TOP > コンテンツ一覧 >

20th Century America

58
20th Century America
公開日:2022/09/15

1984〜1990年 アメリカ・ニューヨーク

Photo & Text 野寺治孝

ミノルタSRT-101 35-70mm F3.5 絞り優先AE フィルム エクタクローム100

私を乗せたバスは空港からブルックリン橋を渡ってマンハッタン島に入っていきました。初めて見る摩天楼のビル群と、行きかう様々な人種の発するエネルギーがバスの窓越しからも伝わってきて正直言えば「圧倒されてビビった。写真が撮れるのだろうか・・・」が最初の印象でした。

当時のニューヨークは“危険な場所”と言うイメージが日本では浸透していました。ただ、私に限って言えば一度も危険な目には合いませんでした。

ニューヨークに行ってみようと思った動機は単純で「ロスなどの西海岸に行ったので、今度は東海岸のニューヨークに行ってみたい」でした。調べるとマンハッタン島はそれほど広くないので地下鉄と徒歩でも移動出来ますし、当時観た映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』がカッコ良かったからです。
この映画は主に1950年〜60代が舞台でしたから、近代的な風景よりもノスタルジックな被写体を撮りたいと思っていました。

1984年の最初の撮影で、ある程度いい感じに撮れたので翌年に再訪しました。移動の効率を考えて、折り畳みの自転車を持って行きましたが、これが失敗でした。写った写真を観て愕然としました。まさに“地に足が付いていない心ここに在らず”な写真ばかりでした。写真は効率ではなく“自分の足で歩いてしっかりと撮る”ことを学びました。

その後も87、88、90年とほとんど毎年の様に行き、ホテルではなくB&Bに泊まりました。宿主のマンションの1部屋を借りるのですが、夕飯を共にする機会も多くてまるで住んでいるような感覚だったので、まだまだ駆け出しの若かった私にはとても刺激的で楽しい思い出ばかりです。宿主の似顔絵を書いたら「君は写真家よりも画家になった方がいい」と。簡単な料理を作ったら「コックになった方がいい」とも言われました。もちろんジョークですけど(笑)。
帰る日には「お金が足らなければ今度でいいよ」とも言ってくれてお土産を持たせてくれました。日本から撮った写真を何枚か送ったら「やっぱり写真家になった方がいい!」と絵葉書をくれました。ニューヨーカーは大都会に暮らす方々ですがとても優しくて親切でした。

宿主の皆さんが今も元気で幸せでありますように。もうお会いすることはないかもしれませんが、私は写真家になりました。(笑)



ミノルタSRT-101  200mm F4  絞り優先AE フィルム エクタクローム100

ミノルタX-700 28-80mm F3.5-4.5 絞り優先AE フィルム エクタクローム100


ミノルタα7700i 20mm F2.8  絞り優先AE フィルム エクタクローム100


ミノルタX-700 35-70mm F3.5  絞り優先AE フィルム エクタクローム100

ミノルタSRT-101 35-70mm F3.5  絞り優先AE フィルム エクタクローム100


ミノルタX-700 20mm F2.8  絞り優先AE フィルム エクタクローム100


ミノルタX-700 50mm F1.7  絞り優先AE フィルム エクタクローム100


ミノルタα7700i  20mm F2.8  絞り優先AE フィルム コダックトライX400
 

<野寺治孝の使用カメラ>


ミノルタ SRT-101 

ミノルタ α7700i

ミノルタ X-700 
野寺治孝 NODERA HARUTAKA
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。


<主な著書>

カッコいいスナップ写真の撮り方


写真の撮り方レッスンブック


トラベル・フォトレシピブック


パーフェクト・フォトレシピブック


レンズ1本で撮るフォトレシピ
写真がもっとかんたんで楽しくなる野寺流撮影講座