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ただいま往診中〜赤城写真機診療所〜

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ただいま往診中〜赤城写真機診療所〜
赤城写真機診療所の院長 赤城耕一が、カメラ病にかかった患者たちのために西へ東へ往診治療する。
公開日:2018/04/09

リニューアルした日東カメラ ドクター赤城 オトナの秘密基地へ突入するの巻

photo & text 赤城耕一

ドクター赤城の青春〜大学生時代の思い出

東京は中野にある日東カメラ(日東商事)さんには、若い頃からたいへんお世話になっています。詳しくは後ほど述べますけど、新店舗移転に伴うお知らせを込めて報告します。まずは軽く思い出話などさせてください。

たしか最初に日東カメラさんに伺ったのは大学生の頃だから、なんと40年近く前になるのか!月日が経つには早いもので、自分自身がすっかりジジイになっていることを忘れている能天気な私でありますが、最初にこの店で買い物をしたのはなんだったかなあ。全く思い出せませんが、ニッコールオート28mmF2だったかなあ。ま、ライカ関連じゃないですね、そのころの経済状態では。

ただし美品のオリンパスOM-3は買いました。間違いなく。これは記憶しています。当時の新品定価はOM-4と同じだったんだよね、でもここで購入した価格は衝撃的に安かったので覚えていますね。あれから幾星霜

お店の場所は長いこと中野駅から近い早稲田通りの下り車線側にあり、40年前からすでにレトロな雰囲気を醸し出しておりました。ちなみに駅近くのフジヤカメラも、いまは立派な店舗ですが、元は中野ブロードウェイの入り口の近くに、あまり間口の広くない小さなカメラ店として営業してたことを覚えています。店内も明るくはなかったな。

最初に日東カメラさんを訪問したころは、ショーケースとかまだ木枠じゃなかったかな?年配の従業員さんも数人いらしたような記憶があります。往時から非常に昭和感の強いお店で、銀座などの派手な中古カメラ店とは趣が異なり、例えていえば老舗の落ち着いた酒屋さんみたいな感じがしました。これが中野という場所の良いところ。


旧店舗

著名な写真家さんもたくさんお客様でいらして、大倉舜二先生が座って店主と話し込んでいる後ろを恐る恐る通ったことを何となく覚えております。その後、先生とお話するようになり、そうした思い出をお話したことがありますが、「なんだよ!声かければいいだろ!」と怒られたのもいまでは良い思い出となりました。

日東カメラさんは、別名は日東商事といい、創業した昭和18年当時は、写真撮影を業務とした会社だったそうな。ほら、戦時中だから、出征兵士なんかを撮るわけです。先代は、いろいろと事業を考えていたので「商事」としたようですな。

そして戦後ですね、日東商事さんは写真機材を扱うカメラ屋さんとして再出発したわけですね。あ、ちなみに日東カメラさんで領収書をもらうと、「日東商事」の社印が押してあります。うちの税理士さんに、何ですかこの会社は?と言われたりしますが、もちろん経費として計上していただいます。あたりまえです、カメラは写真事業に対する設備投資ですからね。
 

旧店舗と同じ中野北口エリアにあるビルの8Fに移転


前置きがとても長くなりましたが、日東カメラさんはこの4月6日より新しい店舗に移転して営業を始めました。旧店舗は老朽化で厳しくなったようです。旧店舗、写真を撮っておけばよかったぜー。失敗しました。

新店舗の場所は旧店舗からみると早稲田通りを西に歩いて、中野通りとの交差点を超え、さらに少し歩いた上り車線側の雑居ビルの8Fにあります。



中野駅からだと、中野サンプラザをすぎて、5分程度で到着する感じです。前のような路面のお店ではないですが、ビルの看板にも「日東カメラ」とあります。



エレベーターに乗り、8Fについてみるといきなりお店なのかと思いきや、右手にあるドアを開くと、そこが日東カメラさんです。「ノック不要」と書いてありますが、これはいちおうノックしますよ、ふつー。


 

日東カメラ 店内の様子


店内の感じはこんな雰囲気。まだ開店する前だったので、整理されていませんが、整然としています。

店舗奥は南側の窓なので素晴らしく明るい店内。旧店舗よりは狭いですが、中古カメラとレンズを細かく吟味するにはお客さんにとっては最高の環境かもしれないですなあ。

訪問したのは新装開店の1日前。旧店舗同様にレンズキャップなどの小物や暗室用品なども少数だけど置いてありました。ちなみに訪問したときはフォコマートV35や、べセラーのネガキャリアもあったなあ。こういうのは単品で探すと滅多に出てこないですぜ。探している人はすぐに行きましょう。

カメラが入っているショーケースは壁側にはなく、店内の正面に2本がL字型に置かれてます。手前にはレンズキャップや小物のアクセサリー関係。以前と変わらずに引き伸ばし機も置いてあったり。現像タンクや薬液を保存するポリタンクやバットもあります。うまくいけば廉価に暗室用品が揃いますぜ。



薬液保存用のポリタンク・現像バットとか
意外にいま買うの大変だし。関係ないけど、後ろにローレイフレックスSL2000Fの元箱あるけど、中身が入っているのかどうか訊き忘れたぜ。



4×5のカットホルダー
必要な人には必要だよね。クイックロードフィルムもなくなったからだけど、正当派で使える安心感があります。


 

ビギナーにも安心できる価格と接客

日東カメラさんの特徴は転売やらネット販売やら、この時流に左右されない独自の値づけが魅力なわけです。また商品のほとんどは整備済みで、すぐに使用できちゃうところが素晴らしいですね。

ちなみに店主の川田さんの目利きは確かで、目玉にレンズの良し悪しを瞬時に見分ける専用ルーペが内蔵されているのではないかと思ったほどですよ。

もちろん中古だから状態、程度は全て異なるわけですが、在庫商品のほぼ全ての状態を的確な言葉で解説してくれる川田さんの言葉は信頼できるものがあります。ビギナーさんも安心のお店でありますね。

日東カメラさんの商品の品揃えに対する個人的な印象は、ライカやハッセルなどの輸入カメラが主というよりも、国産カメラを重点とした印象なのだけど、程度の良い、使いやすい商品が多いということ。

特別な珍品はそうはないけど、たとえばブロニカS系のスーパーコムラー50mmF3.5が何気なく置いてあったり、M42マウントの、これまで見たことも聞いたこともないようなメーカーのレンズが、お小遣い程度で購入できる価格で並べられていたり、マスコカラータンクプロの120用のリールがあったりするからたまらないわけです。



中判カメラコーナー
訪問した時はゼンザブロニカS2がたくさん!中判カメラに手厚いのも日東カメラさんならではです。




これまでに3台しか見たことがないという、武蔵野光機のRITTRECK(リトレック) II-Aを食い入るように見るドクター赤城



武蔵野光機のRITTRECK(リトレック) II-A


フィルム交換などで使用するダークボックス(さくらカラー)と戯れるドクター赤城


そういえば以前、業務用のコンタクトプリンターをここで見つけたんだけど、すでに売約済になっていて、ものすごく悔しい思いをしたことを思い出しました。

実用派の写真制作者にはたまらない日東カメラですが、偶発的な出会いがあることも中古カメラ店に行く楽しみなわけで、昨今はネットで検索したり、オークションで買えばいいやみたいな風潮もあるわけですが、リアルな店で、ずっと探していたブツを発見して、思わずニンマリするような、中古カメラを購入する楽しみの原点を思い出すことができました。

店舗が開くのは金土日だけで、もちろんネット販売もしていますが、あくまでも直接来店されるお客さんも大事だと、店主の川田さんはいいます。

 

ドクター赤城が処方する”カメラ病”に効く処方箋


ニューマミヤ 6
価格:129,600円。ニューマミヤ6があるぜー。超人気6×6判のレンジファインダーカメラ。小型軽量です。むかーしのマミヤ6とは全然違います。レンズは50mm/75mm/150mmの3本のみで解決。アダプターがあれば35mmフィルム入れてパノラマ撮影もできちゃいますね。



ライカ M3
価格:86,400円。ライカM3のシャッター整備済みボディがこの価格。M型の原点的存在ですぜ。外観は傷ありますが、機能は万全だから、お買い得感強し。紹介せずに買ってくればよかったかなあ。



ニコン FM + Ai-s Nikkor 50mm f1.8
価格:10,800円+12,960円。最近はニコンF2フォトミックよりもFMの方が高いとかふざけた現象が起きていますが、日東カメラはブレない価値観というか値付け。これでいいわけです。Ai連動ピンをハネあげることができるから、非Aiニッコールも使えちゃう素晴らしさ。



ペンタックス SMC-PENTAX-M 28mm F2.8
価格:8,640円。これ、私も使っているんだけど、すげーよく写りますね。ペンタックスレンズは小型のMになってからダメという人もいるけど、そんなことないと思うけどね。



ニコン Nikkor Auto 50mm F2(フード付)
価格:5,400円。残念ながら、Ai改造が施されていないのでこの価格。ニッコールオート50mmF2をモダンにしました。フルブラックなんで個人的には好きですよ。



タムロン MF 28mm F2.5
価格:8,640円。レンズメーカーの単焦点MFレンズって、中古では意外と見かけないですな。理由はわからないけど、このレンズはすっごくよく写りますね。



Meyer-Optik-Domiplan 50mm f2.8 M42
価格:12,960円。人気のメイヤーオプティックのドミプラン50mmですな。スペックを欲張らなかったこともあり、好結果が出ています。廉価な値付けです。

 

ドクター赤城耕一の往診結果

日東カメラが路面店でなくなったのは少しだけ残念ですが、そのかわり、新店舗は「オトナの秘密基地」感がますます強くなり、魅力が増しました。おそらく半年も経てば、さらなる魔窟感が出てくることは間違いないでしょう。

エレベーターが上昇する時の高揚感、ドアを開ける時の緊張感がまたいいわけです。この気分を味わうため、ぜひ日東カメラへどうぞ。たぶん無傷では帰れませんので念のため。
 

<ショップ情報>

日東商事株式会社(日東カメラ)
住所:〒165-0026 東京都中野区新井2-30-4 IFOビル8-A
電話:03-3387-0111
営業日時:金・土・日曜日のみ 12:00〜19:00
定休日:月・火・水・木曜日
ショップサイト:https://www.nitto-camera.co.jp/


CAMERA fanで日東商事の商品を検索する:
http://camerafan.jp/nittou/itemlist.php


☆記事に掲載している商品情報は、取材時のものです。商品の在庫の有無と価格は、お店にお問い合せください。
 
☆緊急告知:赤城写真機診療所の続編「赤城写真機診療所 MarkII」は、2018年6月29日に発売予定です。
 
赤城耕一
東京生まれ。出版社を経てフリー。エディトリアルやコマーシャルの撮影のかたわら、カメラ雑誌ではメカニズム記事や撮影ハウツー記事を執筆。戦前のライカから、最新のデジタルカメラまで節操なく使い続けている。

主な著書に「使うM型ライカ」(双葉社)「定番カメラの名品レンズ」(小学館)「ドイツカメラへの旅」(東京書籍)「銀塩カメラ辞典」(平凡社)

ブログ:赤城耕一写真日録
 
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