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ニュース&トピックス
公開日:2017/09/08

【イベントレポート】FUJIKINA 2017東京

text & photo 大浦タケシ

「FUJIKINA 2017東京」が開催された綱町三井倶楽部
 

FUJIKINA 2017東京

2017年9月7日、「FUJIKINA 2017東京」が東京都港区の綱町三井倶楽部にて開催された。この1日限りの特別なイベントは、富士フイルムが主催するXシリーズおよびGFXユーザーのファンミーティングで、今年1月に京都で開催された「FUJIKINA 2017」の東京版と言えるものである。ちなみに会場となった綱町三井倶楽部はその名のとおり三井グループ会員企業の倶楽部として用いられる施設。大正時代初期に建てられた歴史と格式ある洋館は、非日常的な空間を醸し出す。通常一般には公開されていないが、富士フイルムも同グループの会員企業であるため、今回この場所でのイベント開催が実現できたとのことだ。

会場内には、Xシリーズ/GFXを愛用する写真家のトークショーコーナー、同じくワークショップコーナー、XシリーズとGFXで撮影された写真を展示するギャラリーコーナー、最新モデルを体験できるタッチ&トライコーナー、無料のクイックメンテナンスサービスコーナー、XシリーズとGFXが無料で借りられるレンタルサービスコーナーを開設。来場者はそれぞれの会場を自由に行き来でき、Xシリーズ/GFXの魅力を十二分に堪能できるものとしている。実際、イベント開催中は会場内が多くの来場者で溢れかえり、人気のある写真家のトークショーやワークショップでは立見になり、会場への入場制限も一時行われるほどの人の入りであった。
 

レトロな建物と最新機種のコントラスト

カメラファン的注目は、中村成一氏をはじめとする4名の写真家が登壇したワークショップ。中でも渡部憲之氏のワークショップは、会場内のテラスでBMXライダーをX-T2とニッシンのストロボを使い撮影するというもので、古い建造物と激しく動くBMXライダーのコントラストがユニークに思えた。

また、来場者の注目度が高かったのがレンタルサービス。普段は簡単に立ち入ることのできない綱町三井倶楽部の建物内外部やモデルを被写体に、貸し出されたXシリーズ/GFXのカメラやレンズでトライアル撮影を楽しむ様子が多数見受けられた。


プレミアム感のある1日限りのイベント

このイベントは昨日の1日限り。しかも夕方18時から22時までと短い時間であるうえに、厳密ではないもののドレスコードがあるなど、ちょっと敷居の高いものであったが、それゆえプレミアム感あるものに思えた。

実際、来場したXシリーズ/GFXユーザーにイベントの感想を聞いたところ、満足度は高く、定期的な開催を望む声がいくつか聞かれた。ただ、ひとつ物足りなく思えたのが、開発者や設計者などが登壇する機会がなかったこと。つくった人間の顔が見えてくれば、よりカメラや交換レンズに対する愛着や理解も増したように思えてならない。先般、ニコンもファンミーティングを開催したが、このようなイベントは写真愛好家にとってメーカーやそのカメラをよく知るための、またとない機会に思える。今後も継続的に開催されることを望みたい。


FUJIFILM X-E3
このイベントに合わせて発表された「X-E3」。キーデバイスはX-Pro2やX-T2などと同じ有効2430万画素「X-Trans CMOS III」と画像処理エンジン「X-Prosessor Pro」を搭載。本来なら背面にある十字キーを省略したことも特徴のひとつだ。



XF8-16mmF2.8 R LM WR(左)、XF200mmF2 R LM OIS WR(右)
開発中とする超望遠単焦点レンズ「XF200mmF2 R LM OIS WR」と、超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」(いずれもモックアップ)。2018年の発売を予定とのことだが、さらにXシリーズの活躍の場が広がりそうだ。



GF250mmF4 R LM OIS WR(左)、GF1.4× TC WR(右)
こちらはGFX用の「GF250mmF4 R LM OIS WR」と「GF1.4× TC WR」(いずれもモックアップ)。GF250mmF4はフルサイズ判換算で198mm相当とする単焦点望遠レンズ。2018年の発売を予定。


 
アクセサリーメーカーのブース
今回のイベントでは、協賛企業のメーカーも出展していた。キポン、コメット、ニッシンジャパン、プロフォトがタッチ&トライコーナーにブースを構え会場を盛り上げた。カメラメーカーのイベントにアクセサリーメーカーがブースを出すのは珍しいが、ユーザーの使用環境等を考慮するとうれしい配慮だ。




XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
X-E3とともに発表された「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」。等倍までのマクロ撮影を可能としたことに加え、角度ブレとシフトブレに対応する手ぶれ補正機構を搭載する。そのほか、GFX用の「GF45mmF2.8 R WR」も発表された。



X RAW STUDIO
プレス向けの発表会で公開された新RAW現像ワークフロー「X RAW STUDIO」。パソコンとカメラボディをケーブルで繋ぎ、現像はカメラのCPUで行うというもの。現像時間が大幅に短縮し、評判の高い同社のJPEG画像と同じ仕上がりが得られるという。




「HOME」
世界的な写真家集団マグナム・フォトと富士フイルムの共同プロジェクト「HOME」の作品を展示した開場。同社はカメラの提供のほか、世界各国で開催されるプロジェクトの写真展や記念写真集のメインスポンサーになっている。




作品展示コーナー
世界各国の写真家による作品を展示したギャラリーコーナー。もちろん全てXシリーズおよびGFXで撮影されたものだ。独特の展示方法もユニークで、来場者の注目度も高かった。



クイックメンテナンスサービスコーナー
専門スタッフによるチェックが無料で受けられるとあって、愛機を携えた来場者で賑わっていた。




レンタルサービスコーナー
XシリーズおよびGFXのカメラ・交換レンズが無料で借りられる。こちらも開場から長蛇の列ができ、同社ミラーレスの人気のほどを知ることができた。




タッチ&トライコーナー
発表されたばかりの「X-E3」や「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」など試すことができる。イベント終了まで順番を待つ列が途切れることがなく、注目度の高さを知らしめた。




渡部憲之氏のワークショップ
X-T2とニッシンのストロボを使った渡部憲之氏のワークショップの様子。アクロバティックな動きのBMXライダーを鮮明に捉えた画像に、来場者から驚きの声があがっていた。


 
軽量なライトスタンド スーパーライトスタンド LS-50C 
ニッシンのブースで見つけた軽量なライトスタンド。センターポールにカーボンを使用しており、全伸高195cmであるにもかかわらず質量575gを実現する。軽量コンパクトなXシリーズのカメラと組み合わせて使ってみたい。




<関連サイト>
富士フイルム Xシリーズ
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/

 
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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