からプラスチックへ、内蔵水準器の省略など、コストダウンが随所にみられるのはかなり気になるところ。しかし機能本位のようでいて美しいデザインのため、いずれのモデルも人気が非常に高い機種である。



ファインダーと水準器
前期のSWシリーズの専用ファインダーは金属製で、なかなかユニークなカタチをしている。ボディ側にある水準器をプリズムを介して、ファインダー内で見ることができる凝った光学系である。後期のプラスチック製のものはファインダー内に水準器を収めている。見やすさといえば明らかに後者だが、デザイン面やモノ的な美しさをみると金属製のものに軍配があがるのは当然であろう。



フォクトレンダーアングルファインダー(SW用)
コシナ・フォクトレンダーブランドから、SWシリーズ専用のファインダーが限定発売された(既に販売は終了)。ファインダー内はフォーマットに合わせて正方形になっている。通常のSWシリーズのファインダーは、アイレベル方式によるフレーミングになるが、こちらはウエストレベル方式で使用できるので、無理のない姿勢で様々なアングルを得ることができることが特徴である。作りもたいへんよい。


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赤城耕一
東京生まれ。出版社を経てフリー。エディトリアルやコマーシャルの撮影のかたわら、カメラ雑誌ではメカニズム記事や撮影ハウツー記事を執筆。戦前のライカから、最新のデジタルカメラまで節操なく使い続けている。

主な著書に「使うM型ライカ」(双葉社)「定番カメラの名品レンズ」(小学館)「ドイツカメラへの旅」(東京書籍)「銀塩カメラ辞典」(平凡社)

ブログ:赤城耕一写真日録
 
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