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新製品レビュー

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新製品レビュー
公開日:2023/12/25

ライカ ゾフォート2 進化したプリントできるデジタルカメラ

Photo & Text :鹿野貴司


あのライカが庶民にも手の届く価格に…ということで話題になったのが、2016年に発売された初代「ライカ ゾフォート」だ。ご存知の方も多いかと思うが、説明するとライカブランドのカメラでありながら、媒体はチェキフィルムというインスタントカメラである。そのデザイン性もあって人気を博し、当時チェキにハマっていた僕も発売と同時に購入した。

その2代目「ライカゾフォート2」(以下本機)が2023年11月10日に発売された。カラーはホワイト、レッド、ブラックの3色。初代は素通しのファインダーをのぞき、撮影するとプリントが排出される古典的なインスタントカメラだったが、ゾフォート2はデジカメにプリンターが合体。富士フイルム製インスタントカメラの上位機種と同じハイブリッド方式となっている。というかご存知の方も多いはずなので言及しておくと同社製「instax mini Evo」とスペックは同一だ。




カラーは、ブラック、ホワイト、レッドの3色。M型ライカのようにシックに決めるか、かわいく行くのか悩んでしまう。Photo:メーカー提供


カメラ本体の片側側面にはスリットからは、プリント時にフィルムが出てくる。




ただし細かくスペックを比べると、ホワイトバランスの設定項目がわずかに異なる。カメラの絵作りは、ライカ独自の味付けが加わっているものと思う。またデザインもクラシックカメラ風の「instax mini Evo」に対し、本機はシンプルでモダンなデザイン。手にするとプラスチック製ゆえに軽いものの、安っぽさは感じられない。上質なデザイン家電のようで、背面にあるDESIGNED BY LEICA CAMERA GERMANYの文字は伊達ではない。


フィルムカメラの「巻き上げレバー」の模したレバーは、プリントレバー。背面液晶に画像を表示した状態で、右にチャキっと引くとプリントが開始する。表示していない状態で引いたときは動作しない。


プリントが完了した状態
 

サクサクは連写できない

またレンズは銘板に「LEICA SUMMAR f2/2.4」とある。ズマールの2.4mm F2、フルサイズに換算すると28mm相当だ。Leicaのロゴが刻まれたレンズキャップが付属し、オートフォーカス、最短撮影距離は10cmという基本的なスペックになる。センサーは1/5インチ・490万画素(2560x1920ピクセル)のCMOSという、カメラとしての機能を見ると「いつの時代だ?」というロースペック。もっとも本機のプリント解像度は1600x600ピクセルの96万画素なので、むしろこれでもオーバースペックなのだ。それよりも気になったのは、レスポンスが鈍いこと。シャッターを押してから撮影されるまでにやや間があり、さらに1〜2秒ほど表示がブラックアウト。その間は何も操作できない。撮ったものがすべてプリントされるわけではないので、以前のような一発必写を決める必要もないのだが、サクサク連写できないという点で集中する必要はある。
 

フィルム・エフェクトとレンズ・エフェクト

デジタルとのハイブリッドということで、撮影時にはエフェクトをかけることもできる。上面にフィルム・エフェクト設定ダイヤル、レンズ外周にレンズ・エフェクト設定ダイヤルがある。それぞれノーマルを含めて10種類の項目があり、10x10で100通りのエフェクトが選べる。撮影した画像は本体メモリーまたはSDカードに保存。液晶画面でプリントしたい画像を選択し、背面の右手親指が当たる部分のレバーを引くと、プリントが開始される。シャッターを押すと同時にプリントされる緊張感やワクワクドキドキはないものの、フィルム代を節約できるのはありがたい。また元画像はSDカードから抜き出すことができるほか、プリント済みの写真に限ってスマホアプリ「Leica FOTOS」を介してスマホへ転送可能。先述の通り490万画素だが、SNSに投稿するなら十分だ。


ボディ上面のフィルム・エフェクト設定ダイヤルで、10種類の色調を選べる
1 ノーマル
2 ビビッドトーン
3 ペールトーン
4 キャンバス
5 モノクローム
6 セピア
7 イエロー
8 レッド
9 ブルー
10 レトロ




レンズ外周にレンズ・エフェクト設定ダイヤルで、10種類の表現を選べる
上面シャッターボタン横の黒いボタンを押すと、設定したエフェクトをリセットできる。

1 ノーマル
2 ビネット
3 ソフトフォーカス
4 ぼかし
5 魚眼
6 色ずれ
7 光漏れ
8 ミラー
9 二重露光
10 ハーフフレーム




 

富士フイルムのチェキ用フィルム「instax mini」が使える



フィルムは富士フイルム製「instax mini」と互換性があるが、純正品「ライカインスタントカラーフィルム」も用意されており、フレームカラーはウォームホワイトとネオゴールドの2色。今回は「ウォームホワイト」しか入手できなかったが、縁を比べると「instax mini」のホワイトよりほんのわずかに暖色系かな、という印象。ただ本当に差はわずかだ。ちなみにネオゴールドは富士フイルムには存在しない色だ。気になる価格は、メーカー直売で富士フイルムのホワイトは814円(税込)、ライカは1,540円(税込)*。この差をどう考えるかは人それぞれだが、ライカの裏面には「LEICA SOFORT」のロゴが躍る。チェキはプリント自体にもモノとしての側面があるので、この部分は重要かもしれない。
*価格は、2023年12月記事執筆時点
 

<ライカ ゾフォート2 ギャラリー>

【以下、共通】
写真上:プリントしたフィルムを撮影した画像
写真下:ゾフォート2で撮影した元データ



Leica SOFORT 2
フィルム・エフェクト」レトロ
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト



フィルムエフェクト設定ダイヤルの「レトロ」は、彩度が下がってコントラストがアップ。建物や車などを撮るのに合うと思う。



Leica SOFORT 2
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト


元画像はコントラストがやや高めだが、プリントにはちょうどいいトーンで焼き付けられる。


■LS5

Leica SOFORT 2
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト



僕が持っているハイブリッドチェキの初号機「instax SQUARE SQ10」もそうだが、オリジナルの画像と、背面液晶に表示&プリントされる写真とでは明るさが違う。シンプルなカメラと思いきや、内部ではいろいろな処理をしているようだ。



Leica SOFORT 2
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト



画面サイズが小さいため、コントラストが強い被写体のほうがプリントは映えると思う。



Leica SOFORT 2
フィルム・エフェクト:ビビッド
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト



アナログチェキのようなメリハリを求めるなら、フィルムエフェクト設定ダイヤルで「ビビッド」を選ぶといい。



Leica SOFORT 2
レンズ・エフェクト」ミラー
フィルム:instax mini



レンズエフェクト設定ダイヤルで「ミラー」を選択。左が実像、右が鏡像のシンメトリーな写真が撮れる。
 

【他のデジタルカメラで撮影した写真データをゾフォート2でプリント】


手順:他のデジタルカメラで撮影したデータをパソコンからスマホのアプリに保存。スマホアプリ「Leica FOTOS」からゾフォート2に転送してプリントした。


リコーGR IIIxで撮影したデータを、Leica SOFORT 2でプリント
フィルム:instax mini

スマホの写真フォルダにたまたまあった、ポラロイドカメラの写真。すでにインスタでアナログ調のエフェクトをかけた写真だったので、ポラロイドっぽい雰囲気に仕上がった。





富士フイルムX100Vで撮影したデータを、Leica SOFORT 2でプリント
フィルム:ライカインスタントカラーフィルム・ウォームホワイト

スマホからの転送は解像度が下がるのだが、それがアナログチェキのような味を生む。

ゾフォート2の画質について


画質の評価をすると、レンズからの像を光学的にプリントへ露光していた初代に比べると精細感は段違い。中間調も豊かで、写真としての画質はすばらしい。ただしトーンや色調はあっさり目。コントラストや発色が強く、ローファイなチェキ本来の味わいを求めるなら、上面のフィルムエフェクト設定ダイヤルで「ビビッドトーン」、レンズ外周のレンズエフェクト設定ダイヤルで「ビネット」を設定するといいかもしれない。

先に触れたスマホアプリ「Leica FOTOS」により、本機をプリンターとして活用できるのも特徴。スマホ内に保存しておけば、一眼レフカメラやミラーレスカメラ、もちろんM型ライカで撮影した写真もプリントできる。ただしスマホ経由でプリントすると800x600ピクセルに解像度が落ちてしまう。実際のところ本機で撮影した写真よりわずかに解像感が低いのだが、かえって光学的に焼き付けていた初代のような味わいがある。

そんな味わいのあった初代ゾフォートに比べると、本機は大きく進化してより実用的になった。利便性や経済性を高めつつ、手軽に撮ってプリントできる楽しさはしっかり継承している。実売価格は性能や機能が同じ「instax mini Evo」の倍近いが、質感の高さも含めてその分の楽しみや価値はあると思う。多くの人にとって現実的な価格で手にできるライカ製品という点で、本機は大きな存在価値があるはずだ。




<メーカーサイト>
ライカカメラジャパン
ライカ ゾフォート2
https://leica-camera.com/ja-JP/photography/cameras/sofort-2


 
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鹿野貴司(しかの たかし)

1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるほか、ドキュメンタリー作品を制作している。写真集『日本一小さな町の写真館 山梨県早川町』(平凡社)ほか。著書「いい写真を撮る100の方法(玄光社)」

ウェブサイト:http://www.tokyo-03.jp/
Twitter:@ShikanoTakashi

<著書>

いい写真を撮る100の方法
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