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最新デジタルカメラで使いたいオールドレンズたち

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最新デジタルカメラで使いたい
オールドレンズたち
公開日:2018/03/16

第3回 Cマウントレンズを深掘りする OLYMPUS PEN-F

text & photo 澤村徹

PEN-FにZaikaのNominar 25mmF0.95を装着。あまり知られていないCマウントレンズだが、かなりクセのある描写を楽しめる。

α7シリーズの登場以降、オールドレンズ撮影はフルサイズミラーレスの独壇場と言って支障ない。しかし、マイクロフォーサーズならではの絶対的なアドバンテージがある。それがCマウントレンズだ。16mmフィルムムービーカメラ用のCマウントレンズは、フルサイズ機やAPS-C機では四隅が大きくケラレてしまう。ベストベースボディはマイクロフォーサーズだ。

さて本稿は、オリンパスPEN-Fとともに、改めてこのCマウントレンズと向き合ってみたい。理由はふたつある。ひとつ目はレンズの価格だ。ミラーレスの初号機、パナソニックLUMIX G1が登場し、シネレンズブームが巻き起こる。それまで安価だったCマウントレンズは軒並み急騰した。かつて1〜2万円だったレンズが、20万円、30万円と驚くほど値を上げた。それが10年ほど前の話だ。そうしたブームも一段落し、現在は描写相応の値段で販売されている。人気のCマウントレンズもずいぶんと買いやすくなった。これからCマウントレンズデビューもわるくない。


P.Angenieux Paris 25mmF0.95 M1は大口径Cマウントレンズの代表格だ。ブームの最中は20万円越えすることもめずらしくなかったが、中古相場が落ち着き、現在は10万円前後で購入できる。

ふたつ目はCマウントレンズの深掘りだ。シネレンズは本来ムービー撮影用のレンズで、これを写真撮影に転用するようになってから日が浅い。無名のレンズであっても、描写のおもしろいものがたくさんある。自分だけの写真表現を求めるなら、こうした無名のCマウントレンズを試してみてもいいだろう。

ここではZaikaのNominar 25mmF0.95をPEN-Fと組み合わせてみた。日本製の大口径Cマウントレンズで、Zaikaという名前はZeissとLeicaから取っているらしい。あまり詳しい情報がなく、安くF0.95が買えるという理由だけで入手した。ただこれが、実写してみると実に個性的なレンズなのだ。

開放で被写界深度が浅いのは当然として、いびつな玉ボケがのウロコのように広がる。言うなればウロコボケが撮れるレンズだ。この写りはなかなか得がたい描写と言えるだろう。四隅のケラレも最小限で扱いやすい。レンズコンディションは並品以下だったが、この個性的な描写は大満足である。Cマウントレンズはまだまだ未知の領域が広がっている。ぜひ深掘りを楽しんでほしい。


PEN-F + Nominar 25mmF0.95
絞り優先AE F0.95 1/2500秒 −1.3EV ISO200 AWB RAW
さほど奥行きのない撮影条件だが、開放F0.95だけあって前ボケ後ボケともにとても大きなボケ方だ。


PEN-F + Nominar 25mmF0.95
絞り優先AE F0.95 1/500秒 ISO200 AWB RAW
右側を見ると、いびつな玉ボケがウロコ状に広がっている。この独特な描写が本レンズの個性だ。


PEN-F + Nominar 25mmF0.95
絞り優先AE F0.95 1/640秒 ISO200 AWB RAW
同じくウロコボケが画面全体を覆う作例だ。開放だと、解像するのは中心部のみとなる。


PEN-F + Nominar 25mmF0.95
絞り優先AE F2.8 1/3200秒 ISO200 AWB RAW
F2.8まで絞るとシャープな描き方になる。25mmF0.95の割りに四隅のケラレは少ない部類だ。


<関連サイト>
オリンパス PEN-F
https://olympus-imaging.jp/product/dslr/penf/
 
澤村 徹 プロフィール
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

ウェブサイト:http://www.metalmickey.jp/
Twitter:https://twitter.com/tetsu_sawamura
 
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著・澤村徹
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