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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出合えないかもしれない。全国のカメラ店と店頭で出合った魅力的なカメラたちを紹介する。
公開日:2012/11/01

”メンテナンス済み中古カメラ”という安心感@ユー・シー・エス

photo & text大浦タケシ
(取材協力:ユー・シー・エス

ペトリ ペンタ V2
ペンタVから1000分の1秒を省略したモデルだ。発売初年は1961年。ペンタVから始まったバヨネットタイプのレンズマウントを採用する。ペンタ部の赤いワンポイント、その下にあるシリアルナンバー、「Petri Flex」の書体など他にはない強い個性を感じさせる。シャッターボタンの位置もユニークで、カメラ前面部にある。写真のアイテムは55mmF2が付属。



ペトリ ペンタ V6
ペンタV2から4年後の1965年に発売されたカメラ。ペトリは廉価なカメラをつくるのが得意なメーカーで、このV6も当時はニコンFの3分の1以下のプライスタグが付いていたという。基本的なスペックはV2に準じるが、連動タイプの露出計が装着可能となったことと、ペンタ部周辺のシェイプが大きく変化している。写真のV6は55mmF1.8付き。





CARENA SRH1001
主に北米で発売されていたというCARENAブランドの一眼レフ。製造はペトリが担当した。スクリュータイプのM42マウントを採用し、同ブランドのレンズもライナップされていた。詳細については不明だが、ペトリの倒産は1977年なので、おそらくは70年代前半ごろのカメラだろう。バリエーションの豊富なM42レンズをこのカメラで楽しんでみるのも面白そうだ。




ペトリ SLR35
実質最後のペトリ一眼レフカメラとなったMF-1の海外版である。製造初年は1977年。キヤノンAE-1など開放測光による自動露出がすでにあたり前であったこの当時、本モデルは絞り込み測光によるマニュアル露出オンリーで、マウントもM42という60年代的なスペックであった。このカメラの発売後、同社は長い歴史を閉じることになる。ペトリAUTO50mmF1.8付き。



ペトリ ハーフ
1960年に発売されたペトリのハーフ判。ペトリにはこのカメラのほか、ペトリコンパクトE、ペトリハーフ7、ペトリコンパクト17(1962年発売) の4つのハーフサイズカメラがあるが、いずれもレンズと同軸とするレバーでフィルムの巻き上げを行うのが特長だ。オリンパスペンシリーズに対抗してリリースされたとういうが、現在珍品扱いされることが多いことを考えると、当時はさほど人気がなかったものと思われる。



ニコン FM3A
ニコンのミドルクラスフィルム一眼レフの最終モデル。マニュアル機FM2のマイナーチェンジ機だが、絞り優先AE撮影も楽しめるのが特長だ。一時は中古でも驚くようなプライスが付けられていたが、近年かなり落ち着いてきているので、状態のよいものは今が狙い目といえる。シルバーモデルとブラックモデル、どちらを選ぶかで大いに悩んでほしい。



ニコン D7000+Ai Nikkor 45mmF2.8Pブラック
D7000は、現行のニコンDXフォーマットの最上位モデルだ。1600万画素CMOSセンサーをはじめ高密度39点AFシステム、視野率100%ファインダー、Wスロットなどを防塵防滴ボディに搭載。ベテランユーザーも納得のデジイチだ。ニッコール45mmF2.8Pはデジタル時代にリリースされたMFパンケーキレンズで、コンパクトなD7000とよく似合う。
「ニコン D7000
「Ai Nikkor 45mmF2.8P


キヤノン EOS 5D Mark II+EF50mmF1.4 USM

フルサイズのデジタル一眼レフを広く浸透させたモデルといえば、 この“マーク2”だ。発売は2008年11月だが、2100万画素CMOSセンサーをはじめ未だにスペックは古くささを感じさせない。実際、現時点でもカタログ掲載モデルである。EF50mmF1.4 USMは息の長い単焦点レンズの1本。こちらも現行品で、明るい開放値と高い描写特性でマーク2との相性もバッチリ。
「EOS 5D Mark II」
「EF50mmF1.4 USM」

(取材日:2012年10月24日)

 取材協力:ユー・シー・エス  
 

ユー・シー・エス(UCS)は京成本線堀切菖蒲園駅から徒歩4分ほどのところにあるショップだ。
メインの業務はカメラ修理で、キヤノンをはじめとするメーカー各社に対応する。中古を販売するようになってまた3年ほどと日は浅いほうであるが、店頭に並ぶすべてのカメラ、レンズは必ずオーバーホールに近い点検、清掃を行っているのが特長である。キヤノンやニコンなどのほかペトリの中古も多数扱っており、今回紹介したようなレアなカメラも少なくない。ホームページでまずは在庫をチェックして、出かけてみるとよいだろう。

ユー・シー・エス ウェブサイト
CAMERA fan在庫一覧
ユー・シー・エス 吉成昭裕さんインタビュー
「当店の中古はすべて専門の担当者が分解清掃および点検を行ったのちに店頭に並べております。そのため、買った後オーバーホールなど必要なく、安心してすぐに撮影が楽しめます。これは、当店が特に力を入れているペトリカメラも同様です。また、当店はカメラ修理を本業としており、メーカー各社に対応しております。メーカーで修理を断られたカメラでも対応できる場合がありますので、ぜひ一度ご相談ください。荒川の土手の近くに当店はございますので、下町散策の折りなどぜひ一度お立ち寄りください」
修理室・作業風景
 AFレンズの分解修理
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。
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