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Around the Photo

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カメラを買ったらナニを撮る? ドコに行く?
写真の周り、カメラの周りにある楽しいことを見つけに行こう!
公開日:2016/12/27

エプソンイメージングギャラリーエプサイト・プライベートラボ

photo & text 大浦タケシ

プライベートラボの様子。壁はグレーに塗られており、部屋を照らす明かりは印刷評価用の蛍光灯を備え付けている。無機質な感じがするが、それは不要な色かぶりを排除するためである。

東京・西新宿の新宿三井ビル1階にある「エプソンイメージングギャラリー エプサイト」は、ギャラリーをはじめショールームやセミナールームなど完備するスペースだ。今回、その中のひとつ「プライベートラボ」を紹介したい。プライベートラボは同社製品を利用したクリエイティブ・ルームだ。平たく言えば、同社のプリンターでプリントできる部屋である。備える機材はインクジェットプリンター、スキャナー、パソコンなど。写真展などのために、大判プリントを自ら行いたい写真愛好家にとって貴重なスペースとなっている。



プライベートラボの横幅いっぱいに収まる「SC-P2005PS」。最大幅64インチのロール紙に対応する最新の大型プリンターだ。普段使えないようなプリンターを使い大判プリントが行えるのはプライベートラボの最大の売りだ。

インクジェットプリンターの機種は、A3ノビ対応で顔料タイプの「SC-PX5V
II」、A2ノビ対応の同じく顔料タイプの「SC-PX3V」、最大幅64インチのロール紙に対応可能な大型顔料プリンター「SC-P2005PS」の3モデル。プリントに関して品質、サイズとも不足のないものだろう。また、スキャナーはA4サイズ対応でフラットベッドタイプの「GT-X980」を設置。ネガやポジフィルムのほか手持ちのプリントをデータ化し、その場で先のインクジェットプリンターを使いより大きなサイズに再プリントすることも可能となっている。



「GT-X980」(左)と「SC-PX5V II」。ネガやポジフィルムをスキャンし、そのままインクジェットプリンターで出力することも可能。スキャンのみでも借りることはできる。



A2ノビ対応の顔料プリンター「SC-PX3V」も完備。プリンターの購入を検討する際、利用してみるのもありだろう。



ライトテーブルも備えている。ポジフィルムからスキャンしたデータでプリントを行うときなど比較検討用として利用する。



パソコンはMac、Windowsとも備える。モニターは、言うまでもなくカラーマネージメントタイプで、EIZO「ColorEdge CG246」を完備。

パソコンは、MacとWindowsが用意されている。 いずれもPhotoshopがインストールされているので、自宅のパソコンと環境は変わらないはずだ。さらにモニターはカラーマネージメントモニターであるEIZO「ColorEdge CG246」。自宅でカラーマネージメントモニターを使っている写真愛好家なら、プライベートラボでも同じ色調、同じ階調で画像を閲覧することができる。加えてインクジェットプリンターなども含めメンテナンスがしっかり施されているのもこのラボの特徴だ。プライベートラボは2部屋あるが、どちらも壁や天井など無彩色であるグレーとし、さらに天井の蛍光灯は色評価用としているのも特筆すべきところ。プリントの仕上がりをチェックする際など、極めてニュートラルな環境光のなかで確認できる。これほど本格的なプリント用スペースは他に類をみないと言ってよいだろう。なお、プリンターの操作や設定など不明なところがあれば、係員がレクチャーしてくれるので安心だ。


ラボ(個室)の外の通路には、ギャラリーでの展示を考え、タングステン光による画質評価も可能としている。ちなみに、写真展の作品制作のために借りる利用者が多いという。

プライベートラボの利用にあたっては以下の通り決まりがある。・エプサイトのアドバンストメンバーズに登録(有料)する必要があること・事前に予約を行う・プリントに利用するペーパーは用意されているものを利用すること・対応する画像フォーマットはJPEG、TIFF、PSDなど。

利用料については、利用する機材によって異なるが、A2ノビサイズのプリンターであるSC-PX3Vの例でみると、2時間の基本料金が4,620円、延長料金が1時間800円。用紙は、写真用紙クリスピアA2サイズが1枚600円だ。
初回はアドバンストメンバーズに登録(5,000円)が必要。(価格はすべて税別表記)
完全予約制で、午前の部10:30〜12:30(基本2時間。延長は13:30までの最大3時間)
と午後の部 14:00〜16:00(基本2時間。延長は18:00までの最大4時間)を選べるが、1日通しで利用も可能。


*料金は、取材時のものです。現在の料金や予約方法、利用に関する詳細は、エプサイトのホームページで最新情報をご確認ください。
http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/labo/


今回お話を伺ったエプソン販売株式会社の池田達也さん。「作品制作の際など積極的に活用してほしい」とのことだ。


普段パソコンの画面などで見ている写真も大きなサイズにプリントすると違った見方ができ、新たな発見があることも少なくない。何より作品としての格も上がるように思える。そのためお気に入りの写真は大判プリントでぜひ残しておくことをおすすめしたいが、そのようなとき唯一無二の頼りになるスペースが、今回紹介したエプサイトのプライベートラボといえる。作品志向の写真愛好家は覚えておいて損のないスペースだ。



ショールームではエプソン製品を体験できる。


epSITE ギャラリー


エプソンイメージングギャラリー エプサイト「プライベートラボ」

□ 〒163-0401 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル1F
□ 部屋数 2部屋
□ 開催日 エプサイト開館日
□ 完全予約制
□ウェブサイト:
http://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/labo/
 著者プロフィール
  大浦タケシ(おおうら・たけし)

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。紆余曲折した後、フリーカメラマンとなり、カメラ誌、Webマガジン等でカメラおよび写真に関する記事を執筆する。中古カメラ店巡りは大切な日課となっており、”一期一会”と称して衝動買いした中古カメラは数知れず。この企画を機に、さらに拍車がかかる模様。2006年よりカメラグランプリ選考委員。