10月17日にオープンしたニコンミュージアムは、日本の光学メーカーで最大規模を誇る企業ミュージアム。2017年に100周年を迎える永い歴史のなかで、ニコンが世に送り出した光学機器の全貌を知ることができる。 最大の見どころは、ニコン製カメラ全機種を展示するコーナー。カメラ第一号機であるニコンI型に始まり最新のデジカメまで450点もの製品が数十メートルに及ぶ長大なウィンドーに並ぶ様は圧巻の一言に尽きる。またFutureShowcaseと名付けられたコーナーでは、今回初めて公開されるニコンFの試作機や1972年のフォトキナに参考出品されたAFレンズなど、日本の光学工業遺産と言うべき貴重な資料を展示。さらにSpirit of Nikonコーナーにある自社で溶解した光学ガラスの塊などもニコンならでは展示といえるだろう。このほか光とレンズの基礎知識が学べるLens Laboratory、トラックボール操作によるインタラクティブ映像でニコンの最先端技術を解説するUniverse of Nikonなど、体験型コーナーも充実。さらにデジタル時代になくてはならない半導体製造装置や最先端医療現場で活躍する医療機器、人工衛星に搭載されている宇宙観測機器など、ふだん目にすることがない産業機器を展示したコーナーもあり、日本を代表する総合光学メーカーであるニコンの懐の深さに改めて気付かされる。