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ニュース&トピックス

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ニュース&トピックス
公開日:2014/02/15

CP+2014 カメラファン的レポート

photo & text 藤井智弘

2月13日、今年もパシフィコ横浜にて、カメラと写真映像の情報発信イベント「CP+2014」が開幕しました。会場で見つけた少しマニアックで、カメラファンゴコロをくすぐる製品をご紹介します。



GoWIng Lens Holder
レンズリアキャップを背中合わせにしたような仕様。とはいえ、マウント部には金属を採用。ロック機構も装備している。
ストラップを取り付ければ、交換レンズをバッグに入れることなく肩から提げられるため、素早いレンズ交換が可能になる。

韓国、GoWing社のレンズホルダー。両側がマウントになっていて、交換レンズが装着できる。そして横にはストラップ取り付け部があり、交換レンズを肩から提げられる。いちいちカメラバッグに出し入れせず、しかもリアキャップも必要ないため、素早いレンズ交換が行える。肩掛けの他にも、リュック等のストラップに固定も可能。マウントはキヤノン、ニコン、ソニーAマウント、ソニーEマウントの4種類。スポーツや撮影会、ハイキングなど、機動力を重視した撮影に重宝しそうだ。

Badass Cameras HASSELNUTS



HASSELNUTS(ハッセルナッツ)は、iPhoneをハッセルブラッドのデジタルバック化するキット。iPhoneを専用モジュール(マガジンタイプ)に装着し、iPhoneアプリでキャプチャーする。撮影動作は、ハッセルブラッド本体の機能を利用するため、クランクを回してチャージ、シャッターボタン押下で撮影となる。
iPhone側は、アプリケーションがカメラ本体の振動に反応し、シャッター動作と同時に画像を記録する。ハッセルブラッドの独自の周波数に合わせているとのこと。モジュールをみると、本来のフィルム露光面には、同社が開発したガラスがセットされていて、ここに投影された画像が背面のiPhoneで記録されるという仕組み。



iPhoneを横から差し込に装着
フィルムマガジンと同じようにモジュールを脱着する。
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撮影時のアプリケーションの画面。右のスライダーをスライドして、撮影スタンバイとなる。
撮影された画像一覧。周辺のケラレが確認できる。

CP+初日の段階ではアプリケーションにエラーがでていて、カメラのシャッター動作とアプリケーションの同期がずれており、正常に撮影ができなかった。アプリケーションは現在も改良中だという。HASSELNUTSで撮影された画像をみると、モジュールの構造のためか画像周辺がケラレていて、トイカメラで撮影された写真のようにみえる。ハッセルブラッド本来の高画質な写真を楽しむことはできなさそうだが、ガジェットとしてはたいへん興味深い製品だ。(Photo&Text:編集部)



GARIZ
ニコンDf用のカメラケース。カメラを保護するだけでなく、スタイリッシュにしてくれる。底面はバッテリー室の部分に穴があいていて、ケースを装着したままバッテリーやメモリーカードの出し入れができる。

GARIZ(ゲリズ)は、本革のカメラケースやストラップ、カメラバッグなどを製造する韓国のブランドだ。高級感があり、しかも底面は金属を使用。質感の高さだけでなくとても丈夫だ。またケースを装着していてもバッテリーの交換ができるのも特徴。ニコンDf用やソニーα7/α7R用もラインナップする。CP+では、GARIZのCEOであり、製品デザイナーでもあるGary Min氏も来日し、GARYZのこだわりをアピールしていた。



ソニーα7/α7R用のカメラケース。カラーは5色から選択でき、個性的なα7に仕上げることができる。
GARIZのCEO、Gary Min氏。デザイナーでもあり、GARIZ製品はすべてGary Min氏によるデザイン。以前は韓国の大手メーカーのプロダクトデザイナーだったとのこと。



octavus


トートバッグ2種類とリュックタイプが1種類をラインナップ。どれもカメラバッグとは思えないお洒落なデザインだ。
ストラップの長さは2種類あり、長い方は斜め掛けするのに最適だ。M型ライカにもよく似合う。

octavus(オクターヴ)は、神戸にオフィスを構えるブランドだ。カメラストラップは、日本で唯一の総合馬具メーカー「ソメス」と共同開発。職人の手によって造られた高品質の仕上がりが特徴だ。長さは1180mmと1050mm。色はブラックとブラウンから選べる。こだわりのカメラに装着して使い込んでいきたい。またカメラ用のインナーケースを標準装備したバッグも展示。カメラバッグらしくないデザインで、キャンバスの風合いが美しい。インナーケースは撥水加工と止水ファスナーを採用し、雨の日でも安心して使える。



ストラップの肩に当たる部分が太くなっているテーパータイプの形状。デザインと実用面を兼ね備えたストラップだ。
カメラに装着部分の折り返しや留め具なども実に凝っている。ただし長さは2種類のみで、調節はできない。



ジャパンホビーツール イージーカバー
ニコンD5300用イージーカバーのカモフラージュ。とても一体感のある形状だ。

カメラケースや張り革キット、撮影用品やカメラ修理用品など、様々なアクセサリーを扱うジャパンホビーツールから、カメラケースの「イージーカバー」からカモフラージュが登場。カメラケースは大切な愛機を汚れや衝撃から守るシリコンカバー。カモフラージュはネイチャー派にピッタリだ。しかも会場では、ニコンの最新モデル、D5300用が展示されていた。


エツミ ワイヤレスシャッターリモートコントロール
コントローラー、受信部、ケーブルの3つがセットになっている。受信部にもレリーズボタンを装備する。

カメラから離れてもシャッターを切ることができるワイヤレスレリーズ。なんと100m離れてもシャッターが切れる。リモコン側のレリーズボタンを半押しするとAFも駆動。連写やバルブ、セルフタイマーのモードも装備する。夜景をはじめとするスローシャッターや長秒露光の他、野生動物や野鳥の撮影にも便利だ。キヤノン、ニコン、ソニー、オリンパス用などがラインナップする。


浅沼商会 Hoocap
通常の撮影はもちろん、海辺や雪などレンズ表面を保護しながら機動力も重視したい撮影にも向いている。

浅沼商会が扱うHoocap(フーキャップ)は、なんとレンズキャップ内蔵したフードだ。操作はフードをスライドさせるだけ。レンズ交換時にいちいちレンズキャップを脱着しなくても、ワンタッチで行える。キヤノン、ニコン、ソニー、パナソニック、シグマ、タムロン、ライカ用があり、それぞれのレンズの専用となるため、購入前は必ずHpoocapのウェブサイトで、対応レンズを確認すること。


ニッシン i40
小型ながら大光量と多機能を誇る。デジタル一眼レフだけでなく、ミラーレス機のメインストロボにもおすすめだ。

35mm時のガイドナンバーが27の大光量ながら、高さ85mmの小型ボディを実現。しかも発光ヘッドは上方90度、左右180度に回転し、バウンス撮影も可能だ。背面はダイヤル操作で、設定状況がひと目でわかり、快適な操作が行えるのも特徴だ。ハイスピードシンクロに対応し、ワイヤレスTTLリモートモードも装備。さらに照射角18mmと広画角のLEDビデオライトも搭載。動画撮影にも威力を発揮する。キヤノン用、ニコン用の他に、ソニー用とフォーサーズ用も発売される。


ケンコー トイカメラDSC mini
なんと、こんなに小さいデジタルカメラ。これでもちゃんと写真が撮れるのだから驚きだ。革タイプのストラップがお洒落。
6種類のカラーが勢ぞろい。実売で3000円ほどなので、色違いを所有して楽しんだり、プレゼント用にも向いている。

手のひらより小さなデジタルカメラ。クラシックなスタイルと付属のネックストラップで、アクセサリー感覚で持ち歩ける。ボディカラーはブラック、ブラウン、グリーン、オレンジ、パープル、ホワイトの6色。画素数は131万画素。メモリーカードはmicro SD(micro SDHCに対応)。ミニUSBでパソコンと接続でき、充電も行える。まさに「トイ」だが、音声付きムービーも撮影でき、通常のデジタルカメラとは異なる楽しさが味わえる。


ツァイス Otus 55mm F1.4
標準レンズとは思えないほど巨大だ。しかしカットモデルを見ると、いかにもよく写りそうな雰囲気が伝わってくる。

APS-Cサイズ用のTouitシリーズに続き、フルサイズ用のOtusが登場した。55mm F1.4は、ツァイスの光学技術の推移を結集した標準レンズ。非球面レンズや異常分散ガラスを使用し、色収差や歪曲収差など、各収差を徹底的に除去。高い解像力とコントラストが得られる。重量は1kg前後もあり、価格も40万円オーバーという、超ド級の標準レンズだが、最高の描写性能を求める人に見逃せない1本といえるだろう。マウントはキヤノンEF(ZE)とニコンF(ZF.2)。


【今年の主役は?会場で大きな注目を集めていたメーカーブース】


富士フイルム
一眼レフライクなデザインを持つX-T1。今回のCP+の目玉のひとつだ。ダイヤル操作で、どこか懐かしさも感じる。

富士フイルムブースでは、なんといってもX-T1が大人気。タッチ&トライコーナーは、倍率0.77倍ファインダーやダイヤル操作の感触を確かめようと長蛇の列。CP+初日、一般入場開始の12時には、あっという間に50分待ちという状態だった。



富士フイルムブース X-T1タッチアンドトライコーナー
富士フイルム 光学電子映像事業部 営業部マネージャーの上野隆氏。




XマウントのFILTER IN CAP LENSを参考展示。37mm相当の撮影ができるボディキャップだ。しかもソフトフィルターとクロスフィルターの2種類のフィルターも内蔵する。



シグマ dp2 Quattro
個性的なデザインが話題となったdp2 Quattro。DP2 Merrillより幅は長いが、本体部は薄くなった。

CP+直前に発表された、シグマDPシリーズのニューモデル、dp2 Quattroがついに姿を現した。液晶画面を見ながら構える際の、ベストなホールディングを考えてデザインされたというユニークな形状。そして新開発のFoveon X3 SENSOR Quattroが最大の特徴だ。ボトム1、ミドル1、トップ4という、1:1:4の3層構造で、解像度とノイズ特性が向上。データ処理の高速化も実現している。会場では、広角専用のdp1 Quattro、望遠専用のdp3 Quattroも展示。カメラケースやフードも装着されていた。またケーブルレリーズスイッチも発売される。



dp1 Quattro
dp3 Quattro


dp2 Quattro +光学ファインダー+フード
ケーブルレリーズスイッチ



シグマブースのタッチアンドトライコーナー
シグマ マーケティング部の桑山氏

CP+2014は、2月16日(日)が最終日となる。
*2月15日(土)は悪天候のため、開催中止が発表された。

ウェブサイト:http://www.cpplus.jp/
 著者プロフィール
  藤井智弘(ふじいともひろ)

1968年東京生まれ。中学2年生から写真を始める。初めて購入したカメラは、リコーXR1000S。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年に写真展「PEOPLE」を、東京新宿コニカプラザ(現コニカミノルタプラザ)で開催後、フリー写真家になる。現在はカメラ専門誌やWebサイトでの撮影や執筆を中心に活動。また作品では、国内や海外の街を撮影。特にヨーロッパは2001年以降、ほぼ毎年訪れている。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。
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  2013/11/25
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