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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。
いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出会えないかもしれない。写真家が、ショップを彷徨いながら出合ったお得なカメラたちを紹介する。
公開日:2012/03/01

今月の中古カメラチェック!

大浦タケシ
取材協力:松坂屋カメラ


コンタックス i4R
コスメの容器のようなデザインで発売当時話題であったコンタックスブランドのデジタルカメラだ。画素数は400万画素、レンズはもちろんカールツァイスで39mm相当となるテッサー6.5mmF2.8T*を搭載する。掲載したカメラは、元箱をはじめ付属品一式の揃った逸品。ネットオークションでの落札価格は3万円を越す場合が少なくないが、中古カメラ店ならこのように比較的リーズナブルな価格で手に入れることができる。




ニコン F5
バッテリーグリップと一体化した大柄で堅牢なボディは無骨で、百戦錬磨の武士のような風貌のニコンF5。現行のF6の開発コンセプトがアマチュアを主要なターゲットとしていることを考えると、プロの使用を前提としていたF5は、ある意味、Fの一桁最終モデルといってよい。まさに“ラストサムライ”なのである。そのF5も今や2万円台で店頭に並ぶ。兵どもが夢の跡、そんな言葉を思い出してしまう中古カメラである。




フジフイルム FinePix S5Pro

フジ独自のスーパーCCDハニカムSRイメージセンサーを搭載するデジタルイチガン。有効画素数は約1200万で、主に写真館などのスタジオ撮影と、リバーサルフィルムを意識した色再現性により風景撮影に重きを置いたカメラであった。発売開始は2007年1月。見てのとおり、ボディはニコンD200のものを使用し、マウントもFマウントとしているため、当時のフジの技術者たちはこのカメラをどう思っていたか、気になるところ。




ニコン EM
名機ニコンF3と同時期(1979年)に発売されたエントリーモデル。F3同様ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインで、その大きさから「リトルニコン」と呼ばれる。露出モードは絞り優先AEのみと潔く、シンプルな操作性も特長としていた。そのようなEMだが、一時期の中古相場高騰がウソのような価格で店頭に並ぶ。掲載したカメラのようにお小遣いで買えてしまうものも少なくない。ニコンマニアなら、ぜひこの機会にリトルニコンを手に入れたい。




オリンパス XA4 Macro
その名のとおりXAシリーズのなかで唯一マクロ撮影も可能とするカメラである。最短撮影距離は30cmだが、ゾーンフォーカスであるため付属するストラップを伸ばして被写体との距離を計るようになっている。ちなみにストラップは30cmと50cmに伸ばすことが可能。レンズの焦点距離を28mmとしているのも特長である。写真右のカメラはストラップが欠品しているが、マクロ撮影にトライアルするつもりがなければ、使用に不都合はない。




オリンパス PEN-F(F.Zuiko38mmF1.8付き)
類い稀なるハーフ判一眼レフである。設計者はオリンパスペンや一眼レフのOMシリーズを開発した米谷美久氏(1933-2009)。チタン幕のロータリー式フォーカルプレーンシャッターを搭載するなど独特の機構とアイディアがコンパクトなボディに凝縮されている。中古市場では高止まりの状態が続いていたが、近年はかなり落ち着いてきている。掲載したカメラは状態も比較的良好で、歴史的名機をよい状態で手に入れるなら今がチャンスといえる




キヤノン II D-2、II D

IVSbから1/1000秒とシンクロ機構を省略したキヤノンのレンジファインダー機である。右のII Dと左のII D-2(II
D改)の違いは、IID-2はシャッター速度が倍数系列に、フィルムを巻き上げる前でもシャッター速度の変更を可能としたこと、装填したフィルムが何枚撮りかを記録しておく指標がついたことなどとなる。製造初年は、II Dが1952年、II D-2が1955年となる。いずれもキヤノンレンズ50mmF1.8が付属する。





ライカ エルマリートM21mmF2.8 ASPH.
ライカの21mmレンズはというと、かつてはシュナイダー・クロイツナッハ製のスーパーアンギュロンであったが、30年ほど前からライカ製のエルマリートに変わり、現在はアスフェリカルレンズなど最新の光学技術を採用したものとなっている。中古ながら高価だが、新品では50万円近くするため、この値段は現実味のあるものだ。M9をはじめとするMデジタルユーザーは、買って損することはないだろう。




ローライ35
ずらりと並んだ高級コンパクトの元祖ローライ35。中央のクロームのローライ35は、俗にオリジナルといわれる1967年発売開始の初号モデル。ドイツ製でカールツァイスのテッサーレンズを搭載する。残りの4台は全てシンガポール製で、左2台はテッサーレンズを、右2台はゾナーレンズを搭載する。製造から40年前後となるため、一部は撮影に影響のない不具合が発生しているものもあるが、それゆえリーズナブルに手に入れることが可能。




ハッセルブラッド 501CM、503CX
中判カメラの雄、ハッセルブラッドも中古なら低予算でシステムが構築できる。左の501CMは1997年から発売の開始された比較的新しいハッセル。グライディングミラーシステムにより、ほとんどのレンズでミラー切れによるケラレが発生しない。プラナーCB80mmF2.8とフィルムマガジンA12が付属。右は正規輸入品の503CX。1988年から1994年まで製造された500CMの後継モデル。フィルムマガジンA12が付属する。




ハッセルブラッド 903SWC
35mm判換算で焦点距離21mm相当の対角線画角を持つビオゴン38mmF4.5 T*を搭載するスーパーワイドカメラだ。製造期間は1988年から2000年まで。プロンターシャッターを内蔵したレンズは、歪曲収差を徹底的に排除した描写特性を持つ。風景や建築のほか、中判カメラとしては軽量なことからスナップ撮影にも適している。高価ではあるが、もうひとつのハッセルの世界が楽しめるカメラだ。




ゾナーC150mmF4T*
ハッセルブラッド500系のカメラに対応する中望遠レンズだ。35mm判換算で焦点距離83mm相当となる対角線画角を持ち、多くのハッセルユーザーから愛された。もともと1957年に発売の開始された500Cと同時に登場したレンズであるが、今回ピックアップしたレンズはT*コーティングが施された後期タイプ。おそらくは1975年前後に製造されたレンズだろう。同じカールツァイス製の保護フィルターが付属するが、それにしてもこのプライスはお買得。



キヤノンEOS 1000 QD
中古カメラ店などで、「ジャンク」「研究用」などと書かれたカメラをみたことはないだろうか? ワゴンやプラケースなどに無造作に放り込まれ、低価格で売られているカメラである。ジャンク品とは、どこかに不具合があり、多くはカメラとしての機能を果たさかったり、撮影はできても他に大きな欠陥があるような商品。このような商品には、お店側は返品の対応をしない場合がほとんどである。もしジャンクカメラを購入しようと思ったら、そのことをよく理解したうえで買うようにしよう。掲載したキヤノンEOS 1000 QDは、今回取材した松坂屋カメラで見つけたもの。写真で見ると問題ないようにみえるが、まったく動かない。それもそのはず、値段はたった10円だ。

無造作にカゴに入れられたジャンク品の数々。稀にきちんと動作する「お宝」が見つかることもある。


*記事内の商品に関する情報は、取材時点の店頭での情報です。現在の価格相場や、同店や他店での販売価格、在庫の有無を表すものではありません。同名の商品をお探しの場合は、CAMERA fanで最新情報を検索するか、加盟ショップに在庫をお問い合わせください。

取材日:2012年2月24日


取材協力:松坂屋カメラ
松坂屋カメラは、品川駅東口からインターシティをはじめとする近代的なオフィス街を通り抜けた先、北品川にあるカメラ店だ。中古のカメラ、レンズのほかに三脚やカメラバッグ、取り扱い説明書など多彩な品揃えを誇る。新品の取り扱いのほか、買い取りも積極的に行っている。店頭に並ぶカメラ、レンズなどリーズナブルな価格設定としているのも特長で、満足度の高いお店だ。
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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