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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。
いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出会えないかもしれない。写真家が、ショップを彷徨いながら出合ったお得なカメラたちを紹介する。
公開日:2012/06/06

名機との出会い〜ライカ特集〜

Photo & text 大浦タケシ
取材協力:大貫カメラ、ペンギンカメラ
いつかはライカ・・・
カメラを知らない人や、フィルムカメラをはじめたばかりの人でも、一度は「ライカ」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
1913年にライツ社でオスカー・バルナック氏が、映画用のフィルムを使用した小型カメラを開発しました。当時の主流であった木製フォールディングカメラとは一線を画する画期的なカメラ、それがライカでした。
その後、約100年間で数々のモデルが開発され、ライカは多くの写真家とアマチュアカメラマンたちを魅了し続け、そしてたくさんの素晴らしい写真作品を生み出してきました。
カメラの基本的機構は変えずに改良を続け、デジタルカメラとなっても、最高級精密工業製品として君臨し続けるライカ。そんなライカが、今では中古商品としてとても手に入りやすい価格になりました。あなたもぜひ一度ショップでライカを触ってみてください。触れた瞬間、その魅力に取り憑かれてしまうかもしれません。中村文夫氏のカメラアーカイブでは、M型ライカを機種別に解説しておりますので、合わせてご覧ください。
(CAMERA fan編集部)

バルナック型ライカ


ライカ III f+ライカエルマー50mmF3.5
III fはバルナックライカのなかでももっとも完成度の高いといわれるモデルだ。製造台数は他のバルナックを圧倒する18万5千台ほどで、中古カメラ店でもよく目にすることができる。製造は1950年から57年まで、III f のfはフラッシュの意味を表しシンクロ接点を備えていた。ライカといえば高価に感じられるが、バルナックタイプであればIII f以外も含め、リーズナブルな価格で手に入れることができる。




ライカ III c+ライカ ズミタールL5cmF2
III c は第2次世界大戦を挟んで1940年から50年頃まで製造されたバルナックタイプのライカ。アルミ合金製の堅牢なボディを持ち、当時としては最高のスペックを誇るカメラであるが、一部戦時中につくられたもののなかには仕上げの劣るものや仕様の異なるものもあるので購入には注意したいところ。写真のIIIcはシリアルナンバーから50年につくられた最終型といわれるもので、そのような心配はない。沈胴式のレンズがよく似合う。




ライカ D II

距離計を最初に備えたライカで、以降このカメラをベースとしてバルナックライカは飛躍的に発展していくことになる。発売開始は1932年、第二次世界大戦後の48年まで製造が続けられた。紹介するD IIは、そのブラックペイントモデル。塗料が剥げ、使い込まれたボディは、現代のデジタルカメラにない独特の雰囲気を醸し出している。なお、ライカD IIとは日本独自の呼び名で、世界的にはライカIIと呼ばれる。



M型ライカ


ライカ M3+エルマーM50mmF2.8
ライカを代表するカメラといえば、このM3に異論を唱える者はいないだろう。レンジファインダー機としての完成度は高く、当時ライカを追いかけていた日本のカメラメーカーが、挙って一眼レフに方向転換したことはあまりにも有名な逸話である。写真のM3は1回巻き上げタイプで、手頃な価格とは言えないがとても状態のよい1台。クロームボディに沈胴式のエルマーがよく似合っている。




ライカ M1+ライカズマリットM5cm F1.5
M2から距離計とファインダーセレクターレバーを省略したM型ライカである。測距用の窓にM1の文字が書かれているのも特長のひとつだ。主に広角レンズでの撮影や、ビゾフレックスを用いた望遠撮影などに使われることが多かった。製造初年は1959年で、1万台近くが作られた。M型ライカのなかでさほど人気がないためか、比較的手に入れやすいプライスタグが付くことが多い。




ライカ M4-2+サードパーティ製ビット+ライカエルマリートM28mmF2.8
M4-2はM4のリニューアル版として1978年に発売の開始されたM型ライカ。後継のM4-Pとともにカナダライツで製造された。M4との大きな違いは、アクセサリーシューにストロボ用の接点を備え、セルフタイマーが省略されたことなどとなる。今回ピックアップしたM4-2には、スピーデーなフィルム巻き上げを可能とするサードパーティ製のビットが付属する。レンズは同じカナダライツ製のエルマリート28mm。




ライカ M5
M型ライカのなかで、大柄なボディと凝った測光方法により一際異彩を放つM5。シャッターダイヤルはシャッターボタンおよび巻き上げレバーと同軸としているほか、2つあるストラップホールはどちらもアイピース側の側面部に備わるのも特長である(後に従来と同じようにシャッターボタン側の側面部にもストラップホールが備わった)。中古市場では、一時期にくらべ手に入れやすい価格帯のものが増えている。




ライカ M6パンダ仕様+ライカズマロンL35mmF3.5
パンダとは、シルバーカラーのボディに、ブラックカラー用の操作部材を装着したカメラのことである。比較的熟れたプライスタグを提げているのは、アイピースに前ユーザーによって改造された跡があるためだが、実用と考えるならまったく問題ないものである。写真のズマロンはLマウント仕様で、マウントアダプターを介してM6装着している。人とはちょっと異なるM6を考えているユーザーにはオススメしたい組み合わせだ。



ライカ・スクリューマウント(Lマウント)を持つ国産レンジファインダー機

以下の機種はライカではないが、ライカのスクリューマウントを持つカメラと、Lマウントのレンズ。


キヤノン VTデラックス+キヤノンL50mmF1.4
カメラ底部のトリガーによるフィルム巻き上げが特長的なVTの上位モデル。ノブ式であったフィルム巻き戻し機構をクランク式に改めるなどいくつか改良が施される。製造初年は1957年。カメラ前面の低速用とトップカバーの高速用に分かれるシャッタースピードダイヤルが年代を感じさせる。掲載したVTデラックスは標準レンズが付属し、キヤノンレンジファインダー機を手軽に楽しむには最適な一台。




ニッカ 3F+ニッコールL50mmF2
ニッカはバルナックライカを模したレンジファインダーをリリースしていた国産カメラメーカーだ。3Fの製造初年は1956年だが、ピックアップしたカメラは57年に発売の後期型。前期型との大きな違いは巻き上げノブがレバーになったことで、これは54年に発売されたライカM3の影響を受けたものといえる。ニッカは、ニッコールレンズを装着して発売されていたが、掲載した組み合わせはそれを意識してみた。




フォクトレンダー ベッサL+フォクトレンダー カラースコパーL35mmF2.5MC
距離計もファインダーも省略したユニークなベッサL。プラスティッキーなボディなど値段相応のところもあるが、その分ガンガン使い込むことができる。マウントはスクリュータイプのLマウントを採用する。装着したレンズは同じフォクトレンダーのカラースコパー35mmF2.5で、コンパクトなパンケーキタイプのレンズである。別途、光学ファインダーを組み合わせると強力なスナップシューターの完成だ。




キヤノン L135mmF3.5
クロームカラーの鏡筒が眩しいLマウントのキヤノンレンズ。その容姿は現在の同社のレンズとは大きく異なり、歴史を感じさせるものである。距離計に連動するキヤノンのLマウントレンズとしては、もっとも長い焦点距離を誇る。掲載したレンズは、レンズに拭きキズがわずかにあり、絞りリングの動きはスムースとは言い難いが、実用としては十分な1本。入門用として購入しても損のないレンズだろう。

(キヤノンLマウントレンズ全てを探してみる)




ニコン ニッコールL85mmF2.0
アメリカの支配下であった1948年に発売されたゾナータイプのニッコールだ。多くの写真家に愛されたが、なかでもデビッド・ダグラス・ダンカンが朝鮮戦争の取材で使用し、ニコンの名を世界に広めた逸話はあまりにも有名だ。本レンズには写真のLマウントのほか、ニコンSマウント、コンタックスマウントがライナップされていた。写真のレンズは、距離目盛りを見るとFeet表示しかないため、おそらくは北米に輸出されたものと思われる。

(ニコンLマウントレンズ全てを探してみる)


*記事内の商品に関する情報は、取材時点の店頭での情報です。現在の価格相場や、同店や他店での販売価格、在庫の有無を表すものではありません。同名の商品をお探しの場合は、CAMERA fanで最新情報を検索するか、加盟ショップに在庫をお問い合わせください。
取材日:2012年5月22日


取材協力:大貫カメラ

大貫カメラは横浜市のJR桜木町と京浜急行日ノ出町駅の間に店舗を構える。国内外ブランドの中古カメラ、レンズの充実は横浜随一といえるものである。新品も国産ブランドのほかライカ、ハッセルなども取り扱う。値段に関わらず、どんな細かなことにも親切に対応することをモットーとしており、横浜界隈の撮影の折りに寄ってみたいお店だ。


取材協力:ペンギンカメラ

京浜急行子安駅近くの商店街にお店を構えるのがペンギンカメラだ。店内にはところ狭しとショーケースにカメラが並ぶ。古いライカなどマニアックなものも少なくないうえに、国産カメラのバリエーションも多彩で、見ている者をまったく飽きさせない。規模的には決して大きくないが、中古マニアなら必見のお店である。また、定期的にお店主催の撮影会を行なっている。

 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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