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Rinatyの #ポートレート Lab.

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Rinatyの #ポートレート Lab.
自分を好きになるための写真作品を発表し、SNSを中心に数々のメディアで注目されるセルフポートレート写真家Rinaty。セッティングから撮影、モデルまで、全て自分ひとりで行う彼女の撮影手法や使用機材にも迫りながら、人物を撮影するためのこだわりを解き明かす研究室。
自分で、自分の写真を撮ることの奥深さ。セルフポートレートの可能性に触れながら、写真好きのみならず自分に自信を持ちたいと願うすべての人に見ていただきたい記事。隔月連載でおとどけします。
公開日:2025/02/13

Opus 1 exp. セルフポートレートのはじまり Sony α7 III & Canon EOS 8000D

Photo & Text by Rinaty

SONY α7  III(以下同)
SIGMA 35mm f1.4 DG HSM | Art Mモード F3.2  1/1000 ISO160

はじめに

初めまして、大阪を拠点に全国各地で活動しているセルフポートレート写真家のRinatyと申します。
私は普段、自分自身をモデルとして、撮影、ヘアメイク、スタイリング、アートディレクションなど全て一人でこなして作品作りを行なってます。
カメラファン読者の皆さんにセルフポートレート写真をご紹介するとともに、自己紹介をかねて私がセルフポートレートをはじめた頃に撮影した写真、当時使用していた機材についてお話したいと思います。



Canon EF50mm F1.8 STM Mモード F2.2  1/15 ISO640

セルフポートレートのはじまり

私は自分のことが好きで自分を撮りたくて、セルフポートレートを始めたわけではありません。
写真を撮ることが好きになり、人物の撮影に挑戦したいと思っていた頃、モデルになってくれる人が周りにあまりいなかったため、練習台として自分自身を撮りはじめたのがきっかけでした。

最初は実家のベランダや室内で練習を重ねていました。
こちらは練習台として家のベランダで雨の中、3時間かけて撮った1枚です。ストロボを使った撮影に慣れておらず、ピント合わせやカメラの設定が難しく苦労しましたが、思い通りに撮れた時の達成感を今でも覚えています。



Canon EOS 8000D
SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM Mモード F2.8 1/125 ISO400


ある時、大阪で開催されていたキャンドルナイトというイベントに風景写真を撮りに行きました。

その際、その場所に来ている他の人と同じような写真を撮っていることに気づき、面白くないと感じてしまいました。
そこで、自分で家のベランダに同じようなセットを作って撮影した作品がこの1枚です。モデルも撮影も衣装もメイクもキャンドルも全て一人で準備したため大変でした。ですが、この時に自分1人だけの力で作品を作ることの楽しさを知ることもできました。

 


SONY α7  III
Canon EF50mm F1.8 STM Mモード F2.8 1/60 ISO2000 露出補正M

 

使用カメラとレンズ

私が一番最初に購入したカメラはCanon EOS 8000Dでした。レンズはCanon EF50mm F1.8 STMとSIGMAの85mm f1.4 DG HSM | Art、17-50mm f2.8  EX DC OS  HSMを所有していました。
とても気に入って使っていましたがセルフポートレートで撮影の練習を重ねるにつれて、ホワイトバランスの設定やボケ感などの不満が出てくるようになりました。そのころにSONYからα7 IIIが発売されました。評判も良く、マウントアダプターでEFマウントのレンズも使用できること。さらに社会人なりたての私にとってギリギリ予算内に収まるカメラだったため、購入を決意しました。

実際に使ってみたところ、最初は電子ビューファインダーに違和感を覚えたものの、操作がしやすくすぐに慣れることができました。
暗所でのAF性能も高く、自分以外の被写体を撮る際も楽に感じました。また、インターバル撮影機能が内蔵されており、セルフタイマーでは間に合わない距離でも専用のリモコンなしで写り込めるようになりました。

また、夏のボーナスが入った時にSIGMA 14mm f1.8 DG HSM | ArtとSIGMA 35mm f1.4 DG HSM | Artを購入。尊敬するカメラ仲間がこのレンズを使っていることを知り、憧れて購入しました。
特に14mmの超広角レンズを購入したことによって、作品の幅がさらに広がったと感じています。

α7 III購入後は14mm 35mm 50mm 85mmの4本の単焦点レンズで全ての作品を撮影していました。背景をダイナミックに写したいときは14mm、自分の目で見えている世界をそのまま写したいときは35mmや50mm、少し背景を圧縮して写したいときは85mm というような感じで使い分けていました。

 

Canon EOS 8000D


 

SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art



 

SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art


Sony α7 III 




ここから3点、私がセルフポートレートをはじめたばかりの頃の写真を紹介します。
ポーズ、構図、トーンなどいずれも試行錯誤しながら撮影したものばかりです。



SONY α7  III(以下同)
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art Mモード F5 1/640 ISO50 露出補正M


SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art Mモード F4.5 1/160 ISO200 露出補正M


SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art Mモード F3.2 1/500 ISO50

自分を好きになるためのセルフポートレート

セルフポートレートは自分を被写体として、全て一人で準備して撮影しなければなりません。時間も労力も普通の撮影の何倍も必要になります。しかしその苦労の末に出来上がった作品はとても思い入れが深いものとなります。
私は人物を撮るならば、まずは自分のことを納得できるくらい美しく、もしくはかっこよく撮れるようになるべきだと考えています。
皆さんは毎朝顔を洗い、鏡で自分の顔を見ているはずです。この世で自分の顔を一番見ているのは自分自身なのです。その自分をまず完璧に撮れるようにならなければ、他の人を上手く撮ることなんてできないと考えています。

セルフポートレートのいいところは自分のペースで撮影できるという点です。相手の時間や体力を考えることなく、自分が納得するまで撮影し続けることができるのです。

私は何度も何度も試行錯誤して自分自身を撮影するにつれて、美しく見える角度、光の当たり方、ポージング、構図、被写体側の気持ちなど、ポートレート撮影に必要なことを習得することができました。

最初はうまくいかず、諦めてしまいたくなるでしょう。自分の姿を見ることが嫌になってしまう人もいるかもしれません。
しかしどのように工夫したら改善できるかを考え、何度も挑戦すると、新しい発見があるはずです。

自分好みの世界で、主役になった自分なら好きになれるかも。
ぜひチャレンジしてみてください。

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Rinaty(リナティ)
公益社団法人 日本写真家協会正会員。東京カメラ部2022 10 選。1998 年宝塚市生まれ。 大阪を拠点として全国で活動中。シューティング・モデル・ヘアメイク・スタイリング・アートディレクションを全て一人でこなすセルフポートレート写真家として多くの作品を残す。高専卒業後、神戸市に入庁。2021 年よりフリーランスフォトグラファーに転身。経験と知識を生かして、フォトウォークやセミナー等の撮影イベントも多く開催。

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#セルフポートレートの裏側 撮影もモデルも全部わたし。