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Around the Photo

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Around the Photo
カメラを買ったらナニを撮る? ドコに行く?
写真の周り、カメラの周りにある楽しいことを見つけに行こう!
公開日:2013/03/04

フレッシュ!撮影会

photo & text 大浦タケシ


いつも風景や街のスナップばかりを撮影していると、たまにはポートレートを撮りたくなるようなことはないだろうか。女性に奥手な筆者も(笑)、オールドレンズを手に入れたときなどポートレートが無性に撮りたく思うことがある。解像感やボケ味などレンズの性能が見極めやすく思えるのが主だった理由だが、単純に美しい女性を撮りたいというスケベ心もないわけでもない。ただし、いざ撮影となるとモデルの手配やスケジュールなど面倒で断念せざるを得ないことがほとんどだ。モデル撮影会に参加するのも手だが、手続きや経済的なことを考えてしまうと億劫にならざるを得ないのである。そんなカメラ愛好家にピッタリな撮影会があると聞きつけ取材に行ったので報告しよう。

モデル撮影会に行ってみよう!

撮影会の名称は『Fresh! 撮影会』。様々なスタイルの撮影会が用意されているが、今回はその中でも、「フレッシュ屋外大撮影会」と「Photo Session」をご紹介する。



モデル: 石井晴佳さん
モデル:渋谷かすみさん


モデル:青山リサさん
モデル:長谷川美月さん


モデル:中田杏奈さん
モデル:鳴海鈴さん
Photo by Camera fan  

フレッシュ屋外大撮影会

まずはフレッシュ屋外大撮影会(以下、屋外大撮影会)にお邪魔してみた。この撮影会は毎週土曜日と日曜日に、葛西臨海公園、お台場潮風公園、大宮公園など東京近郊の大きな公園で開催される。注目はリーズナブルな参加費と時間的なしばりがないことだ。参加希望者は、会費3,000円を持参して、開催時間中に直接受付を済ませればよいという手軽さである。あらかじめ予約する手間がいらず、決まった時間に集合する必要もない。思いついたら即参加できてしまう。

屋外大撮影会は通常11時にスタート。40分×4回の撮影を、途中休息をはさみながら行い15時に終了となる。開催中の時間であれば、いつでも参加することができ、退場も自由だ。



モデルが数多く参加するのもこの撮影会の特徴である。今回もハイティーンからアダルトな印象の方まで8名のモデルが参加。撮影場所も一カ所に固まってしまうようなことがないので、バリエーション豊かなポートレート撮影が楽しめる。モデルは基本的にモデルクラブに所属するプロなので、カメラ慣れしているのもうれしい。フレッシュ撮影会!のスタッフに話を聞いたところ、撮りやすいモデルをメインにキャステイングしているとのこと。また、モデル自身もポージングを研究して撮影会に臨むなど、普段ポートレートを撮り慣れていないカメラマンも楽しめる環境にしているという。


この日はお台場潮風公園での撮影。林をバックにした陸側と、海をバックにした海岸沿いのチームにわかれた。
モデル1名につき、スタッフ1名が付いて撮影が進行する。

  

こちらは、この時たまたま少人数だった撮影グループ。
撮るモデルを自由に選んで移動できるため、ふと少人数になるグループがある。そんな時は自分の好きなアングルで写真を撮るチャンスだ。
  

広い敷地内でモデルごとに分散して撮影するため、まったく窮屈な感じがしない。開放的な気分で気持よく撮影ができる。
  

モデルが順番に目線をくれるため、モデル撮影会でありがちな「大きな声を出した者が勝ち」ということはない。
近寄って撮りたければ、周りの参加者に注意しながら、交代で前方に出れば良いだろう。
  

フレッシュ撮影会!のスタッフが的確にレフを当ててくれる。目線をもらっていなければ、スタッフに一声かければよい。希望のポーズがある場合も、モデルに直接指示するのではなく、スタッフに注文して欲しいとのこと。

撮影画像の公開は自由

ちなみに、撮影した写真は誰かに見せたいのがカメラマンの常だが、それについても心配は無用だ。自分のブログにアップしたり、写真コンテストやカメラ誌の月例コンテストなどへの応募に使用することが可能で、そのため作品撮りのために参加するカメラマンも多いという。

筆者が知るかつての撮影会というと、目を血走らせたカメラマンたちでカリカリとした雰囲気という印象が強かったが、屋外大撮影会は、和気あいあいとしたフレンドリーな撮影会だ。これから季節的に暖かくなってくるので、お気に入りのカメラを携えてのんびり屋外でのモデル撮影を楽しんでみるのも悪くない。


参加者のカメラ拝見!

逆光となる場合が多いためか、ハレ切りを装着するカメラも多い。写真はそのような1台で、ハレ切りには軟質性のプラスチックを活用。ゴムの紐(青い輪)でレンズフードに固定している。


雨の日の撮影や、日陰での撮影で使用するというLEDライト。強力な効果は得られないそうだが、近距離であればキャッチライトを入れられるとのこと。自分らしい写真を撮るためのアイテムといってよいだろう。


ミラーレスカメラで撮影する参加者もいた。写真のオリンパスPEN E-PL5にはEVFが装着されているが、モデル撮影では必需品とのこと。液晶モニターではピントの位置が掴みづらいうえに、明るい場所では見にくくなるからだという。上質そうなケースにも注目。


モデル撮影会の定番レンズといえば70〜200ミリの大口径望遠ズームだ。写真はハイエンドモデル、キヤノンEOS-1D XにEF70~200mmF2.8L IS II USMという正に王道の組み合わせ。ねらった表情は見逃すようなことがない。


モデルさんに聞きました!


モデル:渋谷かすみさん
「昨年8月からフレッシュ屋外大撮影会にモデルとして参加しています。いろんなカメラマンの方とお話しでき、楽しい時間を過ごさせてもらっています。撮っていただいた写真をもらうと、モデルをやってよかったと思いますし、励みになりますね。今日は高校生最後の思い出で、制服で来ましたっ! 私服のときはクールな感じに撮ってもらえるとうれしいですね」


モデル:青山リサさん
「TVや雑誌などのお仕事をいただいていますが、モデル撮影会も私にとっては大切なお仕事のひとつです。毎回、楽しく参加させていただいています。外ならではのハプニングもあったりして(笑)。先月は雪の降るなかで撮影をしました。自然体の青山リサを撮っていただいて、ご自身の写真表現に役立ててもらえればと思います」

ウェブサイト:FRESH!屋外大撮影会




「Photo Session」 スタジオ撮影にチャレンジ



もう一方のPhoto Sessionは、スタジオでモデルと1対1の撮影ができる撮影会だ。システムとしては、まずフレッシュ屋外大撮影会と同様、好きな時間にスタジオに来て手続きを行う。料金は1時間3,000円、3時間パックだと7,000円となる。




スタジオは7つのブースに区切られており、それぞれにモデルが待機。参加者はそのブースの前に並び、撮影の順番を待つことになる。1回の撮影に与えられる時間は40秒。たいへん短いように思えるが、その分撮影に集中でき、順番を待つ時間もかからない。もちろん手際よくポージングの指示を与えたり、撮影を行わないとあっという間にタイムアップとなるので、緊張感のある撮影が楽しめる。また、先に紹介した屋外大撮影会の場合、望遠レンズ主体の撮影となるが、Photo Sessionではモデルとの距離がグッと近くなるので、標準レンズや広角レンズをメインに持っていけばよいだろう。




光源は写真撮影用の蛍光ランプによるもので、色温度はおおよそであるが、5000K前後。デジタルカメラであれば、オートホワイトバランスの設定で問題になるようなことはないだろう。同スタジオが基本とするライティングの場合、露出はISO400の場合で、絞りF5.6、シャッター速度1/60秒ほどのようなので、手持ちでの撮影が可能なのもうれしい。ライト類は自分の好みによって位置を変えたり、消灯することもできる。

Photo Sessionでは私服のほか、モデルによっては水着で撮影に臨んでくれる。もちろん1対1の撮影だ。撮影の様子を拝見していると、多くのカメラマンが大胆に寄って撮っていた。ここではモデルとの会話を楽しみながら撮影するカメラマンも多いようだ。






モデル:松浦ことさん
モデル:誉田まみさん


モデル:橋本絵梨奈さん
モデル:春野恵さん
Photo by Camera fan  


Photo Sessionは秋葉原にある専用のスタジオでほぼ毎日開催。参加するモデルはフレッシュ屋外大撮影会と同様、ホームページで確認できる。交通の便がよいうえに、カメラファンに加盟するアキバカメラ、世界カメラ、ヒカリカメラ、にっしんカメラの各ショップにも近いため、中古カメラのショッピングを楽しんだあとに、購入した機材で「即試し撮り!」というコースも楽しそうだ。



FRESH!アキバスタジオ
住所 :東京都千代田区外神田2-4-6 ビルディングササゲ3階
アクセス:JR秋葉原駅 電気街口 徒歩5分
営業時間:14:00〜22:00 受付開始は13:30〜
※電話対応可能な時間は、撮影会開催時間内のみ
連絡先 :080-3307-6663
スケジュールや出演モデルなどは、ウェブサイトで公開されている。


関連サイト:フレッシュ!撮影会
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。