株式会社ニコン(以下、ニコン)は、2024年1月に国際宇宙ステーション(ISS)に、同社のフラッグシップモデルであるフルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z 9」を納入した。これは、ISSの乗組員が使用する初のニコンミラーレスカメラとなり、高画質・鮮明な画像で地球や宇宙を撮影することが可能となる。 現在ISSに装備されているニコンのデジタル一眼レフカメラ「ニコン D6」と、2017年から使用されている「ニコン D5」が「ニコン Z 9」に置き換えられることになる。ニコンのカメラとレンズは、50年以上前からNASAのさまざまなミッションで使用されてきた。
Z 9はニコンのフルサイズミラーレスカメラのフラッグシップモデルで、堅牢性とプロフェッショナル向けの信頼性、最先端技術の搭載が高く評価され、このカテゴリーのカメラとして初めてのメカシャッターレスを実現し、可動部品を最小限に抑えることで耐久性を最大限に高めた。 ISSで使用するZ 9のカメラ本体のハードウェアは、宇宙ミッション用に特別な改良などが加えられていないため、ISSの乗組員は、地上のユーザーが使う市販品と同じ品質のカメラを宇宙空間でも利用する。これは、ニコンの技術で開発されたZ 9が無重力の中での生活や宇宙探査という過酷な環境下でも活躍できることを証明している。カメラ本体のハードウェアは市販品と同じだが、宇宙飛行士と宇宙環境に適したカスタムファームウェアを搭載することで、宇宙放射線によるノイズ低減や、保護カバー装着時の撮影性能向上を実現した。
今回納入されたのは、13台のZ 9、超望遠レンズやマイクロレンズを含む15本以上のNIKKOR Z レンズ、そして15個のマウントアダプター FTZ IIです。これらの機材は、ISSの乗組員による科学研究、メンテナンス、そして地球や宇宙の撮影などに活用される。
ISSで新たに使用されるカメラとNIKKORレンズ カメラ:ニコン Z 9(13台) レンズ:NIKKOR Z レンズ(超望遠レンズ、マイクロレンズを含む15本以上) マウントアダプター:マウントアダプター FTZ II(15個)