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オールドレンズ・ライフ

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オールドレンズ・ライフ
公開日:2013/05/31

Wollensak Cine Raptar 25mmF1.9/ Kodak Cine Ektar 63mmF2

photo & text 澤村 徹

Cine Lens Selection for Beginners

シネレンズの種類は膨大だ。その中から、個性的な描写を堪能でき、入手性がよく、なおかつリーズナブルな価格で購入できるものを選んでみた。シネレンズビギナーの最初の1本として、お薦めしたいレンズ群である。


収差と正統描写のバランス感覚

Cine Raptar 25mmF1.9

フレアを抑えつつ、バラの花を鮮やかに切り取っている。背景はぐるぐるボケが発生し、正統描写に興を添えている。
Olympus PEN E-P3 + Cine Raptar 25mmF1.9 絞り優先AE f4 1/640秒 ISO200 AWB RAW

シネラプターは1〜2万円程度で買えるお手頃レンズで、スイターやアンジェニューほど有名ではない。しかし、シネレンズ通の間では評価の高いレンズだ。ラプターはウォーレンサックの最高級レンズという位置づけで、シャープさといいハイコントラストな描き方といい、実に安定感のある写りだ。こってりした色合いでやや大味な部分も見受けられるが、正統派の高性能レンズである。
マイクロフォーサーズと組み合わせると、オーバーイメージサークルとなるため、背景にぐるぐるボケが発生しやすい。正統派の描写とぐるぐるボケの割合が絶妙で、シネレンズの妙味を実感しやすい1本だ。


C Mount
Wollensak
Cine Raptar 25mmF1.9
中古価格:10,000〜30,000円

ウォーレンサックはアメリカの総合映像機器メーカーで、1899年から1972年までつづいた会社だ。シネレンズ、プロジェクター、軍事用レンズなど、様々なタイプのレンズを製造した。普及価格帯レンズはVelostigmat、高性能レンズにはRaptarの名を付けていた。




広いイメージサークルと鋭さ

Kodak Cine Ektar 63mmF2


羽毛一本まで緻密に描ききっている。エクターの本領を感じさせるシャープさだ。ボケ味もなだらかで、隅々まで破綻がない。Olympus PEN E-P3 + Cine Ektar 63mmF2 絞り優先AE f2.8 1/1600秒 ISO200 AWB RAW

シネエクターは総じてシャープなレンズだが、その良さを実感しやすいのが63ミリF2である。合焦部は切れ味よく、ディテールまで緻密に描いてくれる。イメージサークルが広いので、マイクロフォーサーズとの組み合わせでケラレがなく、隅々までそのすぐれた描写を実感できる。発色はやや黄色みを帯び、キッチュで懐かしい風合いだ。なお、中古のシネエクターはヘリコイドが固いものが多く、前もってグリス交換しておくと使いやすい。


Kodak S Mount
Kodak
Cine Ektar 63mmF2

中古価格:15,000〜25,000円

シネエクターには25ミリ、63ミリ、152ミリといったラインナップがある。この63ミリF2はマイクロフォーサーズと組み合わせてほぼケラレがなく、絞り込んだ状態でも四隅までクリアだ。入門用シネレンズとして安心してお薦めできる。写真の個体は1956年製だ。

<プロフィール>


澤村 徹(さわむら てつ)
1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。オールドレンズ撮影、デジカメドレスアップ、デジタル赤外線写真など、こだわり派向けのカメラホビーを得意とする。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線写真、オールドレンズ撮影にて作品を制作。近著は玄光社「オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド」、ホビージャパン「デジタル赤外線写真マスターブック」他、玄光社「オールドレンズ・ライフ」の責任編集を担当。

 

<著書>


アジアンMFレンズ・ベストセレクション



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