ふぃるむかめら・のすたるじぃ
公開日:2024/09/13
【令和6年9月】帰郷
Rinco Koyama
Leica IIIf Topcor 3.5cm f2.8 F5.6 1/100 FUJICOLOR 100
「帰郷」お盆は、実家のある仙台に帰省しました。この時期は祖父の誕生日が近く、5月頃に
「今度はいつ帰ってくるの?次のお盆は会えるかな」
と毎年連絡が来ていました。でも、今年は5月に祖父が亡くなり、今回は、少し寂しい気持ちを抱えながらの帰省です。
仙台の七夕は、旧暦の7月7日に行われ、東北三大祭りの一つとしても知られています。
本来であれば、8月6〜8日に七夕飾りをしつらえますが、親戚が集まるときにいつも利用している秋保のホテルには、仙台七夕が終わった後のお盆の時期にも飾られているのです。
この飾りを見るたびに、「帰ってきたな」と実感します。
今回の旅のテーマは「帰郷」。子供の頃によく行った場所を大人になった自分の視点で改めて感じてみたいと思い、フィルムカメラを持って写真を撮ってきました。フジフイルム NATURA CLASSICA F5.6 オート フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
「空に想う」
お盆中の帰郷ということで、いつもよりもかなり早い新幹線のチケットしか取れず
この日は4時半起きでした。本当は、早起きは苦手です。
前日に送られてきた、家族からの「気をつけて帰ってきてね」というLINEを読んだ後にふと、祖父の顔が頭に浮かびました。
帰郷したら、いつものように「よく来たね」と出迎えてくれるような気がして、まだまだ実感が湧きません。
「会いにいくからね」という気持ちで、空に向かってシャッターを切りました。 Leica IIIf Topcor 3.5cm F5.6 1/200 FUJICOLOR 100
「木漏れ日」親戚で秋保のホテルに集まって食事会があったこの日。
午前中は雨がぱらつく時もありましたが、ちょうど秋保に着く頃には、すっきりと晴れていました。
風に吹かれて動く木々が、優しい木漏れ日となって光が降り注ぎます。
きっと祖父も天国から、みんなの様子を祖母と一緒に見てるだろうなと思いつつ、差し込む光と風の心地よさを感じられるような一枚を撮りました。 Leica IIIf Summitar 50mm F5.6 1/200 KODAK PROFESSIONAL PORTRA 400
「遠く感じた道」何度となく、幼少の頃から見慣れた風景。
大人になってしまうと大した距離ではないのですが、子供の頃は祖父母の家がとても遠く感じられました。
祖母に「がんばれがんばれ」と手を引いてもらって歩いた道。
シャッターを切ると、その時を思い出すようでした。Rollei35 35mm F5.6 1/250 KODAK カラーネガフィルム GOLD 200「寂しげなパラソル」
毎年訪れている場所ですが、この風景は変わらずに待ってくれています。
プールサイドのパラソルは、少し年季が入ってきていて。それがまた懐かしさを引き立たせます。
秋も近づいてきて、もう少しで役目を終えるパラソルが愛おしくなりシャッターを切りました。Leica IIIf Summitar 50mm F2 1/200 FUJIFILM PRO400H
「ひまわり畑」秋保から仙台駅へ向かう道中、「あっ、ひまわり畑があるよ」と母の声。運転する父が「止まる?」と気を利かせてくれました。
一帯に広がる畑の片隅に、おそらく地元の方の手作りの看板で「ひまわり畑」と書いてありました。
都会に住んでいると、なかなかひまわりがたくさん咲いているところを見る機会もないので束の間の「夏休み」の雰囲気を味わうことができました。
少し曇天だったのが残念ですが、これはこれで「夏の終わり」の雰囲気があってなかなか味があるのではないかなと感じます。 Leica IIIf Summitar 50mm F5.6 1/200 KODAK PROFESSIONAL PORTRA 400
「妹」少しレンズの話をさせていただくと、Leica IIIfをお迎えしてから2本目のレンズがSummitarでした。
学生の頃に絵を学んでいたことがあり、描いていた水彩画の色合いが近しいものをこのレンズに感じたのかもしれません。
背景が水彩画のようにじわりと滲むような描写に感動して、購入に至ったと記憶しています。
妹とは、年に数回は会うのですがその度に「残しておこう」と彼女を撮ることにしています。
年齢を重ねて姿は変わったとしても、「姉妹」という関係はずっと同じ。
私にとって、これまでもこれからも世界に1人しかいない大切な存在。
今は絵を描く代わりに、写真で「大切なものを残す」ことをしているのかもしれません。Leica IIIf Summitar 50mm F2 1/100 LomoChrome Color ’92 35mm ISO400
「大人への階段」仙台のディープなお店が軒を連ねる、「いろは横丁」です。毎日に夜になると仕事帰りのサラリーマンや観光客で賑わっている場所。私は、学生の頃に初めて訪れました。
サンモール一番町というアーケードの奥にあり、居酒屋やスナック、小料理屋さんがメインなので大人になるまで存在自体あまり知りませんでした。
改めて訪れてみると、当時、学生の頃の友人と帰りに飲みに行ったり、友人の付き合いで古いレコード屋さんを訪れたりしたことを思い出し、懐かしい気持ちに浸りながら写真を撮りました。
ここだけ時が止まっているような、不思議な感覚になる場所です。フジフイルム NATURA CLASSICA F5.6 オート フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
「けやき並木を見上げて」定禅寺通りという、冬に「SENDAI光のページェント」というイルミネーションが催される通りがあります。
この時期はけやきの木の葉が日陰を作り、道を歩いていても涼しく、爽やかな風を感じることができます。一通り撮影を終えた頃、Leica IIIf を降ろし写真を撮りました。写っているレンズはSummitarです。
その大きなクリっとしたレンズが「子供の頃の自分も、こんなふうに見上げていたのだろうか」と過去の自分に重なったような感覚を感じました。今回の仙台の旅のテーマ「帰郷」は、「過去の自分を探しに行く」こと意味もありました。
カメラを通すことで、子供の頃に感じていた視点とまた違ったものを発見できたり、
被写体を探しているときも、意識して周りを見てみることで「昔はこうだったな」と再発見するものもありました。
よく知っている場所を「カメラを持って歩く」だけでも「過去の自分と繋がる瞬間」を残していけるのかもしれません。
皆さんにとって、9月の運勢は「自分が好きだったものを振り返ってみる」ということ。
大人になっていくと、前に進むことで精一杯になりませんか?
「この先どうしたらいいのかな」と思う時は、一旦立ち止まってみるという手もありますよ。
始めたばかりの頃の写真や、アルバムを振り返ってみて「またこの場所で撮ってみようかな」と思えたら、そこにあなたが前に進むヒントが隠されているかもしれません。 占い師 Rinco Koyamaのタロット占い
【9月生まれのあなたの運勢】
それでは、最後に「タロットカード」をヒントに9月生まれのあなたにメッセージをお届けします。
私が引いたカードは「カップのエース」※ です。
カップのエースが表すのは、「純粋な心、ワクワクする気持ち」です。
展示や写真集など、「表現している人」の考え方や気持ちに接してみることであなたの想像力も豊かになりそうですね。
泉のように気持ちが湧き出るイメージから、あなたにとっての「こんな写真が好き」ということを見つめ直してみてもいいかもしれません。
撮影を通じて「恋」「友情」が生まれる可能性も。
童心にかえって、「ピュア、素直な気持ち」を大切に。
「これが好き!」という気持ちを大切にシャッターを切ってみてくださいね。
※カップのエースは、カップから水が湧き出る「始まり」を表すカード。豊かな感受性、優しさや幸せ、溢れる愛などを意味します<Rinco Koyamaの使用カメラ>
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