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もっとも代表的なフィルム規格といえば、この35mmフィルム。手ごろな大きさの金属製パトローネに入り、扱いもカンタン。現在でもカラーネガフィルム、カラーポジフィルム、モノクロフィルムの各フィルムを入手することができる。 |
35mmフィルムを一眼レフカメラに装填した状態。上がニコンF3、下がキヤノンNew F-1。 |
35mmフィルムの場合、撮影後パトローネのなかにフィルムを全部入れてしまえば、間違えて再度撮影に使用してしまうことはない。(フィルムの先端が出ていない状態)。ただし、テレンプ(フィルムの出入り口に貼られた黒い遮光布のこと)の状態によってはその隙間から光が入り、露光してしまうこともあるので注意が必要だ。 |
上がニコン F3(35mmフルサイズ)、下が、PEN-EE(ハーフサイズ)。 同じ35mmフィルムを使うカメラでも、カメラによって画面サイズが異なる。画面サイズが小さいカメラほど、撮影枚数が多くなる。 |
こちらはブローニーフィルムこと120フィルム。35mmフィルム同様、カラーネガ、カラーポジ、モノクロの各フィルムを入手することができる。フォーマットサイズが35mmフィルムにくらべ格段に大きく、より高品質な描写が楽しめる。 |
中判カメラの交換式フィルムマガジンでは、このような状態でフィルムをセットするものが多い。写真のマガジンはハッセルブラッド用。このマガジンに間違いなくフィルムが装填できるようになるのが、かつてアシスタントカメラマンの第一歩と言われていた。 |
ブローニーフィルムを中判カメラに装填した状態。カメラ側に記されている指標(カメラ内部中央の矢印)とフィルムの遮光紙のスタートマーク(矢印)を合わせるのが装填の肝だ(遮光紙の裏側に書かれたコマ番号を使い装填するカメラもある)。カメラは富士フイルムGS645S Professional。 |
120/220フィルムのスプール。フィルムを最後まで巻き上げると、それまでフィルムが巻かれていたスプールがカメラに残る。新たにフィルムを装填するときは、そのスプールを巻き上げ用として使用する。 |
フィルムフォーマット | 画面サイズ |
35mm | 24×36mm |
6×4.5 | 41.5×56mm |
6×6 | 56×56mm |
6×7 | 56×69mm |
6×9 | 56×82.6mm |
4×5 | 100×125mm |
4×5インチ(シノゴ)フィルムと、35mmフィルムの比較 |
FUJIFILM PROVIA100F 富士のスタンダード的位置付けのポジフィルム。彩度が高く、メリハリある発色が特徴。粒状性も極めて良好で、ネイチャーやポートレート、スナップなど被写体を選ばないフィルムだ。デーライトタイプで感度はISO100。(135(36枚撮り)、120、4×5、8×10) | |
FUJIFILM VELVIA100 超高彩度で人気のあるVelvia50よりもさらに彩度の高いポジフィルムで、メーカーでは別名“超極彩度フィルム”と呼ぶ。赤および緑色系を強調した色調は風景撮影向きで、特に桜の季節と紅葉の季節は大いに活躍してくれる。感度ISO100、デーライトタイプ。(135(36枚撮り)、120、4×5、8×10) |
FUJIFILM ACROS100 粒状性と階調再現性、シャープネスを徹底的に追及したモノクロフィルムである。特に粒状性に関しては、大伸ばしのプリントにも余裕で対応できるものだ。感度はISO100と低めである分、絞りを開いて撮影したいユーザーに最適。(135(36枚撮り)、120、4×5、8×10) | |
Kodak T-MAX400 ISO400と高感度でありながら、極超微粒子のモノクロフィルム。動きのある被写体をはじめあらゆる撮影に適している。同じISO400のモノクロフィルムTRI-X400と比較するとハイライトのコントラストが高いのも特徴である。(135(36枚撮り/24枚取り)、120、4×5) | |
BERGGER PANCRO バライタ印画紙などで有名なフランスの感剤メーカーBERGGERがリリースするISO400のモノクロフィルムである。広いラチチュードと、豊かな階調再現性に重きが置かれ、日米のものとは些か趣の異なるモノクロプリントに仕上がる。(135(36枚撮り)、120、4×5、8×10) | |
JCH STREET PAN 400 JCH(Japan Camera Hunter)がリリースするモノクロフィルム。超微粒子であるうえにコントラストが高いのが特徴。このフィルムに対応する現像所は少ないが、基本的にはD76で現像できるので、腕に自信のあるユーザーは自家現像を行うとよいだろう。(135(36枚撮り)、120、4×5、5×7、8×10) |
著者プロフィール | |
大浦タケシ(おおうら・たけし) 宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。 |