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旅とカメラと・・・

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旅とカメラと・・・
公開日:2015/07/29

Bangkok × SONY RX1R

text & photo 小林千裕


バンコク。
寺院、仏教、国旗、国王、屋台、デモ、クーデター、料理、売春、渋滞、運河、極彩色、マッサージ、トゥクトゥク、マーケット、ムエタイ、レディーボーイ…。この街をイメージする言葉は本当にたくさんある。それらが貧富、清濁、新旧を伴って溢れている。
私は、何度訪れても、この混沌とした大きなエネルギーに、しばし呆気にとられてしまう。そして、同時に引き込まれていく。しばらくここに身を委ねていると個が沸き上がってくるのを感じる。あけっぴろげな生活感の中、自然体でいる人々。たくましくて、やさしくて、適当でいて美しい。バンコクにはいろいろな個が存在できる懐の深さがある。その懐は、矛盾と問題をも全て飲み込んでしまっているように感じる。

「よいことも悪いことも精霊が運んでくる。」

街に数えきれぬほどある精霊を祀る祠の前で、タイ人に教わった。良いこと悪いことどちらも大事に扱うということか…。この土着の信仰にこの街を作ってきた時間の流れや、根元的要素を感じる。精神の実体は素っ裸でおだやかに力強くそこにある。人や場所やものに浸み込み宿り、日常に溢れてくる、私はそれらに惹かれ、反応して撮っていた。
暑くないか、水をあげるよ、生野菜をどうぞ、カメラに気を付けて、あそこにワニがいるよ、イグアナがいるよ…。彼らは、毎日祠に手を合わせ、私にも手を合わせてくれる、素朴な笑顔とともに。バンコクの人々はそんな風に声をかけ、手を合わせ、今日も生活をしていることだろう。


*使用カメラは SONY RX1R。RAWで撮影し、Lightroomで色調補正し現像している。

































小林千裕の旅とカメラと…

旅とカメラと… 五感の記憶
時には視覚以上に鮮明に体に刻まれた記憶たちが作品作りには欠かせない。


使用カメラ ソニー RX1R


ソニーRX1Rは、一日中動き回って撮るのに負担ない軽量さで、自分の動きにも昼夜も問わずについてきてくれる。相手に威圧感を与えない大きさも、私の旅によく合っている。撮ることが体と連動して近づいたり離れたりする。35ミリ単焦点レンズという単純さも体に馴染み、旅の相棒のような存在でいてくれている。


<プロフィール>
小林千裕(こばやし・ちひろ)
神奈川県生まれ。桑沢デザイン研究所にて写真、ビジュアルデザインを学び、横浜美術短期大学にて絵画を学ぶ。2013年コニカミノルタ フォト・プレミオ入選 写真展「Scene of London」、第14回コニカミノルタ フォト・プレミオ年度賞 特別賞受賞、2015年 写真展「Bangkok」コニカミノルタプラザ


<作品募集>
2015年9月24日現在、一般からの作品受付は一時中止しております。

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  2015/07/29
Bangkok × SONY RX1R