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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2021/11/17

イベントレポート 「上野クラシックカメラ博」

text&photo 鹿野貴司


2021年11月17日(水)から23日(火・祝)まで、松坂屋上野店で「上野クラシックカメラ博」が開催されている。主催は写真機商振興会。もとは新宿の百貨店で10年に渡って人気を博してきたイベントだが、昨年はコロナ禍のあおりを受けて開催されず。それが今年、松坂屋上野店に会場を移して開催されることになった。戦後の上野にはアメ横の発展に伴いカメラ店が林立。隣の秋葉原にかけて、今も老舗・新興さまざまな中古カメラ店が存在する。

そんな上野での初開催には19店が参加。一点モノの中古カメラ探しはネット通販が当たり前になりつつあるが、複数のカメラを実際に手に取って比較検討できるのは、中古カメライベントの利点。名称だけではわかりにくい複数の仕様がある機種は、とくにその恩恵が大きい。店舗による品揃えの違いなども見ながら、掘り出し物を探したり、カメラの見聞を広めるのもいい。

オープン前日に会場で見つけたオススメのカメラをピックアップしてみた。
*掲載した商品は、取材時にイベント会場で並んでいたものです。すでに販売済みの可能性もございます。
*価格はすべて税込み



レオタックスG(バルブ不良)165,000円
トプコール5cmF1.8(クモリ・傷あり)22,000円
日東カメラ


国産L39マウントカメラの定番・レオタックスの最終型。なんと会社が倒産してから2年後、残っていた部品を下請け業者が組み立てたとか。バルブ不良で安いのだが、このカメラで夜景や星は撮らないと思うのでお買い得かと。レンズはいろいろ選択肢があるが、やはりレオタックスの“キットレンズ”だった東京光学のトプコールがよろしいかと。


コーワシックス+85mmF2.8 66,000円
ペンギンカメラ


プライスタグの66,000円という数字を見て掲載即決。6x6(ロクロク)で66,000円ってなんとも粋ではないか。実際同じような個体が2台並んでいたのだが、もう1台はほんの少し高い値付け。外観や各部の動きなども良好で、手軽に中判を楽しみたい人にはオススメ。


ライカ・ガンライフル+テリート200mmF4.5 9,900,000円
カメラのゴゴー商会


ひとつの参考情報として、会場をパトロールした中では最高額だったこちらを。1936年のベルリン・オリンピック用に開発されたもので、戦時中はスポーツや動物を撮るカメラマンに人気だったとか。キャリーケースなどが付くオリジナル仕様なら3000〜4000万円とも。


左から
フォクトレンダー・ペルケオ 25,000円
コダック・レチナIIa 10,000円
フォクトレンダー・ヴィトマチックI 18,000円
アルコ・アルコ35 20,000円
愛好堂カメラ


お値段も手頃な、1950年代生まれのクロームボディなカメラたち。ペルケオは蛇腹式&目測の6x6判で、他は35mmフィルムを使用。しかしこの時代の金属加工技術って本当にすばらしい。とくにフォクトレンダーの角の部分は、これだけでご飯3杯食べられそう。


ライカIIIf 44,000円
トリウム ズミクロン50mmF2(フィルター付き) 168,000円
鈴木特殊カメラ


バルナックライカは相場がやや落ち着いてきた感があるが、その中でもお買い得だと感じた一品。カメラで浮かせた予算をレンズに突っ込むのも、上手な買い方だと思う。というわけでレンズは程度良好なトリウムガラス使用のズミクロンを。


ローライフレックス3.5Fプラナー(フード付き) 298,000円
大塚商会


中古カメライベントではたくさん並ぶ印象があるローライフレックスだが、タマ数が少ないのか今回はあまり見かけず。以前は2.8Fが神格化されて高値だったが、今は使いやすさで3.5Fも人気が高い。これはプラナーレンズ搭載の最終型、いわゆるホワイトフェイス。各部の動きも滑らかで、コンディションのよいものをお探しならぜひ。


LIGHT LENS LAB 50mmF2 Mマウント(周エルカンV1)
ブラックペイント120,000円/シルバー110,000円
焦点工房


ズミクロン35mmF2の通称8枚玉を復刻した「周八枚」で一躍注目を集めた中国のレンズメーカー・LIGHT LENS LAB。その第2弾は軍用品ゆえ極レアなエルカン50mmF2を復刻した「周エルカン」。こちらで日本初登場だ。


オリンパスOM-1N 25,000円
ズイコー50mmF1.8 5,000円
キヤノンF-1 38,000円
FD50mmF1.4 S.S.C 12,000円
セキ写真


フィルムカメラを始めたいという若い人には、このあたりの70〜80年代の金属製一眼レフをおすすめしたい。手にしたときやシャッターを切ったときの感触は、今のデジタルカメラでは決して味わえないもの。オリンパスOMマウントやキヤノンFDマウントはレンズも種類豊富なうえ、一部の大口径をのぞけば比較的リーズナブルなので、長く楽しめると思う。


ライカM6・ジャガーXK+エルマーM50mmF2.8 2,500,000円
カメラのヤマゲン


英国車・ジャガーXKシリーズの50周年を記念して、1998年に50台限定で製造された珍品。正規ルートで日本に輸入されたのは1台だけという噂も。ケース付きで、見た感じでは未使用かそれに近いコンディション。ライカが好きでジャガーも好きという方はいかがでしょうか。

 

鹿野のつぶやき


個人的に欲しいのでおすすめしたいような、したくないような、鈴木特殊カメラさんで見つけたニコンF3HP。外観もきれいでシャッターも小気味よく切れるのに、価格は安いんじゃないの?という気がする33,000円。ニッコールレンズをいっぱい持っているのに、使えるカメラをひとつも持っていないので、ここいらでF3を買うべきかなと。







 

<開催概要>

「上野クラシックカメラ博」
会期:2021年11月17日(水)〜11月23日(火・祝)
場所:松坂屋上野店本館6階催事場
時間:10:00〜20:00(最終日は17:00閉場)

<参加予定店舗(順不同)>
愛好堂カメラ(愛知)
カメラのアート(広島)
大塚商会(愛知)
カメラのゴゴー商会(福岡)
ハヤシ商事(東京)
スズキカメラ商会(東京)
鈴木特殊カメラ(大阪)
ステレオカメラ(福岡)
セキ写真(埼玉)
日東カメラ(栃木)
元町カメラ(兵庫)
カメラのヤマゲン(大阪)
ワカイカメラ(群馬) 
蔵 CURA(東京) 
焦点工房(愛知) 
スキヤカメラ(東京) 
富士越カメラ(東京) 
ペンギンカメラ(神奈川) 
矢倉カメラ商会(大阪)

主催:写真機商振興会 
後援:ワールドフォトプレス
問い合わせ先:写真機商振興会   http://www.camera.jp
鹿野貴司(しかの たかし)

1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるほか、ドキュメンタリー作品を制作している。日本大学芸術学部写真学科や埼玉県立芸術総合高等学校で非常勤講師も務める。
写真集『日本一小さな町の写真館 山梨県早川町』(平凡社)ほか。

ウェブサイト:http://www.tokyo-03.jp/
Twitter:@ShikanoTakashi
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