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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。
いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出会えないかもしれない。
写真家が、ショップを彷徨いながら出合ったお得なカメラたちを紹介する。
公開日:2014/02/15

博物館級の商品が並ぶ店 ファースト商会

photo & text 大浦タケシ


ライカ ポストライカ
ドイツ郵政省用に試作機として20台製造した限定モデルであるという。シリアルナンバーは45万8千番台。この番号からIcをベースにしていることが分かる。ちなみにIcの製造番号は455001から563100までの間となる。オリジナルのIcと外観上異なるのは、本来トップカバーの前面部にある2つのネジが無いことだろう。もちろんブラックボディ自体も珍しい。試作機なので当然一般に販売はされなかったようである。




ライカ ドイツ空軍IIIc
IIIcは戦前に約3万3千台、戦後に10万1千台ほどつくられたバルナックタイプのライカ。掲載したIIIcは戦前のドイツ空軍モデルで、カラーはそのなかでも最も多いとされているグレーである。ちなみに、戦前モデルと戦後モデルの外観上の違いは巻き戻しレバーの位置がトップカバーより一段高いのが前者、トップカバーと同じ高さが後者となる。写真ではシャッター幕が赤いが、戦時中資材不足のためにドイツコダックからシャッター幕を分けてもらった名残り。





ニコンS
ニコン最初のレンジファインダー機ニコンIでは24×32mm、その次のニコンMでは24×34mmだった画面サイズを、初めて24×36mmのいわゆるライカ判としたモデル。また、それまでのモデルはほとんどを日本に駐留する進駐軍相手に販売していたが、本モデルより民間を主体とする販売へと切り換え広く一般に販売を開始したモデルである。写真のニコンSには、W-ニッコールC 3.5cmF2.5のほか35mmファインダー、フラッシュガン、取扱説明書、元箱、純正フードが付属する。







キヤノン7S+50mmF0.95
Cds露出計を内蔵するキヤノン最後のレンジファインダー機。汎用性の高いLマウントを採用するが、そのほかにマウント外周に外爪バヨネットマウントを持つ。そのマウントに対応したのが、写真の50mmF0.95。市販された35mm判用レンズとしては未だ最大の明るさを誇るレンズで、レンズグルメの人気も高い。写真のアイテムには元箱と取り扱い説明書のほか、珍品扱いとなっている50mmF0.95専用のリアキャップが付属。



ライカ IIIf+エルマー5cnF3.5
IIIfは1950年から約18万台つくられたバルナックタイプを代表するライカである。写真のIIIfは、セルフタイマーを組み込んだ後期タイプで、スローとハイのシャッターダイヤルの切り換えも1/25秒としている。ライカ全盛期につくられただけあり、仕上がりの美しさやつくりこみの精度の高さは文句ないものだ。エルマー5cmF3.5は25年から59年までの長きに渡りつくられた名レンズ。写真のレンズは、焦点距離深度を赤文字で記入した通称赤エルマー。





ライカ IIIcブラック シンクロ改造
ライカ純正のシンクロ改造を施し、美しいブラックペイント仕上げのIIIcである。シリアルナンバーは47万2千番台。戦後型のIIIcであることが分かる。シンクロ改造によりシャッターダイヤル部にストロボの同調タイミングを調整するレバーが設置されるとともに、アイピース横にその接点を備える。従って、現在発売されている最新のストロボも接点にさえ繋げることができれば使用することが可能だ。貴重なボディキャップも付属。



ニコンSP+ニッコールSC5cmF1.4
ニコンレンジファインダーの最高峰と言えばSPだ。メインとサブの2つのファインダーを備え、メインが等倍で焦点距離50mmの視野角を、サブが0.34倍で焦点距離28mmの視野角を持つ。発売開始は1957年で、59年に発売されたFとは多くの部分を共通としている。なかでも、それまでゴム引き布幕だったシャッターがFの登場以降同じチタン幕となったことは有名な話である。写真のSPにはニッコールSC 5cmF1.4のほかブースター付きの露出計が付属。




コンタックス IIa
戦後、西側のツァイスイコンが初めて製造を行ったモデル。戦前のコンタックスIIをベースにしているといわれるが、短くなった基線長や小さくなったファインダー倍率などから全く新たに設計されたものとってよいだろう。写真のコンタックスIIaには、ツァイスオプトンのゾナー50mmF1.5が付属するほか、接写用の距離計コンタメーターとクローズアップレンズであるプロクサー3枚が付属する。さらに発売当時に付属していたメーカータグも付いおり、マニア垂涎の1台といえそうだ。

ショップ紹介「ファースト商会」


新橋駅烏森口から5分ほどのところにあるショップだ。店内は小さいながらも整然としており、ショーケースのなかのカメラも見やすい。驚かされるのが、元箱、取り扱い説明書など発売された当時の同梱品が一式揃ったカメラや、なかかお目にかかれないレアなカメラが当たり前のようにいくつも置いてあることだろう。まるで博物館のようであるが、もちろん売り物である。プライスタグの付いているものとそうでないものが見受けられるが、価格は遠慮なく訊いてほしいとのことである。
ショップウェブサイト:なし
ショップ紹介ページ

スタッフさんインタビュー
原宿の竹下通りから10年ほど前に新橋へと引っ越してきました。竹下通り時代は、若い人がよく来店されフィルムが飛ぶように売れました。新橋に引っ越してきてからは、場所柄サラリーマンの方がほとんどですね。当店はコレクター向きの珍しいカメラやデッドストック、元箱付のカメラなどをメインに取り揃えておりますが、安くて状態のよい中古カメラもございますので、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。



取材日:2014年1月31日

*記事内の商品に関する情報は、取材時点の店頭での情報です。現在の価格相場や、同店や他店での販売価格、在庫の有無を表すものではありません。同名の商品をお探しの場合は、CAMERA fanで最新情報を検索するか、加盟ショップに在庫をお問い合わせください。
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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