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新製品レビュー

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新製品レビュー
公開日:2016/08/17

オリンパス TG-Tracker 〜機能編〜

photo & text 宇佐見 健


TG-Tracker 動画撮影とタフネスに特化した潔いアクションカメラ

本格的な水中撮影も可能な完全防水仕様のToughシリーズをコンパクトデジカメにラインナップするオリンパス。同社としては、初めてとなるアクションカムをリリースした。
主要な撮影機能は最高画質では4Kにも対応できる動画撮影に特化しているが、最長撮影時間は29分もしくはファイルサイズの上限を4GBとしており製品分類上はムービーカメラではなくデジタルカメラである。
これはご存知の通りEU圏への輸出時の関税上の対策なわけであるが、静止画撮影機能に関しては、ある意味潔さを感じるくらいの省略っぷりで、静止画撮影モードでかろうじて設定可能なのは画質、露出補正、インターバルの撮影間隔くらい。アスペクト比設定にいたっては16:9のみという点を見ても、端から縦位置撮影などは想定しておらず静止画撮影はオマケ機能なことが一目瞭然。
撮影に関しては基本的には電源を入れたらスタート/ストップボタンを押すだけの動画撮影用途だと考えるべきカメラである。
一見トイデジカメを彷彿とさせる小ぶりなボディながらも水深30mの耐圧防水仕様に加え、耐低温はマイナス10℃、高さ2.1mからの耐衝撃性、耐荷重100kgfのタフさはTGシリーズの一員となるだけのスペックを持ち合わせている。このどんなフィールドに連れ出しても対応できそうなボディに搭載されたレンズは対角線画角204°の超広角レンズ。また電子式5軸手振れ補正、同社一眼レフで使用の画像処理エンジンをベースにしたTruePic VII for 4Kが搭載されている。ちなみにメニューはすべて英文表記の表示でオリンパスのカメラにしてはすこし尖がったキャラクターのようにも感じる。



外観とアクセサリー




左側面の1.5型モニターは約12万ドット。操作ボタンが上部に集中しているため撮影の諸機能設定時や録画画像再生はこのままのポジションでも行えるが、撮影時アングルや構図を確認したい場合には90度起こして使うことも可能。ただし上下へのチルト機能は無い。
ヘッドライト点灯時
ドーム型のプロテクターに護られた撮影レンズの上にはLEDのヘッドライトを搭載。20ルーメン(29分)と60ルーメン(60秒)の2方式での照射が可能。撮影時ライトとしてだけでなく単独でもON/OFFできるのでアウトドアでのポケットライト的な使用も可能





ステディグリップ装着時
小さなボディを持ちやすくするためのステディグリップが付属する。ベースとグリップのジョイント部は角度を自由に変えることが可能なため様々な姿勢や撮影アングルに対応できる。また、三脚やセルフィー棒が利用できるようグリップエンドには1/4インチのネジ穴を装備。


水中用プロテクター装着時
水中撮影時には水中専用のプロテクターに交換する。また水中撮影モード時はレンズの対角線画角は94°になる。
 



再生モード 撮影画像サムネイル画面


再生モード  ムービー再生時

最大の特徴〜ログを記録すること〜


TG-Trackerにはカメラという撮影機能のほかに最大の特徴ともいえる重要な機能が備わっている。それは“撮影フィールド”を画像だけでなくデータとして記録・管理できること。具体的にはGPS信号を基にした緯度経度の測位や撮影レンズが向いている方向、気圧情報から高度や水深の算出、気温・水温そして加速度センサーによる撮影者の急加速や急停止などの動きをなども含め膨大な情報をリアルタイムかつ継続的に記録する。つまり、日常の移動にしても初めて訪れる旅行の地でもTG-Trackerと行動を伴にするだけで自分の足跡をログ付けしてくれるのだ。また、このログの記録機能はカメラ機能とは独立して起動ができ、満充電状態では約48時間の連続記録が可能という。
記録したログは後述する専用アプリに読み込むことで地図とリンクさせて経路などを辿ることが可能となっている。風景やワイルドライフなどネイチャーに絡む撮影では、単純に「画像」を残すだけでなく撮影環境の状況を克明に記録しておきたいたいという人も多いと思うが、欲しいデータの測定や個々の記録など煩わしい作業とは無縁で記録できるのがありがたい。
このログ機能はデジタルカメラの STYLUS TG-4,TG-3,TG-870,TG-860にも搭載されているが、TG-Trackerの良いところはこれらに比べて圧倒的な小型軽量であること。記録用としてレンズ交換式のメイン機材など一緒に携行してもほとんど負担に感じないことだろう。


一部のセンサー機能は単独で測定状況を液晶モニターに表示が可能。単体の水準器やコンパス代わりとしても利用できる。


水準器と標高



標高(水深)ログ



測位情報


MODE切り替え


ムービー
静止画


タイムラプス
設定



再生
再生モード 撮影画像サムネイル画面



TG-Trackerをスマートフォンアプリで操作する


OLYMPUS Image Track (OI.Track)
http://app.olympus-imaging.com/oitrack/

記録したログはオリンパスが無償で配布する専用アプリOI.trackをインストールしたモバイル端末とTG-TrackerをWi-Fi接続することで撮影画像と共に閲覧できる。
OI.trackの画面では、自分の足跡を地図に重ねて表示し、地図上のマークをタップすることでその場所で撮影した画像を再生できるので撮影地点の詳細の確認も容易に行え、高度、水深のログ情報画面に切り替えることで時系列による高度の変化もグラフ表示で簡単に把握が可能だ。また必要に応じて任意のログ及び関連する撮影画像をモバイル端末に取り込めばTG-Trackerと接続せずにアプリ単体でいつでも自由にログを確認したり画像の再生ができるようになる。





ログ一覧
 ログ詳細・地図




ログ詳細・標高/水深
ログ取り込み(保存)操作



ログ詳細
記録画像サムネイル


記録ムービー 再生画面






OLYMPUS Image Share(OI.Share)
http://app.olympus-imaging.com/oishare/


なお、オリンパスのデジタルカメラ専用のモバイル端末用アプリOI.shareを使えばTG-Trackerのリモート撮影が可能になる。リモート撮影画面ではライブビューをモバイル端末に表示して事前に撮影に撮影アングルや構図の確認と露出補正の調整が可能だ。

しかし、このモードでの動画撮影は録画時間1〜16秒までのショートクリップモードとなり、また撮影中のライブビューは停止する。OI.shareの設定をワイヤレスレリーズ機能に切り替えるとライブビューは確認できないが最長で29分の録画機能のスタート/ストップのみ遠隔で行えるようになる。


撮影モード タテ位置




撮影モード ヨコ位置



アプリOI.trackの操作動画


スマートフォンアプリ OI.Trackと、TG-TrackerをWi-Fiで接続し、ログと画像を保存します


☆次回、撮影編へ続きます。



オリンパス TG-Tracker

https://olympus-imaging.jp/product/compact/tgtracker/
【著者プロフィール】
 

宇佐見 健(Ken Usami)

1966年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、専門誌、広告代理店を経てフリー。カメラ雑誌では新製品レビューやハウツーなど各種特集ページの執筆も担当。近年は北欧方面を精力的に撮影中。カメラグランプリ選考委員。
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