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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2024/09/20

松屋銀座で開催中「第51回 世界の中古カメラ市」で出会った気になるカメラたち

Photo & Text 鈴木誠


「第51回 世界の中古カメラ市」(主催:I.C.S 輸入カメラ協会)が、東京都中央区の松屋銀座 8階イベントスクエアで9月18日に開幕した。ここでは開催2日目の会場から、筆者およびカメラファン担当者の目に留まったアイテムをピックアップしてお届けする。なお、掲載アイテムはいずれも取材時点での価格・在庫状況であることをお含みいただきたい。


51回目となる松屋銀座での開催

世界の中古カメラ市は、1972年に創立されたI.C.S.輸入カメラ協会によるイベント。松屋銀座では1979年の「第1回 世界の中古カメラ市」以来、毎年1回のペースで開催されてきた。さらに2020年からは年2回の開催となり、2024年も2月に続いて2度目。51回目となる今回は、I.C.S正会員・協賛あわせて21店舗が並んだ。



(左)ライカ M4 MOT……1,485,000円
(中)ライカ M2……275,000円
(右)ライカ M3……192,500円
スキヤカメラ


エレベーターホール前で来場者を出迎えるのは、スキヤカメラのライカ商品群。2024年に誕生70周年を迎えるライカM3と、それに続くライカM2、ライカM4をチェックした。ライカM4 MOTはモータードライブの装着に対応した特殊モデルで、トップカバーに追加された“MOT”の文字に一層の特別感がある。



(左)ローライフレックス スタンダード……44,000円
(右)ローライフレックス V型……44,000円
三共カメラ


逆像のファインダーを上から覗いてじっくり構図を決め、静かにシャッターボタンを押し込む。クラシックカメラらしさを楽しむなら、やはり二眼レフカメラは外せない。写真の2台は“ローライフレックス”の中でも比較的コンパクトかつ手頃なモデル。左のスタンダードは付属品も充実しており、かわいい小さなレンズキャップに思わず顔がほころぶ。



コニカ ヘキサノン35mm F2(ライカスクリューマウント)シルバー……220,000円
日東商事


ライカスクリューマウントのヘキサノン35mm F2。シルバー鏡筒で、元箱・レンズポーチ・プライスタグも付属している。このとき日東商事ブースには、ライカ用のヘキサノンは50mm F2.4や50mm F1.2 Limitedも並んでいたが、「藤澤商会が企画したヘキサノンの第一弾レンズ」ということで、この35mm F2が店主のイチオシ。



ミノルタ SRT101(シルバー)元箱付き……77,000円
カメラのヤマゲン

大阪府堺市に店舗を構えるカメラのヤマゲン。ミノルタのお膝元という縁なのか、一風変わった製品も入荷するという。こちらはSRT101のオリジナル付属品が揃ったコレクションアイテムで、ボディ・レンズともにシリアルナンバーが元箱の記載と一致。速写ケースやペーパー類、ミノルタ純正(?)のシリカゲルも入っていた。化粧箱のデザインが素敵だ。



コニカ コニレットIIM……12,000円
スズキカメラ商会


ツヤ黒のベークライト製ボディがセクシーな、レンズシャッター式の蛇腹カメラ。専用パトローネに入った35mm無孔フィルムを使うため、現在では既存のフィルムを詰め替えて使う必要がある。本製品にはパトローネも付属しないが、何よりカラフルな元箱に心を撃ち抜かれた。手元に置いて眺めながら、気長にパトローネを探すという楽しみ方もオツだろう。



(左上)オリンパス PEN EE……13,200円
(右上)オリンパス PEN EE-2……15,400円
(中央)オリンパス PEN-D……15,400円
(左下)オリンパス PEN EES-2……16,500円
(右下)オリンパス PEN EE-3……19,800円
ペンギンカメラ


いま人気沸騰の35mmハーフサイズカメラ。しかしオリンパスPENを抜きにしてハーフサイズカメラを語ることはできないだろう。そんなPENシリーズがペンギンカメラではよりどりみどり。価格高騰という気配もあまりなく、改めてPENシリーズの“累計販売台数800万台”はダテじゃないと思い知る。この5台、全部買っても8万円チョイです。



販売品のごく一部。新顔のフィルムはどれもポップなパッケージデザインで、いまフィルムカメラがどのように楽しまれているかをうかがい知れる。
かわうそ商会


「かわうそ商会でフィルムを買うだけだから……」。そう言い残して中古カメラ市に出かけ、本当にフィルムだけを買って帰ってきた人を見たことがない(※誇張アリ)。でも、それぐらいフィルムカメラ好きが頼りにしているお店であることは事実。大きなワゴンの隅々まで、お馴染みのパッケージから、初めて見るような新銘柄まで、ずらりと並ぶ。



(左)オリンパス OM-D E-M10 Mark III(14-42mmキット)……62,700円
(中)ソニー α6100(16-50mm PZキット)……78,100円
(右)キヤノン EOS M2(18-55mm STMキット)……41,800円
ジェイダブリュー


「いまカメラデビューしたい人にとって、最新デジタルカメラは価格的ハードルが高すぎるのではないか?」という仮説のもと、今でもバリバリ使えそうな10万円以下のお買い得ミラーレスカメラをピックアップ。3機種ともカメラ内にエフェクト機能を搭載しており、まさに価格高騰中の“オールドコンデジ”と比べても、高画質かつ懐深く遊べるカメラと言える。






プロ・アマチュア含むグループ展「フォクトレンダー展」を併催。会場をぐるっと囲むように多数の作品を展示。

なお、会場の壁面ではコシナ製フォクトレンダーレンズで撮影された作品が並ぶ「フォクトレンダー展」を開催中。加えてカメラ・レンズ・用品の査定と買い取りを行う「カメラ買取カウンター」も開設している。

また会期中の9月21日(土)には「理由ありセール」、9月22日(日)16〜18時には「タイムサービス」を実施。どちらも各店ブースに日時限定の“特別ご奉仕品”や掘り出し物が用意されるという。土日にも十分な楽しみが用意されているので、「平日には行けないから……」と諦めず、ぜひ会場へ足を運んでみてほしい。



<開催概要>



「第51回 世界の中古カメラ市」

開催日時:2024年9月18日(水)〜9月23日(振休・月)
開催時間:11:00〜20:00(最終日は17:00閉場)
会場:松屋銀座・8階 イベントスクエア
入場:無料
主催:I.C.S 輸入カメラ協会
http://ics1972.jp/

 
鈴木 誠(すずき・まこと)
ライター。カメラ専門ニュースサイトの編集記者として14年勤務し独立。会社員時代より老舗カメラ雑誌やライフスタイル誌に寄稿。現在は楽器やオーディオ&ビジュアルの専門誌にも関わる。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究」
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