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ニュース&トピックス
公開日:2023/07/13
関西を拠点とする『フォトクラ撮影会』 その人気の秘密を探る
Text:笠井里香
Office Fotocraft(オフィス フォトクラフト)が主催し、関西を中心に定期的に開催されている『フォトクラ撮影会』。学生モデル、プロのバレリーナや外国人モデルなど、多彩なモデルを取り揃えており、アットホームな撮影会として人気を博しています。
大阪・堺市にある「カメラのヤマゲン」2Fのヤマゲンスタジオを運営し、モデル撮影会からレタッチ講習会まで幅広く写真に関する業務を行っているOffice Fotocraftの代表・廣井崇仁さん、Office Fotocraftマネージャー兼、ヤマゲンスタジオの広報・山田陽子さんに、その人気の秘密を探るべくインタビューを敢行しました。
−まずは、「Office Fotocraft(以下フォトクラフト)」が運営する撮影会について教えてください。
廣井:アマチュアカメラマンの皆さま向けに、モデル撮影会を開催しています。撮影会開催・運営事業は現在、フォトクラフトのメイン事業とも言えるものですね。
また、ワークショップや講習会も行っています。撮影ノウハウだけでなく、レタッチ(編集)ノウハウの体験型講習会(ワークショップ)を不定期にて開催しています。同時にPC(Windows/Mac)の操作方法、ポートフォリオやホームページ作成方法のレクチャー(講習)なども行っています。
Office Fotocraftの代表・廣井崇仁さん
−『フォトクラ撮影会』はどんなふうに始められたのですか?
廣井:撮影会をしようと思っても、当初は右も左もわからない状態でした。そこで別の撮影会に参加して、モデルさんに「交通費やランチ代は出ているの?」とお話しを伺うなど、参考にしていきました。
−『フォトクラ撮影会』でいちばん大事にしていることは何ですか?
廣井:撮影会の料金は8,800円(スタジオ代込み)
注1
です。実はあまり利益は考えていなくて、お客さんに楽しんでもらうということをいちばん大事に考えています。カメラを好きでいていただきたいですし、モデルさんを撮りたいと思ってもらいたいですから。ただ、モデルさんにも続けていってほしいので、もちろんきちんとお支払いしています。続けることで、さまざまな方向に拡張していって、あとで利益にもつながってくれたらいいなと思っています。また、ルールやマナーをきちんと守って、できるだけ人に迷惑をかけない団体でありたいですね。いただいたお問い合わせも、できるだけ早く返すことを心がけています。
注1:料金は撮影会によって異なります。詳細はフォトクラ撮影会の募集ページをご覧ください。
フォトクラ撮影会の風景 現在は感染対策として1対1の個人撮影を行っている。
−山田さんは、女性スタッフ目線ではこの撮影会をどんなふうに見ていますか?
フォトクラフトマネージャー兼ヤマゲンスタジオ広報・山田陽子さん
山田:特に女性目線という感覚で見たことはないのですが、私自身は、若いときはカメラも知らなくて、始めたのはここ5年くらいなんですね。撮影会というものがあることすら知りませんでしたし、ポートレートを撮るようになったのも最近のことなんです。SNSでモデルさんを探して撮っていたので、お互いに無料でしたから、実はお金を払って撮る感覚自体がなく、撮影会は「こんな世界があるんだ!」という驚きが大きかったんです。
−これまで撮影会はどれくらい開催しているのですか?
廣井:ワークショップやフォトウォークなども含めて17-8回くらいでしょうか。2022年の7月3日が初回でした。もうすぐ1年になりますね。
−参加者の人数はどれくらいですか?
廣井:多いときは17〜18人、20人前後のことが多いですね。少ないときは5〜6人というパターンもあります。
−現在、開催のペース(日程)はどのくらいですか?
廣井:月に1回〜2回で、土日をメインに開催しています。ゆくゆくは、月に2〜3回程度の開催をコンスタントに続けて行きたいと思っています。
−フォトクラ撮影会の特色を教えてください。
廣井:コロナ禍のご時世もあり、基本的に個人撮影としています。撮影する場所は季節の花がある公園など屋外です。夏のこれからの季節は熱中症対策も必要になってきますので、スタジオ撮影などを予定しています。開催の都度、運営スタッフ内で相談しながら、決定しています。
フォトクラ撮影会の特色としては、アットホームな雰囲気でお客さまとの距離が近いということ。また、学生からプロバレリーナまで、多彩なモデルを取り揃えていることです。もちろん、運営はプロカメラマンによって構成されており、撮影会だけでなくレタッチの講習などワークショップも行なっています。参加される皆さまに気持ちよく撮影していただけるよう、現場でも柔軟な対応を心がけています。
フォトクラ撮影会の出演モデルは、みなさんキュート&ビューティー!(2023年6月25日開催出演)
−モデル教育はどのように行なっているのですか?
山田:ポージング、表情作りなどについては、経験豊かなモデルの方にご依頼し、講習会を開いています。また、マナー的な部分は廣井さんにお願いしており、メールの送り方、返信の仕方まで教えています。ビジネスのメールは友人へのメッセージとは違いますので、失礼のないよう、また自身を守るためにも、こういった面の指導も大切だと考えています。
−被写体は女性モデルだけですか? 男性モデルの撮影会は企画していますか?
廣井:以前は男性モデルも所属していました。現在は女性のみですが、今後、男性モデルの加入も前向きに検討中していますので、撮影会も開催できたらと考えています。
−撮影会にはどんな方が参加されていますか?
廣井:ビギナーの女性から、ハイアマチュアの男性まで、幅広く参加していただいています。いちばん多いのはミドル〜ハイアマチュアで、機材にもこだわりのある40代〜60代の男性のお客さまでしょうか。
−これまでいちばん人気のあった撮影会はどんな企画ですか?
廣井:古民家を貸し切った撮影会でした。人気モデルの出演と、冷暖房完備の室内であること、古民家は個人で借りると高価ですが、撮影会ですと手頃な価格で撮影できますので、そういったことが相まってご好評いただけたのではないかと思います。
<撮影会参加者の作品>
Photo:
松本崇さん/ Model:りん(
@ririntou
)
−撮影に関わる事業を幅広く行なっている廣井さんですが、もともとカメラマンではなかったそうですね。以前は何をされていたのですか?
廣井:2000年から、システムエンジニアをしていました。副業としてカメラマンをやっていたのですが、好きなことを本業にしたいと思い、家族を説得して2年前に脱サラしまして、そこからカメラマンとして業務を行っています。
僕は高知出身で、周りにはいわゆるエリートが多く、同じ高校では東大、京大、阪大、帝大などに行く人ばかりでした。そんななか、僕は浪人していたのですが、同級生が大学の夏休みに帰省してきて「大学は楽しいよ」という話を聞き、勉強して偏差値を上げ、大学に入りました。いわゆるいい企業に行ける大学でしたし、周りも大企業に就職していました。僕自身もシステムエンジニアとしていわゆる大企業に入り、順風満帆と言える人生でした。でも、45歳と人生も折り返し地点に来て、好きなことをやって生きたい……という気持ちが大きくなってきたんです。もともと音楽で食べて行きたかったのですが夢破れたという経験があったので、お金や名誉や地位ではない、自分の好きなことをとことんやって死にたいと思い、家族に理解してもらって、カメラマンになりました。
アシスタントなどの経験はなく、撮影に関してはすべて独学ですが、いまはありがたいことに、カメラに関わることだけでやっています。もともとSEだったので、PCには強く、Photoshopや、Lightroomなど、自分で学んだことをレクチャーするワークショップも行なっています。
−廣井さん、山田さんともに写真を撮るそうですが、お使いのメインの機材を教えてください。
廣井:カメラはSONY α7IIIとα7IVを使っています。レンズはSIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art、SONY FE 50mm F1.8。ブツ撮りでは70mm F2.8 DG MACRO | Artを使います。ほかにSONY FE 85mm F1.4 GM、SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art、あとはズームレンズVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSも使いますね。
廣井さんの主な機材
上段 左:SONY α7III /右α7IV
中段 左:SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art/右:SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
下段 左:Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS/中:SONY FE 50mm F1.8/右:SONY FE 85mm F1.4 GM
山田:飼っている犬を携帯で撮るようになって、カメラで撮っていただいたのを見たときに、とてもきれいに撮れていたので、それがきっかけでカメラを持ちました。私もSONYのα7III、α7IVを使っていて、ポートレートはオールドレンズを使って撮ることが多いです。仕事ではオートフォーカスのレンズを使っています。
−関西地方の撮影会事情について教えてください。他社も含めて、大阪、関西圏ではどのような撮影会が開催されているのでしょうか? なにかトレンド的な企画はありますか?
廣井:モデル撮影会では、横のつながりも大事だと考え、別の撮影会団体とも交流をするようになりました。そこで情報交換をしていますが、他団体でも、メインは場所を貸し切って、アマチュアモデルを使った個人撮影会が多く開催されています。ただ、企画的なものを絡めて、話題性を持たせるよう狙っているところにお客様が集まっているように思いますね。例えば、結婚式場を貸し切ったドレス撮影会といったものです。
−フォトクラフトは、カメラのヤマゲンと協業されているとのことですが、スタジオではどのような撮影会が企画されていますか?
廣井:普段は、カメラのヤマゲンのカメラマンとして、成人式の前撮りや七五三の撮影などでスタジオを利用しています。フォトクラ撮影会としては、過去には、アマチュアカメラマン向けに、Lightroomの使用方法のワークショップなどを開催したり、スタジオを使った撮影会も実施しました。3階に古民家、4階に屋上があり、普通のスタジオにはない環境が揃っているため、お客さまからも好評でした。今後もトレンドを自分たちで作りながら、うまくスタジオを使った撮影会を企画できたらと思っています。
−今後、やってみたいこと、チャレンジしてみたいことはありますか?
廣井:写真、カメラの学校みたいなことをやってみたいなと考えています。撮影会をベースにしながらも、学校のようなワークショップを定期的なやることができれば、撮影だけでなく、レタッチや、モデルさんの教育もできる。実際に、撮影会は管理面での仕事が多く、自分が撮影することはほぼないので、自分がカメラを持ち、プレイヤーでいられることも考えていきたいですね。
山田:スタジオをDIYで一生懸命作ったので、もう少し軌道にのるといいなと思っています。撮影会も含めて、さらに稼働率を上げていきたいですね。
−超初心者には撮影会の敷居が高い面もあると思います。そういう方にぜひメッセージをお願いします。
廣井:今後、さらにターゲット層を拡充していきたいので、初心者向けの企画も考えたいと思っています。現在開催している撮影会も、カメラが趣味の人や、ポートレート撮影の経験者が集まるカジュアルなものですので、決して怖いことはないですし、和気藹々としていて気楽に楽しめるのがフォトクラ撮影会のいいところです。価格も抑えていますので、初心者の方も安心してご参加ください!
フォトクラフトが企画する撮影会やワークショップは、公式サイトとSNSで発表されています。
フォトクラ撮影会公式サイト:
https://fotocra-session.themedia.jp/
Instagram:
@fotocra_session
Twitter:
@fotocra_session
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