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オールドレンズ・ライフ

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オールドレンズ・ライフ
公開日:2012/12/21

オールドレンズはRAWで撮ろう

photo & text 澤村 徹
RAW現像はカメラに付属するRAW現像ソフトか、市販のRAW現像ソフトを使用する。市販ソフトはアドビのAdobe Photoshop Lightroom、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX Developer Studioなどが代表的だ。

オールドレンズ撮影は、レンズによって描写表現が千差万別だ。軟調硬調といったちがいはもちろん、繊細なレンズもあれば、骨太の描き方をするレンズもある。こうしたオールドレンズのテイストを最大限に引き出したいなら、RAW撮影をお薦めしたい。

JPEG撮影は手軽な反面、画像生成時の圧縮にともない、近似した色データを間引く。そのためわずかではあるが、オリジナルの状態から階調性が損なわれてしまう。階調性の豊かさはオールドレンズにとって大切な要素なので、極力オリジナルの階調を保ちたいというのが人情だろう。また、JPEG撮影はカメラ側の仕上がりモードに従って、色調とコントラストをわずかに持ち上げる。これによって見栄えよく画像を整えてくれるわけだが、ことオールドレンズ撮影に関しては素の状態で画を見たいものだ。

一方、RAW撮影した画像をストレート現像すると、階調や発色、コントラストは、基本的に素のままで出力される。この方がオールドレンズの描写傾向を把握しやすいはずだ。作品として仕上げる際も、RAWデータを編集した方が画像劣化が最小限で済む。描写と画質にこだわるなら、RAWという選択肢を検討してみよう。



RAW撮影した画像は階調が滑らかで、発色とコントラストもマイルドだ。オールドレンズの描写傾向を重視するのであれば、RAW撮影の方がその特徴をストレートに味わえる。



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<プロフィール>


澤村 徹(さわむら てつ)
1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。オールドレンズ撮影、デジカメドレスアップ、デジタル赤外線写真など、こだわり派向けのカメラホビーを得意とする。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線写真、オールドレンズ撮影にて作品を制作。近著は玄光社「アジアンMFレンズ・ベストセレクション」「オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド」、ホビージャパン「デジタル赤外線写真マスターブック」他多数。

 

<著書>


アジアンMFレンズ・ベストセレクション



オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド



ソニーα7 シリーズではじめるオールドレンズライフ