中古カメラ 一期一会
公開日:2012/01/24
いま注目したい中古フィルムカメラ&中古デジタルカメラ
photo + text 大浦タケシ
取材協力:フジヤカメラ店

ニコン F & F2
ニコンを代表するフィルム一眼レフFとF2。両者とも未だ人気の衰えないカメラであるが、なかでもアイレベルファインダーモデルは、いかにもカメラらしいスタイルから特に人気が高い。掲載した写真のカメラは、わずかなスクリーンのキズや小さなアタリがあるため、熟れたプライスタグを付ける。もちろん使用にはまったく支障はないので、実用に即しているといってよいだろう。ニコンのことをよりディープに知りたいデジタルユーザーなら、どちらか1台を持っていても損はない。

ニコン D90
現行のD7000の先代モデルD90は、派手さこそないものの、基本をしっかり押さえたパフォーマンスで、今もって古さを感じさせないモデルだ。標準ズームAF-S DX VR 18?55mmF3.5-5.6 Gと合わせて購入すると、状態のよいものなら5万円をオーバーしてしまうものの、末永く使うことが可能なので、これからデジタル一眼レフをはじめようとする写真愛好家にオススメのカメラといえる。コンパクトデジタルからステップアップしたいユーザーにオススメ。

ライカ IIIc
バルナックタイプであれば、ライカも3万円でお釣りがくるものも! 部分的にメッキが剥がれ貫禄ある状態だが、動作は良好。シャッター音もバルナック独特の静かでキレのあるもので、ライカ初心者でも十分レンジファインダーを堪能できる。さらに、Lマウントのレンズはライカ以外からも多数出回っており、名玉といわれるレンズも少なくない。使い込まれたバルナックライカに、往年の名レンズを装着する。まさに通な中古のカメラの楽しみ方だ。

富士フイルム GS645S
コンパクトで手軽に楽しめるセミ判(645判)カメラ。露出計を内蔵し、35mm判換算で36mm相当の使いやすい画角のレンズを搭載する。ピント合わせは二重像合致式の距離計で、信頼性が高く暗いところでも合わせやすい。カメラをヨコ位置に構えたとき、画面がタテ位置となるのも特長で、ポートレート撮影では重宝するはずだ。掲載したGS645Sは、状態がよいうえに価格も熟れており、しかも6ヶ月の保証まで付く。(*1)
中判未体験の写真愛好家に最適なカメラだ。
*1 フジヤカメラ店の保証。保証はショップによって異なります。同じ製品でも個別の商品によって異なる場合があります。

キヤノン RT
EOSシリーズ初期の頃の単なる一眼レフカメラと思ってはいけない。キヤノンが古くから技術を持つペリクルミラー(ハーフミラー)を搭載するカメラなのだ。撮影では、シャッターを切ってもミラーアップしないので、ファインダーの画像がブラックアウトせず、しかも静か。シャッターのタイムラグも他の一眼レフより格段に少ないときている。そのようなカメラが1万円を大幅に下回るプライスタグを付けてショーウィンドウに並んでいるのだから、買わない手はないのだ。
アサヒペンタックスKX & MX
奥のアサヒペンタックスKXは、同社がバヨネット式のKマウントを採用した1975年に発売を開始したKシリーズの一眼レフ。スクリューマウントであったSP系の後継だ。手前のペンタックスMXはより小型の図られたMシリーズの初号モデル。発売は1976年で、こちらも機械式シャッターを搭載するフルマニュアル機である。両カメラのペンタ部に刻まれたAOCO(旭光学工業の略称)のマークが古き良きフィルム時代を感じさせる。
ペンタックス MXを検索
ペンタックス KXを検索 
リコー GR
左よりII、III、IVと並ぶコンパクトデジタルの雄、GRデジタルだ。写真のカメラはいずれも状態のよいAクラスといわれるものである。3モデルのレンズの仕様や機能などは異なるところがあるものの、画素数に違いはないのはこのシリーズらしいところである。価格からみると、現行であるGRデジタルIVはさすがによい値段となるが、先代のGRデジタルIIIとなると半分ほどとなり、さらに先々代のGRデジタルIIとなると、ぐっと現実的なものとなる。その選択はたいへん悩ましい。

オリンパス PEN E-P1
オリンパスが初めてリリースしたミラーレスモデルで、PENシリーズの最上位モデルとなる。往年のハーフサイズのフィルム一眼レフ・ペンFをイメージしたというボディは、スタイリッシュで質感の高いつくりが自慢だ。ピックアップしたカメラは、程度も良好で、カラーは人気のホワイト。レンズは別途購入を必要とするものの熟れたプライスタグを付け、これから本格的にカメラを始めたい人や、ミラーレスモデルを試してみたいベテランユーザーなどに適している。
パナソニック LUMIX DMC-GF1
パナソニックのマイクロフォーサーズモデルであるGFシリーズは、モデルチェンジのたびに操作性はコンパクトモデルに近いものとなっている。それはそれでデジタルカメラ初心者には優しく分かりやすいものであるが、ベテランユーザーにはダイヤルやレバーを多用し直感的な操作の多いDMC-GF1をおすすめしたい。EVFが装着できるのもこのカメラの強みで、古さを感じさせることのないカメラといってよいだろう。

ソニー NEX-3
贅肉を可能なかぎり削ぎ落とし、スタイリッシュでコンパクトなシェイプを持つNEX-3。当時の上位モデルNEX-5と性能を比較すると、動画記録サイズが小さい以外、基本的な性能はほとんど変わるところがなく、ビギナーからベテランまで使いやすいミラーレスモデルである。つい最近のモデルであるため、中古のミラーレスとしてはやや高めの価格設定となるが、その分古さを感じさせないもよい。掲載したNEX-3には、単焦点のワイドレンズE16mmF2.8が付属する。

リーズナブルなコンパクトデジタルカメラ3機種
コンパクトデジタルなら、1万円以下のものを見つけるのは容易だ。しかも、年代的にさほど古くないとくる。ピックアップした3モデルは、左よりカシオEXILIM S10、キヤノンIXY 20IS、オリンパスCAMEDIA FE-5050。なかでもEXILIM S10とIXY 20ISのようなより低価格帯のコンパクトデジタルは、カメラを忘れてしまったようなときや、急な撮影のときなどにも狙い目となるだろう。

カメラバッグ
バッグも中古なら少ない予算で済んでしまう。有名ブランド(あくまでもカメラバッグとしてだが)や廃番となったものが店頭に並ぶことも少なくなく、自分に合ったバッグに出会ったときの喜びはカメラ同様、大きい。写真は今回訪れたフジヤカメラ店のものだが、これだけ見ても多種多様であることが分かるだろう。バッグをはじめとするカメラアクセサリーの中古は、インターネットに出てくることは少ないので、まめにお店に直接足を運ぶようにして探そう。
*記事内の商品に関する情報は、取材時点の店頭での情報です。現在の価格相場や、同店、他店での販売価格、在庫の有無を表すものではありません。同名の商品をお探しの場合は、CAMERA fanで最新情報を検索するか、加盟ショップに在庫をお問い合わせください。  取材協力:フジヤカメラ店
| 今回、取材したフジヤカメラ店は、東京中野にある老舗カメラ店である。新品のカメラ、レンズの充実もさることながら中古の在庫も豊富。名機と謳われた古いフィルム一眼レフから最新のデジタルカメラまで、じっくりと検討することができる。また、バッグや三脚などのアクセサリー類の中古が充実しているのもこのお店の特長で、その数は中古カメラ店のなかでダントツの品揃えを誇る。ぜひ一度覗いてみてほしいお店だ。 |
著者プロフィール
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| 大浦タケシ(おおうら・たけし)
宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。 |