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ニュース&トピックス
公開日:2015/02/16

CP+2015・カメラファン的まとめ

photo & text 大浦タケシ


先般の速報版でもお伝えしたとおり2015年2月12日(木)より15日(日)までの4日間、パシフィコ横浜にてカメラと写真の祭典CP+2015が開催された。国内外のカメラメーカー、レンズメーカー、アクセサリーメーカーなど131社が出展。4日間通して天候にも恵まれ、3日目の土曜日が降雪のため中止となった昨年の42,203人を大きく上回る67,617人の来場者数となった。
会期中、際立って注目を集めていたカメラといえば、実機展示ではキヤノンEOS 5Ds/5DsR、モック展示ではペンタックスフルサイズ一眼レフとシグマdp0 Quattro あたりだっただろう。特にEOS 5Ds/5DsRはハンズオンコーナーに長蛇の列ができ、30分待ちであることを示したボードを持つ係員の姿も。そのほかのブースも例年以上の人の入りで、お目当てのカメラ・レンズに触れるまで忍耐を要することがあるほどの賑わいであった。ディープな写真愛好家の愛読サイトCAMERA Fanとして、ここではCP+に出展された編集部イチオシのアイテムを中心に紹介していきたい。




モノゴ/DanCam



段ボール製の一眼レフカメラ。年配の方ならご存知かと思うが、青焼きで使うジアゾ感光紙を使用する。そのため露光時間は晴天順光で30分(!)を要するという。撮影では、ウエストレベルファインダーを引き上げるとレフレックスミラーもアップし露光を開始、撮影を終了するにはファインダーを元の位置に戻すだけ。現像も感光紙に専用の現像液を塗布するのみと、実にシンプル極まりないものである。ただし、レンズはガラス製で、安易なプラ製としなかったのは好感の持てる部分だ。鏡筒が紙管のベーシックモデル5,800円、鏡筒がアルミ製のプレミアムモデル9,800円、ベーシックモデルの組み立てキットが3,800円とリーズナブルなのも魅力。





オリンパスイメージング/OM-D E-M5 Mark IIチタンモデル



ひっそりと展示されていたOM-D E-M5 Mark IIのチタンモデル。思わず見落としそうになったほどだ。同社のチタンカラーモデルといえば、1986年発売のOM-4Tiや1994年のOM-3Tiを思い起こすが、まさにそれらをオマージュするものである。OM-Dシリーズのトップエンド E-M1と異なり、控えめなグリップを持つE-M5 Mark IIの佇まいは、フィルムカメラのOMシリーズにも近いように思える。メーカーでは今回のCP+での反応をみて発売を考えたいとのことであるが、その魅力ある雰囲気から決まったのも同然。ぜひともリリースして欲しいカメラである。


OM-D E-M5 Mark II ブラック




コシナ/Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical III、Voigtlander ULTRON 35mmF1.7 Aspherical、Voigtlander NOKTON 10.5mmF0.95









SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical IIIは、Mマウント用の超広角レンズ。デジタルカメラにより最適化された光学系で、従来のモデルで発生することの多かった画像周辺部に偽色を大幅に低減しているという。ULTRON 35mmF1.7 Asphericalはヴィンテージライン第二弾となるMマウントレンズ。独特の形状を持つヘリコイドリングが往年の同ブランドのレンズを彷彿させる。つくりのよさそうな金属製フードも魅力的。NOKTON 10.5mmF0.95は、マイクロフォーサーズ用の大口径MF単焦点レンズ。フルサイズ判換算で21mm相当の画角を持つ。開放F0.95のNOKTONシリーズはこれで4つの焦点距離が選べるようになった。



ソニー/Distagon T* FE35mm F1.4 ZA


フルサイズ対応のEマウント大口径単焦点レンズ。フランジバックの短いミラーレス用の広角レンズでありながら、BiogonとせずにDistagonとしたのは少しでもバックフォーカスを長くとり、テレセントリック性を向上させたかったからだろう。同様のことは、同じく参考出品であったシグマdp0 Quattroも焦点距離14mm(フルサイズ判換算21mm相当)でありながら長い鏡筒を持つのはそのためと考えられる。1/3段クリックの絞りリングを備えているのも、純正のEマウントではこれまで見かけられなかったもの。フィルム時代からの写真愛好家のなかには、ボディ側のコマンドダイヤルで絞り操作を行うより、鏡筒の絞りリングで絞りの調整を行うほうが馴染みやすいはずだ。


キヤノン/Connect Station CS100



写真や動画の画像データを保存するハードディスクである。ただし、キヤノンならではのアイディアが満載だ。まずはNFCに対応するカメラであれば、かざすだけで画像データの取り込みを開始。SD/CFカードのスロットも備えており、カメラを選ぶことがない。TVに繋ぐことも可能で、大画面で写真や動画を閲覧できる。また、離れた場所にあるもう一台のCS100に画像を送ることも可能。自分の子どもの写真を遠方に住む両親に送るというような芸当も楽しめる。ハードディスクの容量は1TB。その名のとおり、本モデルをステーションに画像の保存から閲覧、共有の楽しめるデバイスである。



フジフイルム/instax mini 90 ネオクラシック



instax miniシリーズの最上位機種instax mini 90 ネオクラシックのカラーバリエーションモデル。落ち着いたカラーで老若男女好まれることの多いブラウンを採用する。その高級感のある本格的な仕上がりは、チェキのメインターゲットである女性はもとより、男性ユーザーにも受け入れられそうだ。ストロボやシャッタースピードの自動調整などカメラとして不足のない基本性能を誇るほか、二重露光モードやバルブモードなど多彩な撮影モードも搭載している。


ニッシンジャパン/Air 1& Di700A



Air 1はニッシン独自の電波式ワイヤレスTTLシステムを採用するコマンダー、Di700Aはそのシステムに対応するスレーブ機能を搭載するストロボである。Air 1は、コントロールする発光グループをA〜Cの3つに分けることができ、個別に発光量の調整も可能。Di700Aのズーム照射角設定も可能とする。さらに使用するカメラのメーカーとDi700Aの対応するメーカーが異なったり、Di700Aを複数使用する場合対応するメーカーがバラバラでもコントロールが可能と心強い(例えば、Di700Aニコン用とキヤノン用を同時に使用可能)リーズナブルな値段も魅力で、Di700Aのみが税込み24,840円、Air 1と Di 700Aのキットが同じく29,700円(ニコン用、キヤノン用)。このシリーズには、発売時期は未定ながらレシーバーのリリースも予定されている。





銀一/MindShiftGEAR ローテーション180パノラマ



大型のベルトバッグを下部に忍ばせたバックパックだ。山登りでの使用を考えられた製品。収納した機材とアクセスするには、バックパックを降ろすこと無く、ベルトバックのみクルッとお腹の前まで回転させるだけ。素早い機材の取り出しができる。ベルトバッグはバックパックから外し、単体での使用も可能。山小屋周辺を散策するようなとき便利そう。アルミフレームを内蔵する本格派ながら、軽量なのもこのバックパックの特徴で1300gを実現。上部気室にもカメラが収納できるようになるパノラマフォトインサートや、防水性の高いレインカバーも用意されている(いずれも別売)。




マンフロット/Befreeカラーモデル



手軽な大きさと手に入れやすい価格で、2013年の登場以来高い人気を誇るマンフロットBefree。2015年は1月の発売されたカーボンモデルに続き、アルミ合金モデルをベースとするカラーモデルも登場する。カラーは全部で4色を用意。グレー、レッド、グリーン、ブルーで、脚のグリップ(1本)とレバーロック部分、そしてマンフロットではスパイダーと呼ぶ脚の付け根部分をそれぞれのカラーとしている。黒あるいはシルバーといった無彩色のものがほとんどのこのクラスの三脚において、カラー化は大胆な試みといえよう。色から三脚を選ぶ、そのような写真愛好家も増えるだろう。
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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