TOP > コンテンツ一覧 >

中古カメラ 一期一会

2
中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出合えないかもしれない。全国のカメラ店と店頭で出合った魅力的なカメラたちを紹介する。
公開日:2024/05/02

三宝カメラが自由が丘に移転しリニューアルオープン

Photo & text 笠井里香

2024年3月16日に、目黒本町から自由が丘へ移転した三宝カメラ。
 

光が降り注ぐ明るい店舗内に、デジタルカメラを中心とした中古カメラ、レンズがズラリと並んでいる。


三宝カメラは、1975年(昭和50年)創業の老舗中古カメラ店。創業から目黒本町の地で営業を続けてきましたが、2024年3月16日に自由が丘に移転し、リニューアルオープンしました。新しいお店について、 店長の矢中さんにお話を伺いました。

 

矢中店長「元の店舗からできるだけ近い場所をと移転先を探しておりまして、中目黒や自由が丘近隣など、さまざまな場所で物件を探すなかで、この自由が丘に決めました。以前の店舗から遠くに引っ越したわけではないため、これまでのお客さまにも引き続き来ていただいています。

オープンから少し経ちまして、お店の前を通る方々にも少しずつ認知されてきたなと思いますね。以前の店舗の方が広さはあったのですが、ウィンドウも大きく、お店には入っていただきやすくなったかなと。何かな?と気になったらぜひ気軽にお店に入っていただけたら嬉しいですね。」



実用品に強いカメラ店

「当店では、デジタルカメラ、レンズの中古商品をメインに取り扱っています。特に一眼レフが多いですね。できるだけ多くの在庫をご用意できるようにしています。ミラーレス機に移行した方も少なくない中で、店舗に来てくださる方の多くが一眼レフユーザーです。

一眼レフに関しては、カメラ本体、レンズだけでなく、バッテリーやバッテリーチャージャーもたくさんご用意しております。バッテリーはとても需要が高くて、よく売れます。純正バッテリーは比較的高価ですし、たくさん撮る方はいくつも必要になりますから、お求めいただく方が多いのだと思います。カメラと一緒に買い取りさせていただいたものがスムースに循環しているという印象ですね。

外観のきれいな商品を買い集めたり、一点ものを探すようなコレクターのお客様よりも、たくさん撮る方、実用品をお探しになっている方が多く来て下さいます。」
 

一眼レフは各メーカーのフラッグシップモデルからエントリー機まで、数多くの在庫を揃えており、交換レンズの在庫も多い。


ミラーレス機へ移行するユーザーも増え、店舗での買い取りも増えているため、棚にはズラリとミラーレス機が並ぶ。



姉妹店2nd BASEとの棲み分け

デジタルカメラをメインに販売する三宝カメラですが、フィルムカメラやフィルム、カメラ用品からオリジナルグッズまで、取り扱い商品は多岐にわたります。

「リニューアル当初は舶来系のフィルムカメラも多くご用意していました。オープン後にたくさんのお客さまにご来店いただき、現在ではミラーレスカメラの在庫数と入れ替わってきました。ミラーレスカメラは、当店でもとても人気のある商品です。

また、三宝カメラの店内にもフィルムカメラやフィルムの取り扱いはありますが、秋葉原の姉妹店 2nd BASEの方に機械式フィルムカメラや、オールドレンズをメインに販売しているので、双方で取り扱う商品はある程度棲み分けをしています。

フィルムカメラは、コンパクトカメラがよく売れている印象です。高級コンパクトカメラと呼ばれるカテゴリー、特にCONTAX T2などがよく動いています。店舗に出すたびに価格が上がっている印象で、人気の高さがうかがえますね。元箱やアクセサリーなどが揃っているとさらに価格が上がります。

若いユーザーは初めてレンズ付きフィルムでフィルムを体験して、次にフィルムのコンパクトカメラを購入する方が比較的多いです。簡単に使えてフィルムで撮れるので、敷居も低く入りやすいんだと思います。1万円台で購入できるようなコンパクトカメラもまだまだありますので、そういったものをご覧になるエントリーユーザーも多いですね。

また、その流れなのかもしれませんが、「オールドデジカメ」=古いコンパクトデジタルカメラを購入される方がとても増えていて、お店に並べるとすぐに売れていき、いつも在庫が少ない状況です。オールドデジカメでは、ノスタルジックな写りを手軽に楽しめるのが魅力なのかもしれません。現在ではあまり使用しない記録メディアが必要な点や、最新のSDカードは使えないなど注意すべきことはありますが、バッテリーも社外品、汎用品などが流通しているため、問題なく撮影できるモデルがほとんどです。

フィルムの販売も行っています。カラーネガはKodakを中心として新しいフィルムも取り扱っています。パッケージが個性的なものも多く、和風のパッケージのフィルムなどは海外からのお客さまにもうけていますね。モノクロフィルムは、イルフォードHP5などスタンダードなモノクロフィルムがよく売れています。」




カラー、モノクロネガフィルムともに、スタンダードなフィルムから新しいフィルムまでさまざまな種類を販売している。


フィルムの価格だけでなく、ポップの左上にあるアイコンで、カラーネガかモノクロかがひと目でわかるようになっている。


フィルムカメラも、一眼レフのボディ、レンズともに豊富にラインナップ。
 

三宝カメラの「3」と2nd BASEの「2」を組み合わせた「32」のシンプルなロゴをあしらったオリジナルグッズはTシャツ、スウェットやトートバッグ、ポーチなどをラインナップ。
 

SNSで商品情報を発信中

「SNSはX(https://twitter.com/sanpoucamera)で、店舗、オンラインで取り扱っている商品をまんべんなく発信しています。特にお買い得品だけを紹介しているというわけではないのですが、カメラやレンズの状態によって、オンラインショップに出しにくいものなどをXで紹介した際には、すぐに問い合わせをいただくことができるなど、反響がとても大きいです。」

 

Nikon D750(95,700円) + AF-S NIKKOR 50mm f/1.4 G(29,700円)
一眼レフを豊富に取り揃える三宝カメラ。ミドルクラスのフルサイズ機D750と標準レンズの50mmは鉄板の組み合わせ。15万円を切る価格でフルサイズを始めることができる。

 

M4 Black Chromeボディ(440,000円)
三宝カメラの中古カメラは外観のきれいなものが多いが、ときにはこのように元箱もあるような商品が入荷することも。M4 Black Chromeボディはグッタペルカ(貼り革)を含め、少々の経年劣化や小アタリはあるものの、とてもきれいな商品。



OLYMPUS(現在OM SYSTEM)PEN E-PL10(48,400円)+ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ(18,700円)
マイクロフォーサーズシステムは小型軽量で、レンズ交換ができるにも関わらず、コンパクトカメラのようにカバンに入れて常に携行できるのが魅力。ボディに標準レンズをセットで購入しても10万円でお釣りが来る価格帯で、これからカメラを始めたい人にもおすすめ。



RICOH GR(84,700円)
APS-Cセンサー搭載モデルの初代GR。現行モデルは受注停止になっているほどの人気で、中古でも入荷するとすぐに売れていくそう。

 

OLYMPUS μ(ミュー) ZOOM PANORAMA(12,100円)
1993年発売のOLYMPUS μ ZOOM PANORAMA。生活防水機能、スライドバリアーと連動したポップアップフラッシュ機能も搭載し、通常の35mmフィルムの1コマとパノラマを切り替えて撮影できるフィルムコンパクトカメラ。μシリーズにはズームレンズ搭載機、単焦点レンズ機、パノラマ撮影できるモデルなど、たくさんの種類があるが、いずれも人気が高く、簡単な操作で撮影できるのでフィルムカメラ初心者にもおすすめしたいシリーズ。



Nikon MINI AF600(17,600円)
1994年に発売されたニコンのフィルムコンパクト機。単焦点のNikon Lens 28mm F3.5 Macroを搭載し、ニコンらしいシャープでコントラストのある描写は当時プロも絶賛したという。現在ではフィルムの性能も当時より進化しているため、フィルムでも十分にメリハリのある写真を撮ることができる。薄型でフラットなデザインのためカバンに入れても嵩張ることなく携行できる。

 


新しい場所で新しい出会いも増やしたい

最後に、これからのお店の展開や目標についてお聞きしました。

「以前の店舗は、最寄り駅から行きにくい場所だったのですが、自由が丘駅前には、別のカメラ店などがあり、その流れもあってここに来ていただく機会も増えているのではないかと思います。
これまで三宝カメラを支えてくださった、写真、カメラ好きの皆さんだけでなく、今後は地元の方々やさらに若い方々、フィルムカメラ好きな方などにも来ていただけるよう、さまざまな工夫をしていきたいですね。」


店長の矢中さん(右)と神山さん(左)。


<ショップ情報>

三宝カメラ
住所:東京都世田谷区奥沢6-19-21
電話:03-6432-2725(買取専用フリーダイヤル 0120-02-2273)
営業時間:10:00-19:00(定休日:水曜日および年末年始)
最寄り駅:東急東横線&大井町線 自由が丘駅 (駅より徒歩7分)
ショップサイト:https://www.sanpou.ne.jp/


BACK NUMBER