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ニュース&トピックス
公開日:2018/05/28

【イベントレポート】オールドレンズ三昧のフェス「オールドレンズフェス Vol.1」

Photo & Text 大村祐里子


2018年5月25日〜27日の3日間、東京・原宿のデザインフェスタギャラリーにて「オールドレンズフェス Vol.1」が開催された。オールドレンズフェスは「見て、触って、買える」をテーマにした、オールドレンズ三昧の体験型イベントだ。デザインフェスタギャラリーEAST 1階と2階ではオールドレンズで撮った作品だけを集めた写真展を開催。また、土日はトークイベントやワークショップ、即売会なども行われ、オールドレンズの魅力がぎっしりと詰まった3日間となった。



会場は、オールドレンズ愛好家や興味のある人で大変な賑わいを見せていた。来場者に女性が多いこと、また幅広い年齢層の人々が訪れていることが非常に印象的だった。
 

「オールドレンズ×ポートレート写真展3」





EAST 101では、「オールドレンズ×ポートレート写真展3」を開催。『オールドレンズ×美少女』の著者である写真家の上野由日路氏や、フォトテクニックデジタルで記事執筆中の鈴木啓太/urban氏を中心とした7名のグループ展だ。スペシャルゲストとして澤村徹氏も参加。オールドレンズやシネレンズを使った、淡く柔らかい雰囲気のポートレートを心ゆくまで堪能できる。1枚1枚モデルが輝いて見え、ポートレートに関心のない人さえもグイグイと惹きつけるような、強いパワーを持った作品が多いと感じた。
 

「オールドレンズ女子部 写真展」



隣のEAST 102では、「オールドレンズ女子部 写真展」が行われていた。オールドレンズ女子部とは、オールドレンズやシネレンズに魅了された女子メンバーで構成されている団体だ。壁面には、女性らしい華やかな写真がたくさん飾られていて、そのあふれる色彩に心が洗われた。

「オールドレンズ写真学校 生徒写真展 Vol.5」



2階のEAST 201,202では、上野由日路氏と伊藤弘氏が講師をつとめる「オールドレンズ写真学校 生徒写真展 Vol.5」を開催。毎月のワークショップで撮影した写真を厳選して展示している。優しい雰囲気のものから、カッコいい雰囲気のものまで、作品の幅広さが印象的な空間だった。

会場を一周してみて、ソフトフォーカスやぐるぐるボケ、フレア、ゴースト……といった描写、独特の色彩がオールドレンズの魅力であると感覚的に知ることができた。そして、何よりも「オールドレンズを使って写真を撮ってみたい」という気持ちになった。

展示のキャプションを眺めてみると、カメラボディはソニーのαシリーズや、オリンパスのPENシリーズが人気であることがわかった。

 

三宝カメラがオールドレンズの販売で特別出店



一方、EAST 102では、カメラファンの加盟店である「三宝カメラ」による中古カメラ及び中古レンズの販売が行われていた。ビギナーの方が気軽にオールドレンズを使えるようにと、マウントアダプターや5,000円以下で購入できるお手頃なレンズも多数取り揃えられていた。販売ブースの前は常に人だかりができていて、大変な人気だった。


 

澤村徹スペシャルトークショー



5月26日(土)13時からは、3階のEAST 301にて、『オールドレンズ・ベストセレクション』の著者である写真家の澤村徹氏のトークイベントが開催された。聞き手は上野由日路氏。



トークイベントでは、澤村氏のお気に入りレンズとそのレンズで撮影した作品や、オールドレンズを作品作りに生かすために知っておくべきことなどが紹介された。技術面だけではなく、精神面でも撮影に役立つようなトピックが満載で、満員となった部屋で参加者は熱心に澤村氏のトークに耳を傾けていた。

 

「上野由日路×鈴木啓太/urbanポートレートワークショップ Presented by FlashAir(東芝メモリ)」


続いて、5月26日(土)14時半からは、3階のEAST 301にて「上野由日路×鈴木啓太/urbanポートレートワークショップ」が行われた。

写真家の上野由日路氏と鈴木啓太/urban氏が、実際にオールドレンズを使ってモデル撮影を行い、その中で東芝メモリの「FlashAir」の活用方法を紹介する、という内容だ。




冒頭でも少し触れたが、写真家の上野由日路氏は『オールドレンズ×美少女』の著者である。現行レンズの描写に満足できないときにオールドレンズと出合い、徐々にシネレンズにものめり込んでいった。現在はシネレンズでポートレート撮影を行なっている。



鈴木啓太/urban氏は、フォトテクニックデジタルで『オールドレンズポートレートのすすめ』という記事執筆を行なっている。オールドレンズやフィルムカメラを好み、カメラ店とコラボして撮影のワークショップも開催している。


Photo:上野由日路 モデル:里々佳

まず、両者から作品とともにオールドレンズの長所が紹介された。フレアやゴーストを生かしたノスタルジーあふれる写真、虹の輪が描写された幻想的な写真を参加者は食い入るように見つめていた。上野氏は、オールドレンズの長所は眩しい光を眩しく写したり「感覚を視覚化してくれるところ」だと話す。



ただ、オールドレンズを使った撮影には弱点が2つある。オールドレンズはピントの合う領域が非常に狭いため、ピント合わせがシビアになる。しかし、撮影中にいちいちカメラの小さな背面液晶でピントを確認していては、撮影のテンポが悪くなる。それが1つ目の弱点だ。「ポートレートを撮るとき、ピントの確認などで撮影が止まるとモデルさんと一緒に温めてきた現場の温度が下がってしまいます。撮影が止まると本当に困ります」と上野氏。

2つ目の弱点は、オールドレンズの特徴であるグルグルボケやフレアは、撮影中は残念ながら自分でしか見られないことだ。モデルさんともこの描写を共有できたらもっと撮影が盛り上がるはずである、と上野氏は話す。

 

オールドレンズでのポートレート撮影に役立つFlashAir



上野氏は、そんなオールドレンズの弱点を解決するのが、FlashAirだと言う。FlashAirは、無線LAN搭載の SDメモリカードだ。2012年の登場から5年経ち、基本性能と無線転送速度がさらに進化した。デジタルカメラで撮影した写真を、FlashAirアプリをインストールした最大7台のスマートフォンやタブレットなどの端末に同時に転送できる。また、無線LANを搭載しているのでWi-Fiのアクセスポイントがない場所でもデータをシェアできるというメリットがある。

そこで、以上のようなオールドレンズを使った撮影の弱点を克服するため必要なものとして、FlashAirが紹介された。

先ほども少し触れたが、FlashAirは無線LANのアクセスポイントを搭載しているので、カメラ内の写真をスマートフォンやタブレットなどの端末に表示し、保存・共有できる。また、カメラ側の機能を制限しないで写真を転送できるので、撮影中も常に写真を閲覧可能だ。よって、撮影のテンポを悪くするようなことはない。ここが大きな魅力である。

FlashAirを使うと、さきほどの弱点が両方とも克服できる。撮影のテンポを悪くすることなく、それぞれの端末に転送された写真を見ながらピントを確認できる。しかもモニタやタブレットに転送すれば、大きな画面でピントをチェックすることもできる。弱点1つ目は解決だ。

さらに、モデルとも写真を共有できる。写りを共有していくことで、モデルの安心感につながり、撮影時のモチベーションと作品のクオリティがよりアップする。弱点2つ目も解決だ。




ここで、モデルの八木ナツホさんが登場。実際に上野氏がオールドレンズを使って八木さんを撮影をしながら、FlashAirの使い勝手を紹介した。



会場では、タブレットに写真を転送する手法をとった(わかりやすくするため、会場ではタブレットからさらに大型モニタへ出力)。タブレット側のWi-Fi接続先を「FlashAir」にすることで、すぐに写真を共有できる。驚くほど簡単だ。インターネットの設定が苦手な人も安心して使える、と思った。
 

まるでテザー撮影のように、撮影画像が次々と大画面に表示されていく


FlashAirアプリをインストールしたiPadに撮影した画像が表示される

見たところ、転送速度も想像よりスピーディだった。撮影中も軽快にモニタに写真が映し出されていった。カメラと端末が離れすぎると転送が難しくなるそうだが、小規模な撮影であれば全く問題ないと感じた。


モデル:八木ナツホ
 

FlashAirでより速く画像を転送するコツ〜小サイズのJPEGを飛ばす〜

カメラからFlashAirにより速く転送するためのコツとして、カメラ側の画像の記録サイズを「JPEG(中〜小サイズ)」+「RAW」の同時記録にしておくと良いだろう。プレビューするためのJPEGファイルの画像を小さくしておけば転送速度が早くなる。合わせてメインの画像は「RAW」ファイルで記録しておく。
ダブルスロットのカメラであれば、FlashAirには、小さいJPEGを記録し、もう1枚のSDカードには「RAW」といったように、振り分ける設定で使用する方法もある。



iPadから外部モニターにミラーリングして「FlashAir」アプリの画面を表示している。写真は、直近で撮影した画像をサムネイルで表示。アプリの設定で「自動更新」にしておけば、撮影した画像が次々と表示される。まるでテザー撮影のような便利さがある。


サムネイルからタップして拡大画面。ピントチェックが容易にできる。

写真の表示は、一枚一枚をじっくり見るプレビュー画面と、一覧で見るサムネイル画面を選ぶことができる。ピントのチェックをしたい場合はプレビュー画面で、撮影の流れや構図被りなどのチェックをしたい場合は、サムネイル表示が良いとのことだ。



時々、モデルと写真を確認しながら撮影をすすめていく上野氏。定常光+ストロボ(しかもレッドフィルター使用)という、慣れない人には仕上がりが想像しづらいライティングであったが、FlashAirで常時写真を共有しながら撮影をすすめていったので、モデルの八木さんも「なるほど、こうなっているのね」と絵作りに納得しながら撮影に臨めているように見えた。





FlashAirは複数の端末からアクセスが可能だ。このようにモデルが自分のスマートフォンで写真を見て、転送することもできる。八木さんは「手元で写真を確認できるので安心感がありますし、すぐに写真をSNSで共有したい場合にも助かります」と話す。

あっという間の1時間だったが、ワークショップを通じて、オールドレンズを使ったポートレート撮影の楽しさと、それを強力にサポートするFlashAirの魅力が伝わってきた。

こんなに簡単で使い勝手が良いのであればぜひ使ってみたいと思ったので、筆者も早速FlashAirを手に入れ、近々撮影で使用してみることにした。

<関連サイト>
FlashAir
http://www.toshiba-personalstorage.net/product/flashair/sduwa/index_j.htm

上野由日路×伊藤弘 オールドレンズ写真学校
http://raylow3310.wixsite.com/oldlensphotoschool

オールドレンズフェス(会期:2018/5/25〜27 終了済み)
https://urbansoul00.wixsite.com/oldlensfestival

<取材協力>
東芝メモリ株式会社



 
 著者プロフィール  
大村 祐里子(おおむら ゆりこ)

1983年東京都生まれ
ハーベストタイム所属。雑誌、書籍、俳優、タレント、アーティスト写真の撮影など、さまざまなジャンルで活動中。雑誌連載:『フォトテクニックデジタル』にて「身近なものの撮り方辞典」を連載中。

ウェブサイト:http://omurayuriko.jp/
ブログ:http://shutter-girl.jp/
Twitter:@Holy_Garden
 
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