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Around the Photo

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Around the Photo
カメラを買ったらナニを撮る? ドコに行く?
写真の周り、カメラの周りにある楽しいことを見つけに行こう!
公開日:2014/12/01

【イベントレポート】エプソン主催「meet up!」

photo & text 中村 文夫


「meet up!」は  エプソンが主催する「ワンランク上の表現を目指すための写真トーク&セミナー」。ユーザー参加型のイベントだ。

11月22日、秋葉原で開催された回のテーマは、写真を作品に仕上げ「まとめて、見せる」。プロフェッショナルプリンターやプロ写真家によるトークショーのほか、インストラクターの指導を受けながら自分の作品をプリントする体験コーナー。気鋭写真作家による作品展示など盛りだくさんの内容だ。

なかでも目立ったのは、ポートフォリオを展示するコーナーだ。一般のアマチュアカメラマンにはあまり馴染みはないかも知れないが、ポートフォリオを簡単に説明すると「手作りの写真集」。体裁に決まりはないが、プリントを専用ボックスに収めたり、ファイルにまとめたものが一般的だ。写真家はこれをクライアントに見せ、自分がどんな写真を撮っているかを理解してもらう。一方、クライアントはこれを見て写真家の作風や技術力などを判断、撮影を依頼したり、写真展開催の可否、写真集刊行を決めたりする。いわばポートフォリオの出来が写真家の評価を左右するわけで、写真を生業とする者にとって非常に重要なプレゼンテーションツールだ。

エプソンは自分が撮った写真を第三者に見せる手法としてポートフォリオに着目。プロカメラマンだけでなく、一般の写真愛好家へのポートフォリオ普及を目指している。またプリント体験コーナーでは、自分の作品をポートフォリオ用ボックスに入れて持ち帰れるサービスを提供。プリンターメーカーの強みを活かしたエプソンらしい取り組みと言えるだろう。



会場中央のテーブルに、プロカメラマンのポートフォリオを展示。来場者は手にとって自由に見ることができる。


プリントを専用ボックスに収めたタイプのポートフォリオ。用意された手袋を着用して鑑賞する。プロカメラマンのオリジナルプリントが、このような形で見られる機会はめったにない。


クリアファイルにプリントを収めたタイプのポートフォリオ。余白の残し方にも、作家の作品へのこだわりが感じられる。

体験コーナーでは、自分の作品を新製品のSC-PX5VIIを使ってプリントできる。エプソンのインストラクターが、マンツーマンで指導してくれるので初心者でも安心。プリント用紙も自分で選べる。料金はなんと無料、先着50名へのサービスだ。



プリントした作品はオリジナルのポートフォリオボックスに入れて持ち帰れる。専用ボックスに収めると作品のクォリティが数段アップしたように見える。


スマホに撮り貯めた写真を新製品EP-977A3のWi-Fi機能を使ってプリントできるコーナー。


エプソン中島レーシングのペーパークラフトを展示するコーナー。このデータはエプソンのホームページで公開されているので、プリントアウトすれば自作できる。http://www.epson.jp/sponsor/nakajima/craft/


壁面にはプロ写真家の作品を展示。


新製品のプリンターSC-PX5VIIの説明コーナー





エプソン製以外のさまざなプリント用紙を展示したコーナー。作品の制作意図に合ったペーパーを選ぶことも重要な作業だ。


セミナー会場で実施された、鉄道写真家、中井精也さんによるトークショー。エプソンの写真展会場エプサイトで開催される写真展、「 la gare de Paris -パリの駅にて-」の撮影秘話のほか、プリントの楽しみ方などを、ユーモアを交えて解説。
「写真展情報」http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/event/gallery2/14/#23


Tokyo Institute of Photographie ディレクター速水惟広さんがポートフォリオの作り方を分かりやすく解説した後、アーティストリエゾン フォトキュレーター小高美穂さん、エプソン販売のプロフェッショナルアートプリンター小澤貴也さんが加わり、トークセッションが行われた。このほかセミナー会場ではプロフェッショナルプリンター松平光弘さんが「見せて魅せる」プリントづくりのポイントをレクチャー。




アーティストリエゾン フォトキュレーター小高美穂さん(左) 、エプソン販売のプロフェッショナルアートプリンター小澤貴也さん(右)


今回が5回目の開催となる「meet up!」は「見て、聴いて、体験できる」とても内容の濃いイベント。「継続的に創作し続けるために写真活動の糧となるようなワークショップ」がコンセプトになっている。「meet up!」には参加者同士がプリント作品を持ち寄る「Viewing」と魅力あふれるセミナーを行う「Learning」という2つのイベントがあり、今回は、「Learning」のほう。会場は、廃校になった中学校を再生した3331 Arts Chiyodaというお洒落なアートセンター。予約なしで誰でも気軽に参加できることも大きな魅力だ。エプソンは、これからも「meet up!」を精力的に開催する予定。今後のスケジュールは以下で確認しよう。

エプソン イベント情報 meet up!
http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/meetup/?rdct=meetup



中村 文夫(なかむら ふみお)

1959年生まれ。学習院大学法学部卒業。カメラメーカー勤務を経て1996年にフォトグラファーとして独立。カメラ専門誌のハウツーやメカニズム記事の執筆を中心に、写真教室など、幅広い分野で活躍中。クラシックカメラに関する造詣も深く、所有するカメラは300台を超える。日本カメラ博物館、日本の歴史的カメラ審査委員。