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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出合えないかもしれない。写真家がショップを彷徨いながら出合った魅力的なカメラたちを紹介する。
公開日:2014/05/13

整備済み&保証付きという安心感@カメラのロッコー

photo & text 大浦タケシ

ゼニットE+ヘリオス58mmF2
1960年代中頃から80年代初頭まで製造された旧ソビエト連邦製の一眼レフ。汎用性の高いM42マウントを採用する(初期モデルにはM39マウントも存在する)。長期に渡り製造されたため時代によって細かな違いはあるが、セレン式の露出計や最高1/500秒としたフォーカルプレーンシャッターなどは最後まで変わることがなかった。写真の個体は80年に開催されたモスクワオリンピックを記念したモデル。当時、東西冷戦真っただ中で、日本を含む西側諸国のいくつかが参加を取りやめたことを記憶する写真愛好家も少なくないことだろう。




東京光学 セミレオタックスR
レオタックスといえばバルナックタイプの35mmレンジファインダー機がよく知られているが、本モデルはその名のとおりセミ判(6×4.5cm)のスプリングカメラ。R型はコンパクトなボディに精度の高い単独距離計を内蔵しているのが特徴だ。写真の個体は東京光学製であるトーコー7.5cmF3.5を搭載するが、本モデルにはそのほかコミナー(日東光学製)やレジノンなどのレンズを装着したものも存在する。R型の製造初年は1952年。その3年後には会社名を昭和光学世紀からレオタックスに変更。さらにその4年後の59年に同社は倒産する。




ヤシカ ヤシカフレックス
1955年に製造を開始したヤシカの二眼レフ。正式名称はヤシカフレックスCという。レンズはヤシコール80mmF3.5、シャッターはコパル製。ヤシカは49年に長野県で創業し、50年代後半から60年代にかけては国内外で最も人気のあるカメラメーカーのひとつであった。本モデルはまさにヤシカが黄金期に突入する直前に登場したカメラで、そのつくりの高さはライバルを圧倒した。ヤシカについては75年に経営破綻し、その後83年に京セラに吸収されている。  



レチナ IIIc
35mmフィルムを使用したカメラはエルンスト・ライツ社が最初に成功したが、それを広く定着させたのがドイツコダック社が製造販売したレチナだろう。本モデルは1957年に発売のIIIc後期モデルである。連動距離計とセレン式の露出計を装備。レンズ交換も可能としていた。装着するレンズは、シュナイダー・クロイツナッハ製のクセノン50mmF2。本モデルはIIIc後期型といわれ、前期型にあったセレン受光部のカバーが省略されている。前期型も含めIIIcは一般に小窓と呼ばれ、後に登場するIIICよりもファインダーの窓が小さいのが特徴だ。





リコー キャディ
リコーのハーフカメラといえば、1962年に発売を開始し巻き上げにスプリングモーターを採用したオートハーフシリーズがあまりにも有名だが、本モデルはそれより1年早い61年に登場。同社初のハーフカメラである。搭載する25mmF2.8はハーフサイズのコンパクトとしては広い画角を誇り、フルサイズ判に換算して35mm相当の画角が得られる。このレンズの製造は数々の銘玉を世に送り出した富岡光学と聞いただけで心躍るオールドカメラマニアも少なくないことだろう。セレン式の露出計を搭載し、露出設定が完全マニュアルというのも質実剛健でマニアック。




ヤシカ ミミー
1962年に発売を開始したヤシカのハーフサイズカメラ。フィルムがまだまだ高価であった60年代前半、35mm判の半分のフォーマットとするハーフサイズは経済的で人気を博し、カメラメーカー各社が凌ぎを削ったが、そのような時代に登場したカメラである。レンズはヤシノン2.8cmF2.8。固定焦点と割り切ったもので、セレン式露出計によるオート露出とともに扱いやすさを優先したカメラであった。写真の個体はグッデベルカが貼り直され、ミミーの可愛らしさがより一層引き立っている。




ミノルタ ミノルチナS
コンパクトなボディで中古市場でも人気を誇るミノルチナシリーズ。本モデルはその上位モデルである。発売は1964年。最大の特徴はロッコールQF 40mmF1.8という明るいレンズを搭載していることだろう。当時小型軽量なボディに大口径レンズの組み合わせは珍しく、さらに連動距離計により正確なフォーカスとマニュアル露出を可能とするなど玄人好みのカメラであった。しかし、当時は折からのハーフサイズブーム。メーカーとしては大衆向けのカメラとして考えていたようだが、そのような購買層からは見向きもされなかったという。




リコー オートハーフSL
それまでのセレンからCdsを用いた露出計となり、レンズも4群6枚の35mmF1.7と大口径となったオートハーフ。フォーカシングは目測のため、絞り値によっては厳しいこともあったことだろう。このモデルは1970年に発売を開始。すでにハーフカメラのブームは下降線を辿り始めたころで、起死回生を目指して開発されたものである。ただし、それまでのオートハーフにくらべ分厚くなったボディや初心者には扱いにくいこともあり、当時の人気はいまひとつ。したがって生産台数は少なく、中古市場でも目にすることは少ない。


大浦タケシのオススメ!

ハニメックス ミラーレンズ300mmF5.6
欧米では未だに高い人気を誇るミラーレンズ。特に北米ではMFフィルム一眼レフ時代より様々なブランドのミラーレンズがリリースされ続けている。本レンズもそのような1本で、恐らくは1980年代前半頃に発売さたものと思われる。ミラーレンズというと焦点距離500ミリないし600ミリのものが一般的だが、本レンズはそれよりも短く扱いやすい300ミリ。開放値もミラーレンズとしては明るいF5.6とする。コンパクトに仕上がっており、パッと見は焦点距離85ミリ前後の大口径レンズと見間違えそうである。マウントは汎用性の高いTマウント。メーカーを問わずデジタル一眼レフやミラーレスで楽しめる。


ショップ紹介「カメラのロッコー」


カメラのロッコーは人形町駅および水天宮駅より5分ほどのところにあるショップ。現在のオーナーになって今年4月で2年目に入る。ショーケースには様々なカメラが並ぶが、親しみあるものが多い。特にコンパクト系のオールドカメラの充実ぶりはこのショップならではといえるだろう。さらに店頭に並ぶカメラは全てオーナーの整備済み。浅草・早田カメラで修理の経験を積んでこられているとあって心強い。下町情緒残る日本橋人形町界隈の散策の折りにでも寄ってみてほしいショップである。
ショップウェブサイト:なし
ショップ紹介ページ


スタッフさんインタビュー
「当店のカメラは、すべてメンテナンスしたうえで店頭に置いております。さらに、ジャンクのカメラをのぞけば最低半年の保証をつけるようにしています。中古カメラは保証が大切です。よく整備済みでありながら保証のない中古カメラを見かけますが、保証あっての整備だと考えるからです。さらに、当店では整備代を販売価格に上乗せするようなことはしておりません。手頃な価格でいいものを、さらに保証付きで安心して買っていただけると自負しております。ぜひ、一度足をお運びください」カメラのロッコー 広木社長談


取材日:2014年4月22日

*記事内の商品に関する情報は、取材時点の店頭での情報です。現在の価格相場や、同店や他店での販売価格、在庫の有無を表すものではありません。同名の商品をお探しの場合は、CAMERA fanで最新情報を検索するか、加盟ショップに在庫をお問い合わせください。
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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