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Around the Photo

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Around the Photo
カメラを買ったらナニを撮る? ドコに行く?
写真の周り、カメラの周りにある楽しいことを見つけに行こう!
公開日:2015/08/18

プロショップで見つけたすてきなカメラバッグたち

photo & text 大浦タケシ


カメラバッグの選択は実に悩ましい。様々なメーカーから様々な種類、大きさのカメラバッグがリリースされており、自分に合ったバッグを探し出すのは至難の技ともいえるからだ。実際筆者は過去、店頭やネットなどでじっくりと検討したにも関わらず、いざ使ってみると期待通りの結果が得られず夜も眠れなかったことを幾度か経験している。かと思えば、反対にそれほど期待していなかったにも関わらず使い込んでいくうちにたいそう気に入り、同じものを2個3個と購入したことも。そんな玉石混淆ともいえるカメラバッグだが、今回CAMERA Fanではプロ御用達のショップ「銀一スタジオショップ」で選んだ高品質で汎用性の高そうなものをいくつかピックアップしてみた。
紹介するブランドは「think TANK photo」「DOMKE」「CRUMPLER」の3つ。

think TANK photo は、2005年にアメリカで設立された比較的新しいブランド。二人のデザイナーがつくりあげた試作品を、やはり二人のフォトグラファーがフィールドテストを行い、それをフィードバックし製品として販売している。ビジネスシーンでも使えそうなデザインが特徴だ。

報道カメラマンであったJim DOMKE 氏が1976年にアメリカで創業したのがDOMKE。クッションやパッドを極限まで省き、軽く柔らかく作られたカメラバッグは、他社製品とは一線を画す仕上がり。古くから多くのプロが愛用するが、本誌でもお馴染みのあのお方もDOMKEの熱烈なる愛用者である。

“cool” (格好良く)で“loud”(目立つ)が創立時のコンセプトであるクランプラーは、1995年オーストラリア・メルボルンで 3人の自転車便メッセンジャー達によって設立された。メッセンジャーバッグを主体としたブランドで、カメラバッグのほかパソコン用のものも存在する。
以上銀一で扱う選りすぐり3ブランドのカメラバッグを紹介していきたい。


think TANK photo シリーズ


後列左より、レトロスペクティブ20、レトロスペクティブ30。前列左より、レトロスペクティブ7、レトロスペクティブ10、レトロスペクティブ5、

「目立たないカメラバッグ」がコンセプトのthink TANK photo レトロスペクティブシリーズ。コットンを素材とし、そのデザインテイストから撮影シーンを選ばない。ベルクロ開閉音を消すためのサイレンサーの装備、細かな内ポケットの区分など、実際に取材を行う写真家、カメラマンからフィードバックされた機能を数多く搭載する。カラーは写真のパインスートンのほか、ブラックがある。レインカバーが付属する。


think TANK photo レトロスペクティブ5


標準クラスの単焦点レンズを装着したミラーレス1台に、標準ズームと望遠ズームなどを収納できるコンパクトなカメラバッグ。お散歩写真からちょっとした旅写真までカバーする。レンジファインダーカメラや小型一眼レフカメラの収納にも適している。






think TANK photo レトロスペクティブ7


標準ズームを装着した中型デジタル一眼レフに開放F4クラスの70-200mmズームレンズが収納可能なレトロスペクティブ7。70-200mmズームは立てて収納でき、場所をとることもない。背面には11インチクラスのノートパソコンも収納可能なポケットを備える。





MacBook Air 11インチが背面ポケットに収まる




think TANK photo パーセプション シリーズ


左より、パーセプションタブレット、パーセプション15、パーセプションプロ

think TANK photo の定番モデル、シェイプシフターシリーズからインスピレーションされたシリーズで、think TANK photo のバックパックの中で、最小・最軽量に位置付けされる。主にミラーレスモデルの収納を前提にデザインされているといってよいだろう。カラーバリエーションも、写真のトープのほかブラックの2色から選択が可能。旅行はもちろん、街散策などの普段使いにも理想的なバックパックだ。レインカバーが付属する。

think TANK photo パーセプション15


メイン気室のポーチには、標準単焦点レンズを装着したミラーレスに、中望遠もしくは広角系の単焦点レンズ2本と標準ズーム1本が収納可能。そのほかアクセサリーなど撮影アイテムや身の回りのものなど入れるスペースもたっぷり。さらにバッグ背面側に13インチクラスのノートパソコンもしくはタブレットの収納できるポケットを備え、前面部には三脚の取り付けを可能とするなど、まさに至れり尽くせりのバックパックである。


写真は、MacBook Air 11インチ。13インチでも充分入る。


背面(体と反対側)に、三脚取り付けようのポケットと、ストラップを装備。


ブラックカラーのthink TANK photoパーセプション15






DOMKE シリーズ


左よりF-5XBサンド、F-3Xワックスウェア、F-2ブラック
DOMKEのカメラバッグは、1976年最初のモデルから今日に至るまでマテリアルにコットンキャンパスを使用する(一部バリスティックナイロンを用いたモデルなども存在する)。コットンキャンパスは、それまでのカメラバッグでは使われることのなかったもので、身体によく馴染み、使い込むほど味のある風合いとなる。なお、クッション材の入ったコンパートメントは別売されているので、収納する機材によっては買い足すようにしよう(一部のバッグには付属している)。

DOMKE F-3X ワックスウェア



耐久性と耐水性に富み、味のある風合いが特徴の米国ワックスウェア社のオイル引きキャンバスを使用したF-3。付属するオイルでバッグ表面をメンテンスできる。標準ズームを装着したミラーレス1台に、望遠ズーム1本、広角ズーム1本、単焦点レンズ2本ほどが収納可能。収納するレンズの数によっては、コンパートメントを買い足すとよさそうだ。




DOMKE F-2 ブラック


DOMKEカメラバッグの定番中の定番といえば、このF2だろう。フォトグラファーの意見を反映した様々なアイディアが詰まった本モデルは、1976年発売以来ほぼ変わらぬ形で今日に至っている。小三元といわれる開放F4の広角ズーム、標準ズーム、望遠ズームの3本と、ミドルクラスのデジタル一眼レフカメラ1台、ストロボなどの撮影アクセサリーなどが収納できる。コンパートメントが付属する。









CRUMPLER ミリオン・ダラー・ホーム シリーズ


後列中央より右回りに、7ミリオン・ダラー(ホームブラック)、6ミリオン・ダラー(ホームブラック)、4ミリオン・ダラー(ホームライフルグリーン)、5ミリオン・ダラー(ホームダークレッド)
メッセンジャーバッグで名の知られたCRUMPLER。ミリオン・ダラーシリーズは同ブランドのショルダータイプのカメラバッグである。色の切り返しや、ストラップのあしらい方などカジュアルで誰でも親しめるデザインは、CRUMPLERらしいところといえる。

ザ・4ミリオン・ダラー・ホーム




カラフルなカラーリングが軽快なショルダータイプのカメラバッグ。標準単焦点レンズを装着したミラーレスモデル1台に、小型ズームレンズ1本が収納可能。ちょっとした撮影のときなど重宝しそうに思える。フラップはベロクロで留めるタイプだが、サイレンサー機能により開くときの音をミニマムとしている。背面にポケットを備える。





ザ・7ミリオン・ダラー・ホーム


ミリオン・ダラーシリーズではもっともビッグサイズなカメラバッグ。ミドルクラスのデジタル一眼レフカメラ1台に、開放F4の小三元ズーム(広角、標準、望遠)3本、もしくは開放F2.8の標準ズームと望遠ズームが収納できる。特に小三元ズームユーザーは3本全てが入るので便利に感じるはずだ。背面にはファスナー付きポケットが装備され、財布や携帯電話など、ちょっとした小物の収納が可能。












<取材協力>銀一スタジオショップ


もんじゃストリートでよく知られた月島。その一角に「銀一スタジオショップ」は店舗を構える。元倉庫だったという広い店内は、最新のデジタルカメラからカメラ関連アクセサリー、スタジオ機材、照明機材、消耗品などがずらりと並ぶ。ただし大手量販店と異なるのは、プロショップらしく大型のストロボや背景紙などスタジオ関連のアイテム、専門的な機材が多くを占めることだろう。だが、怯む必要は無い。今回ピックアップしたカメラバッグをはじめ、三脚やレフ板など、普段我々が愛用しているアイテムもしっかり揃えている。何よりショップのモットーとして、プロ、アマチュア関係なく丁寧な対応を心がけているので、スタッフとじっくりと相談しながらアイテムを選ぶことが可能だ。これまで同ショップに馴染みのなかった写真愛好家もぜひ一度足を運んでみてほしい。

銀一スタジオショップ
http://www.studioshop.jp/



【関連サイト】
think TANK photo レトロスペクティブ

レトロスペクティブ5
http://www.thinktankphoto.jp/product/shoulder_camera_bags_and_sling_bags/698.html

レトロスペクティブ7
http://www.thinktankphoto.jp/product/shoulder_camera_bags_and_sling_bags/1923.html

think TANK photo パーセプション15
http://www.thinktankphoto.jp/product/camera_backpacks/2511.html

DOMKE
http://www.ginichi.com/shop/products/list.php?category_id=271

DOMKE F-3X ワックスウェア
http://www.ginichi.com/shop/products/detail.php?product_id=6155

DOMKE F-2 ブラック
http://www.ginichi.com/shop/products/detail.php?product_id=6169


CRUMPLER
http://www.crumpler.jp/

ザ・4ミリオン・ダラー・ホーム
http://www.crumpler.jp/products/camera_bags/camera_bags-camera_bags/4159.html

ザ・7ミリオン・ダラー・ホーム
http://www.crumpler.jp/products/camera_bags/4185.html

注:収納できる機材例はあくまでもCAMERA Fan編集部で確認したものです。カタログなどの表示と異なることがあります。


 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。