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ソニーα7 オールドレンズ・クロスレビュー

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ソニーα7 オールドレンズ・クロスレビュー
公開日:2013/11/27

ソニーα7+コンタックス G Biogon T* 28mm F2.8 & Biogon T* 21mm F2.8

photo & text 澤村 徹
ソニー α7 + G Biogon T* 28mmF2.8


α7でコンタックスGレンズが完全復活!?

オールドレンズファン待望のソニーα7/7Rがついに発売になった。Eマウントをキープしたままイメージセンサーをフルサイズ化。端的にいえば、マウントアダプターさえあればどんなオールドレンズでも付き、しかもレンズ本来の画角で撮影できる。まさに理想のオールドレンズベースボディの登場である。

そのα7/7Rで筆者が真っ先に楽しみたかったのが、コンタックスGマウントのレンズ群だ。すでに事実上のフルサイズミラーレスとしてライブビュー搭載のライカMタイプ240が存在するが、無改造のコンタックスGレンズはデジタルM型ライカに装着できない。α7/7RはコンタックスGレンズを素のままでフルサイズ撮影できる、はじめてのデジタルカメラなのだ。

今回はKiponおよびMetabones製のEマウント用コンタックスGマウントアダプターを使い、「Bigon T* 28mmF2.8」と「Bigon T* 21mmF2.8」を試してみた。まず、マウントアダプターについては、どちらのメーカーも支障なくα7/7Rで使用できた。もともとAPS-Cセンサー搭載のNEX向けに登場したマウントアダプターだが、フルサイズセンサーのα7/7Rでもケラレなしで使用できる。



Kipon製(左)およびMetabones製(右)のEマウント用コンタックスGマウントアダプター
中国や香港製のマウントアダプターはフレアガードがなく、ケラレなしでα7/7Rで使えることが多い。


コンタックス G Bigon T* 21mmF2.8(左)とBigon T* 28mmF2.8(右)


マゼンダかぶりは発生するのか?

描写面については、周辺のマゼンタかぶりの有無が気になるところだろう。周知の通り、フランジバックの短い非テレセントリックな広角オールドレンズは、周辺部にマゼンタの色かぶりが発生しやすい。フルサイズ機のα7でGビオゴンを使う際、その色かぶりの程度が最大の関心事となるはずだ。

今回、Gビオゴン28ミリとGビオゴン21ミリを試したところ、Gビオゴン28ミリはさほど気にならないレベルだった。空を背景にしてアンダー目で撮ると、いくぶん気になる程度だ。ハイキーで撮るとほぼ気にならないだろう。一方、Gビオゴン21ミリはそれなりにマゼンタかぶりが発生した。しかしながら、Lightroomの段階フィルターなどを使えば、十分に補正可能なレベルである。その他の広角レンズも試してみたが、ショートフランジの広角オールドレンズの場合、焦点距離28ミリがボーダーラインとなる印象だった。なお、一眼レフ用の広角オールドレンズ(フランジバックの長い広角オールドレンズ)なら、マゼンタかぶりはほとんど気にならない。

α7とGビオゴンの組み合わせは、周辺のマゼンタかぶりが少なく、待望のフルサイズ撮影を堪能できた。唯一、惜しまれるのは、周辺部の流れが目立つ点だ。これは既存のAPS-Cミラーレス機でも見受けられる現象なので、ひとまわり大きいフルサイズイメージセンサーではやむなしだ。むしろ、この程度に収まっていれば健闘しているというべきだろうか。



【オールドレンズ実写】
 
コンタックス G Biogon T* 28mm F2.8
   α7 + G Biogon T* 28mmF2.8
絞り優先AE F5.6 1/25秒 -2.7EV ISO200 AWB JPEG
 
コンタックス G Biogon T* 21mm F2.8
   α7 + G Biogon T* 21mmF2.8
絞り優先AE F5.6 1/80秒 +2EV ISO200 AWB JPEG

今回はコンタックスGマウントのビオゴンを取り上げたが、これ以外にも、α7/7Rではじめてデジタルフルサイズ撮影が可能となるオールドレンズがたくさんある。これまでマイクロフォーサーズやAPS-Cミラーレスで楽しんできたオールドレンズの数々、それらを改めてフルサイズ環境で使うと、また新しい発見があるだろう。


【関連サイト】
ソニー α7製品ページ
http://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7/

マウントアダプター
デジタルホビー(Metabones)
http://digitalhobby.biz/

Kipon 正規代理店 焦点工房
http://www.rakuten.co.jp/auc-stkb/

 

<プロフィール>


澤村 徹(さわむら てつ)
1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。オールドレンズ撮影、デジカメドレスアップ、デジタル赤外線写真など、こだわり派向けのカメラホビーを得意とする。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線写真、オールドレンズ撮影にて作品を制作。近著は玄光社「アジアンMFレンズ・ベストセレクション」「オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド」、ホビージャパン「デジタル赤外線写真マスターブック」他多数。

 

<著書>


アジアンMFレンズ・ベストセレクション



オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド



ソニーα7 シリーズではじめるオールドレンズライフ