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公開日:2015/10/01
ニッシンジャパン ショートムービー「最後の閃闘士」 監督アーウィン・ウォン氏インタビュー
CAMERA fan編集部

スチール写真:えはら あい
ニッシンジャパンとフォトグラファー アーウィン・ウォン氏の共同制作のショートムービー「最後の閃闘士」が公開された。メーカーの製品プロモーションムービーとしては思い切りハッチャケ過ぎているし、自主制作としては本格的すぎる。この面白いショートムービーはいったい何なのだろうか? 企画者であり、監督、撮影を務めたフォトグラファーのアーウィン氏にお話を伺った
カメラファン編集部(以下 CF):
まず、このショートムービーを企画・制作したきっかけを教えて下さい
アーウィン・ウォン(以下 アーウィン):
2015年2月に開催した「CP+2015」のニッシンジャパンのステージに、写真家の大村祐里子さんが、ストロボの精「Di700Aちゃん」という擬人化コスプレで登場しました。このキャラクターを見て、ストーリーが思いつき、「Di700Aちゃん」を主人公にした映画をつくろうと思いました。1週間くらいで脚本を書いて、ニッシンジャパンに持ち込みました。
ストロボの精 Di700Aちゃん

ストーリーの鍵となるアイテム「Air」は、ニッシンジャパンの「ワイヤレスコマンダー Air1」そのものだ。
CF:これはニッシンジャパンのストロボのプロモーション・ムービーなのですか?
アーウィン:そういうわけではありません。
ニッシンジャパンには共同制作として制作費の一部を出してもらい、スタッフ、機材などを全面的に協力してもらいましたが、一般的な「製品をプロモーションするためのムービー」とは違う位置づけという認識が、私とニッシンジャパンにあります。私が撮りたい映画として持ち込んだので、プロモーションとして受けてもらえなくても、とにかく作りたいと思いました。
CF:ニッシンジャパンも、宣伝のための映画とは言っていませんね。そこが面白いです。
アーウィン:太っ腹な企業だと思いますよ。ニッシンジャパンと、スタッフ、そして役者や写真家の方々に、たくさん協力してもらって、やりたいことをやらせてもらったという感じです。ニッシンジャパンの製品が小道具として登場しますが、NISSINのロゴは一箇所しか登場しません。どこかわかりますか? 本編で見つけて下さい(笑)。 |
劇中で登場する閃闘士リューネが持つ杖。ニッシンジャパンのDi700Aにデコレーションが施されている。 アクションシーンでは、ストロボが発光し敵をやっつける。
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CF:撮影期間は何日間ですか?
アーウィン:3日間です。多くの撮影機材は、レンタルで借りていたので、時間的な制限がありました。延長するとお金がかかりますから。スタッフ総出で、朝から晩まで撮っていました。
CF:撮影でどのようなことに苦労しましたか?
アーウィン:うーん、いっぱいありすぎます。衣装は一番苦労しました。SF映画としてリアリティーを出すためには、クオリティの高い衣装が必要です。衣装デザイナーの「みなの」さんや、制作スタッフの努力はたいへんでした。主人公が変身した後の姿「リューネ」の衣装は、撮影日前日まで制作していました。それとアクションシーンの撮影はたいへんでした。2つのカメラで撮りこぼしがないように多くのカットを撮りました。
閃闘士リューネ
CF:キャスティングを見ると、プロの俳優だけでなく、著名な写真家が配役されています。キャスティングについて教えて下さい。
アーウィン:ヒロイン「灯月 輝」役の川口紗弥加さんは私の知り合いで、このストーリーを考えた時に、彼女がイメージにありました。「暗影大魔王」の右近健一さんは、劇団☆新感線に所属するプロの俳優です。右近さんは、ニッシンジャパンのスタッフの知り合いでした。その他の役には、ニッシンジャパンとつながりのある写真家やスタッフの方々にお願いしました。
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カメラマン役の礒村浩一さん
| カメラ店主役の玉内公一さん |
CF:カメラ店主役の玉内公一さんや、殺されてしまうカメラマン役の礒村浩一さんは、本職は写真家で役者ではないですよね? 演技指導はどのようにされたのですか?
アーウィン:プロの俳優には、演技についてはほとんど何も言っていません。任せました。演技が未経験の写真家の方々には、現場で指示はしましたが、みなさんほぼ実践でやってもらいました。
CF:玉内さんは、ストーリーの中心になる重要な役ですね。演技の心配はありませんでしたか?
アーウィン:撮影の3日間のうち、初日はセリフが入っていなかったりで時間がかかりましたが、後半になったら、玉内さんも芝居をすることに慣れて、たいへん上手だったと思います。配役を全部プロの役者で固めずに、カメラ店主はあえて素人にしたという意図もあります。暗影大魔王率いる逆光隊には、殺陣の専門の役者にお願いしました。ですから、最後のアクションシーンはカッコよくなったと思います。
CF:撮影機材について教えて下さい
アーウィン:ムービーカメラは、ソニー α7sです。モニター一体型ポータブルレコーダーATOMOS SHOGUNに記録しました。
レンズは、キヤノンのEFシネマレンズ [PRIME Lens] 14mm、24mm、35mm、50mm、85mm、135mmを使いました。
ソニーα7sは、工場などの暗い場所の撮影でも、非常にきれいな4Kの映像が撮れて気に入っています。ISO感度を上げてもきれいです。 <撮影機材>

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ソニー α7s
| DJI RONIN 3軸ハンドヘルドジンバル
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ATOMOS SHOGUN モニター一体型ポータブルレコーダー
| キヤノンのEFシネマレンズ [PRIME Lens]
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CF:最後に次作と、今後のアーウィンさんの活動について聞かせて下さい。
アーウィン:「最後の閃闘士」の続編の構想もありますので、どうぞお楽しみに。
フォトグラファーとしての活動としては、私は、香港で生まれて、オーストラリアで育ちました。日本に住んで10年になりますが、日本の伝統文化にとても興味があって、ずっと撮り続けています。日本の良さ、モノ作りの素晴らしさ、職人についてなど紹介していきたいと思っています。
CF:アーウィンさんの今後のご活躍に期待しています。
ニッシンジャパン Di700Aとコマンダー Air1
<関連サイト>
ニッシンジャパン
http://www.nissin-japan.com/top.html最後の閃闘士 本編
https://www.youtube.com/watch?v=5LIhZXjt90Q 最後の閃闘士 Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC0A89Wf_9GTnIyAWsi3HbPg <カメラファンがオススメする書籍>
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