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銀塩手帖

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銀塩手帖
フィルム、銀塩写真に関する情報を記録していきます。
公開日:2017/06/22

【レポート】ハッセルブラッドやジナーPで撮影。六本木スタジオが若手スタッフにフィルム撮影セミナー

CAMERA fan編集部


六本木の東京ミッドタウン近くにある撮影スタジオ「六本木スタジオ」にて、若手スタッフ向けに行われたフィルムカメラ撮影セミナーをレポートします。

六本木スタジオは創業50年の老舗のスタジオ。雑誌や広告の撮影に使われ、被写体となる著名人が、このスタジオを指名することでも有名です。このスタジオでスタジオマンとして働き、独立したカメラマンは数知れず。著名なカメラマンを多数輩出しています。
数年間、ここで働き、その後独立したり、カメラマンのアシスタントに就くときには、「ロクスタ出身」という大きな信頼を得て巣立って行かれます。




このセミナーは、若いスタッフからの要望がありはじまったそう。20代のスタッフは、フィルムカメラを知らずに育ったデジタルネイティブ世代がほとんど。そんな若い人たちが、フィルムカメラに魅力を感じているのはなぜでしょうか。

現在、商業写真の撮影は、多くがデジタルカメラでの撮影です。
クライアントにとって、デジタルデータでの納品のほうがフィルム納品よりも効率的。万が一の失敗や事故というリスクも少ない。撮影時には、クライアントがディスプレイを確認して、仕上がりを共有できるという利点もあります。プロがデジタルを選択することは当然に思えます。

一方でカメラマンの中には、「フィルムの表現」を活かし、それを自らの作風とするだけでなく、フィルム撮影自体をアイデンティティとして活動する人も増えています。プロだからこそ、ライバルとは違う表現を追求し、自分の武器とする必要があるからではないでしょうか。

六本木スタジオで働く意識の高いスタッフたちが、フィルムカメラを学びたいという気持ちがわかります。

 

中判フィルムカメラ ハッセルブラッドでのポートレート撮影


まずは、ハッセルブラッド 503CXを使用してポートレート撮影。レンズは、マクロプラナー CF120mmF4。白ホリゾントのスタジオに大型ストロボでライティングして人物を撮影した。



「ハッセルチェンジ」と呼ばれるフィルム交換をレクチャー。ハッセルブラッドのフィルムカメラが、広告シーンで活躍していたころ、アシスタントにとってフィルム交換は重要な仕事でした。スピーディーに撮影するカメラマンから撮影済みのマガジンを受け取り、新しいマガジンを渡す。直ちにフィルム交換を行い、撮影済みフィルムは、データと連番を記録する。そしてまたマガジンを受け取り渡す。この繰り返しでした。
ハッセルブラッドは、120サイズのフィルムで12枚しか撮影できないため、1本の撮影はあっという間に完了してしまいます。よって、アシスタントは、このフィルム交換を迅速に行う必要がありました。この作業が遅い場合には、カメラマンと被写体の呼吸やリズムが崩れてしまいます。1枚のメモリーカードで数千カット撮影できるデジタルカメラとは、ワークフローがまったく異なります。




フィルム交換のタイムを競う。以前、六本木スタジオでは、スタッフの昇格試験の項目にハッセルブラッドのフィルムチェンジがあったという。







広告撮影の現場では、まずはインスタントフィルムでテスト撮影し、光と露出を確認することが重要でした。「ポラを切る」と言った。



前回のセミナーで撮影された写真。きちんとライティングして撮影されたポジフィルム(リバーサルフィルム)は美しい。

 

大判カメラ ジナーでのポートレート撮影



次に行われたのは、大判フィルムカメラ「ジナー P」での撮影。4×5(シノゴ)フィルムでの撮影。改めてスタジオで見ると、カメラの存在感がすごい。




セミナーを指導する六本木スタジオの石川治氏。



若手のスタッフにとっては、カブリ(暗幕)を被っての撮影が新鮮に感じたようだ。と書いてみたが、CAMERA fan編集部の私も大判カメラは未経験です、えらそうにごめんなさい。




ジナーPで撮影された4×5のポジフィルム。これらをスキャニングすれば、非常に豊富な情報を持つデジタルフォトの作成が可能だ。



六本木スタジオの若手スタッフの皆さん。今年が2年目の同期の仲間だという。
明るくて、やる気に満ちていて、キラキラしていました。取材中、私は眩しすぎて目の前が真っ白になりました。近い将来、この中からの著名なカメラマンが生まれることでしょう。



 

【取材強力】六本木スタジオ


白ホリゾントスタジオ、自然光スタジオと3つのゲストルームを有し、CM・PV・カタログ・雑誌などあらゆる撮影に対応している。

六本木スタジオ
〒106-0032 東京都港区六本木4−6−9
TEL 03-3402-9451
https://www.roppongi-st.co.jp/









 

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「個性あふれる"私らしい"写真を撮る方法」野寺治孝・著


IDEA of Photography 撮影アイデアの極意」南雲暁彦・著

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