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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2022/05/19

魅力的なフィルムカメラがいっぱい!「池袋クラシックカメラ博」

text 笠井里香

2022年5月18日(水)から24日(火)まで、東武百貨店 池袋本店 8F催事場にて「池袋クラシックカメラ博」が開催されている。主催は写真機商振興会。今回のイベントには中古カメラ店とメーカー・販売会社、計17社が参加しており、各店舗がこのイベントに向けた目玉商品をはじめ、多彩なクラシックカメラを展示・販売する。

目当ての商品をいくつか実際に手に取って比較検討できるのが、こういったイベントの魅力。店舗により商品のラインナップにも個性があり、ぶらぶらと見て回るだけでも十分に楽しめる。

開催初日に会場にて、フィルムカメラ初心者にもオススメのカメラをピックアップしてきたので、さっそくご覧になっていただきたい。

※掲載した商品は、取材時にイベント会場に並んでいたものです。既に販売済みの可能性もございますことをご了承ください。
※価格はすべて税込みとなっています。




アサヒペンタックス SP F(SPOTMATIC)革ケース付き+ SMCタクマー55mm F1.8/12,000円
ステレオカメラ


レンズがセットになって12,000円とお買い得なアサヒペンタックス SP F(SPOTMATIC)。前モデルのアサヒペンタックス SPの絞り込み測光から開放測光を実現しているモデル。分割巻き上げも可能なレバー式のフィルム巻き上げ、シャッタースピードはB、1〜1/1000秒。実はこのモデル、レンズキャップを外すと露出計がONになるというフォトスイッチを内蔵しており、もちろんレンズキャップを装着すると露出計がOFFになるという仕組み。

セットとなっているレンズは、オールドレンズ入門の一本としてもオススメのSMCタクマー55mm F1.8(M42マウント)。「SMC」の表記の通り、マルチコーティングが施された後期のモデルで、5群6枚のガウスタイプのレンズ。絞り羽根は6枚。最短撮影距離は45cmと比較的寄ることができる。レンズそのものの作りの良さと、バランスの取れた素直な描写でフィルムだけでなくマウントアダプターを介してデジタルカメラでも楽しめる。


ライカM2 七宝塗装室高橋塗り/298,000円
日東商事


惜しまれつつも2006年でその業務を閉じた「七宝塗装室 高橋」にてアフターペイントされたライカM2。ブラックの塗装にちりめん加工が施された個性的な一台。天面のライカロゴもブラックアウトしている。

言わずと知れたライカだが、M2はM3のあとにリリースされたモデルで、広角35mmのフレーム枠をファインダー内に搭載。135mmのフレーム枠が省略されているため、広角をメインに標準50mmレンズまでを使うスナップフォトグラファーには最適なモデル。フィルムカメラを始めたばかりでも「いつかはライカ」と憧れる人が後を絶たない名ブランドであり、デジタル全盛になった現在でもM型ライカの系譜は脈々と続いている。




オリンパスペンD3/コシナCX-2(ワインダー付き)/ともに11,000円

ハーフカメラ(35mmフィルムの1コマに2カット写すことができる)のレンズ固定式コンパクトオリンパスペンD3はフィルムカメラエントリー層を中心に人気の高いモデル。オリンパスペンDからレンズをグレードアップし、Fズイコー32mm F1.7という大口径レンズを搭載している。ハーフカメラと侮るなかれ。緻密な描写で発色もよく、大口径レンズでボケも美しい。

1980年代に発売されたコンパクトカメラ、コシナのCX-2は、これをコピーしたと言われるロモLC-Aの元となったモデル。レンズバリアを時計回りに90度回転させて使用する。レンズ下にあるレバーで撮影距離を設定するゾーンフォーカス式。AE専用機でレンズ脇にあるレバーで絞り設定が可能だが、シャッタースピードは1/45秒に固定となる。フラッシュを使用する際にはマニュアルでの絞り設定ができる。レンズは5群5枚構成のコシノン35mm F2.8。ワインダーを装着すると1コマ/秒の連続撮影が可能。



ニコン F3(アイレベル)/39,600円
Ai ニッコール 50mm f/1.4S/17,600円
ペンギンカメラ


ニコンのフラッグシップモデルであるF一桁シリーズのモデル中、最高傑作とも謳われるF3は、マニュアルフォーカスでの最後のフラッグシップモデル。グリップの形状や、シンプルでありながら強い印象を残す赤いラインで後の多くのカメラデザインに影響を与えたスタイルはアルファ・ロメオやBMWのカーデザインなどを手掛けたイタリアを代表する工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジ・アーロによるデザイン。チタンのシャッター幕を採用するなど質実剛健という言葉がぴったりの、頑丈で使い心地の良いモデルで、現在でも人気が高い。電池がなくなった際などの緊急時でも1/60秒の機械式シャッターを切ることができ、ファインダーからの光を遮るアイピースシャッターの搭載など、プロフェッショナル向けの各種装備も実装されている。明るくクリアなファインダーと心地よいシャッター音で撮影しているという気分を高めてくれるモデルだ。

Ai ニッコール 50mm f/1.4Sは6群7枚構成、絞り羽根7枚。小型軽量かつ高い性能を追求して誕生した標準レンズのスタンダートとも言うべきモデル。1981年に発売されて以降、30年余の長い間販売が続けられたロングセラーでもる。クセのない素直で確かな描写と、フィルム時代の柔らかさを併せ持ち、始めての短焦点レンズとしてもオススメしたい一本。




オリンパスOM-2/18,000円
オリンパスG.ズイコー AUTO-W 35mm F2.8/15,000円
カメラのヤマゲン


小型軽量の一眼レフとしてデビューしたOMシリーズの2代目となるモデルOM-2。初代のフルマニュアル機OM-1に対し、1975年に発売が開始されたこのモデルは、オリンパスの一眼レフとしても初の絞り優先の電子制御シャッターを搭載したAE機。世界初のTTLダイレクト測光(フィルム面の反射を測る)を採用し、大きな話題となった。現代のオリンパスOM-Dシリーズと同様にボディもレンズも小さく軽量であるため、とても携行しやすく、日常的にスナップ撮影をしたい方にオススメしたい。

オリンパスG.ズイコー AUTO-W 35mm F2.8は6群7枚構成。絞り羽根は6枚。最短撮影距離は30cmと短く、グっと被写体に迫った撮影も可能。ズイコーレンズらしい程よいコントラストとシャープな描写、取り回しの良いコンパクトさで、常用レンズとしてスナップ撮影するのに好相性なレンズ。




フルオートコンパクトカメラ各種/3,000円〜
愛好堂カメラ


愛好堂カメラでは、ミノルタ カピオス25やCanonオートボーイ、オリンパストリップXB3などなど、シャッターボタンを押すだけで手軽に撮影できる、フルオートのコンパクトカメラを豊富にラインナップする。すべてのカメラを実写テスト済みで、購入後すぐに撮影可能だ。「写ルンです」から一歩踏み出し、小さく手軽に撮れるカメラが欲しいというエントリーユーザーにはぴったりのモデルが各種揃っている。価格帯も3,000円〜と良心的で、複数台購入して撮り比べてみても面白いかもしれない。




ジナーS 5×7(前期型)4×5フィルムバッグ、エキスパートケース付き/99,000円
鈴木特殊カメラ


スタジオなどでの撮影に使用された大判ビューカメラ、ジナーのスタンダードの意味を持つ「S」。精度の高さとは裏腹に非常にシンプルな操作で使用できる。縮みのようなグレーの塗装が美しいモデルで、コレクションとして収集する人も少なくない。大判というと、35mm版カメラのように気軽にシャッターを切れないイメージで敷居が高く感じるかもしれないが、写真の基本をすべて学ぶことができるカメラ。大きなシートタイプのフィルムに記録される緻密で精細な描写は、大判でしか味わうことのできない醍醐味だ。




ローライコード(トリオター75mm F3.5)/45,000円
大塚商会


ローライフレックスの廉価版と言われる二眼レフ「ローライコード」。撮影レンズはトリオターの75mm F3.5を搭載している。無駄のないシンプルな機構とコンパクトなボディで使い勝手がよく、ドイツの名レンズトリオターの描写も味わうことができる。日本のカメラメーカーがこぞって模倣したというローライコードは、機械としても完成度が高く、所有感も満たされる。本商品は整備済みのため安心して使うことができる。




Canon EOS RT/8,800円
カメラのゴコー


「RT」とはリアルタイムの頭文字。固定のペリクルミラーを採用しており、レリーズタイムラグを大幅に短縮したプロフェッショナルユースモデル。5コマ/秒の高速巻き上げ、動体予測AIサーボAF、オートブラケティング機能や多重露出機構も搭載し、6モードのAE機能、さらにはメータードマニュアルの露出制御も可能と多彩な機能がてんこ盛りの一台。現在でもデジタルカメラとほぼ変わらぬ操作感で使うことができ、簡単・確実に撮影できる信頼感の高いモデルだ。もちろんEFマウントのため、さまざまなレンズを装着できるのも魅力。




オリンパス OM-D E-M5(HLD-6P付き)/22,000円
キヤノン EOS M3 + EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM/32,000円
フジフイルム X-E2/28,000円
スズキカメラ商会


クラシックカメラ博では、フィルムカメラだけでなくデジタルカメラの中古品も多数販売されている。ほんの2-3世代前のモデルが格安で購入できるのも、このイベントの魅力のひとつ。コンパクトで使いやすいミラーレス機は、フィルムでは撮影の難しい暗いシーンなどにも対応でき、一台持っていることでカメラライフのクオリティがアップすること間違いなし。

 

<昭和レトロな世界展を併催>


今回の「池袋クラシックカメラ博」東武百貨店 池袋本店の開店60周年記念イベント「昭和レトロな世界展」との併催となっており、昭和の少年たちを熱狂させたランボルギーニカウンタック、ランボルギーニミウラ、トヨタ2000GTなどスーパーカーの展示や、昭和レトロ雑貨の販売なども同会場にて行われている。


「池袋クラシックカメラ博」の名の通り、カメラ好きなら特に目当ての商品がなくてもブラリと見て回るだけで気分が高まるミュージアム的要素も含んだイベント。自分が生まれるよりはるか以前のカメラから、比較的最近のデジタルカメラ、超珍品モデルまで、カメラの変遷さえ見て取ることができるのも楽しい。開催期間は2022年5月18日(水)〜5月24日(火)の1週間。掲載商品以外にも数え切れないほどの多彩なモデルが展示・販売されており、丸1日催事場にいても飽きないだろう。もちろん展示だけでなく販売がメインのイベントのため、今日あったカメラが明日あるとは限らない。縁を感じたカメラはぜひ迷わず手に取ってみて欲しい。

Photo:カメラファン編集部


<開催概要>

「池袋クラシックカメラ博」
会期:2022年5月18日(水)〜5月24日(火)
場所:東武百貨店 池袋本店 8階催事場
時間:10:30〜19:00

<参加予定店舗(順不同)>
愛好堂カメラ(愛知)
カメラのアート(広島)
大塚商会(愛知)
カメラのゴゴー商会(福岡)
ハヤシ商事(東京)
スズキカメラ商会(東京)
鈴木特殊カメラ(大阪)
ステレオカメラ(福岡)
セキ写真(埼玉)
日東商事(栃木)
カメラのヤマゲン(大阪)
ワカイカメラ(群馬) 
蔵 CURA(東京) 
焦点工房(愛知) 
スキヤカメラ(東京) 
ペンギンカメラ(神奈川) 
矢倉カメラ商会(大阪)

主催:写真機商振興会 
後援:ワールドフォトプレス
問い合わせ先:写真機商振興会  http://www.camera.jp

 

<カメラファンがオススメする書籍>


フィルムカメラ・ライフ 2024−2025

 
IDEA of Photography 撮影アイデアの極意」南雲暁彦・著


「個性あふれる"私らしい"写真を撮る方法」野寺治孝・著

これからフィルムカメラをはじめたい人のためのガイドブック

フィルムカメラ・スタートブック」大村祐里子・著
 
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