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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2016/08/16

【イベントレポート】第8回 新宿クラシックカメラ博 新宿高島屋

photo & text 曽根原 昇
新宿クラシックカメラ博2016

写真機商振興会が主催する新宿クラシックカメラ博は、2001年に銀座・松坂屋で始まった銀座・中古カメラ市を前身にしている。2009年に会場を新宿高島屋に移し今年で8年目、銀座時代も含めると16年目を迎える。中古カメラファンにとっては夏の一大イベントとしてすっかり定着しているのでご存知の方も多いと思う。

北は仙台から南は福岡まで、普段なかなか足を運びきれない全国の名店22店が、一堂に新宿に集結しているところが魅力のひとつ。また、マニア垂涎の珍品や、手の届かないような高級品ももちろんあるが、これからフィルムで写真を撮ってみたいという初心者が買いやすい商品の取り揃えが多いのもこの催しの特徴。そこで今回は、そうした実用性の高いフィルムカメラと、デジタルカメラで楽しめるオールドレンズを中心に紹介する。

*商品は取材時の在庫です。中古商品は一点ものです。店頭ではすでに販売済みとなっている可能性があります。ご了承ください。


 

■ユー・シー・エス 【今年初出店】
ニコン F3HP、F3T(35mmフィルム一眼レフカメラ)


ニコンのF3はMF一眼レフのフラッグシップ機。AFになった後継機のF4、F5が登場してもなお発売され続けていた名機中の名機。露出計、絞り優先AEを搭載しているので初心者でも使いやすい。HP(ハイアイポイント)は、メガネ着用時でも視野が確保できる低倍率のファインダー率のモデル。スタンダードなF3とF3HPなら比較的低価格で入手できるが、チタン仕様のF3Tなど高価なタイプもある。好みで選ぼう。


 

■カメラのゴゴー商会
コニカ HEXANON-M 28mm F2.8、UC-HEXANON-L 35mm F2、HEXANON-M 50mm F2(マニュアルフォーカスレンズ)

HEXANON-MはコニカのレンジファインダーカメラHEXAR RF用のMマウントレンズ。UC HEXANONは高級コンパクトHEXARの固定レンズをLマウント化しコーティングを見直したもの(限定1000本)。比較的低価格で、程度も写りもよく、ちょっとこだわったオールドレンズを探している、なんて人にはかなりオススメだ。


 

■ツカモトカメラ
ニコン F100(35mmフィルム一眼レフカメラ)

バリバリ使える銀塩AFカメラが欲しい人に。旧型はもちろん現行のニコンGレンズでもAFやVR(手ぶれ補正)など問題なく使える。もともと高級カメラなので造りもよく、それでいて中古相場は低目安定という狙い目カメラ。裏蓋のベタつきに注意したいが、この2台は大丈夫。


 

■カメラの大塚商会
ライカ M9(レンジファインダーデジタル一眼カメラ)

新品だと溜息しかでないライカのフルサイズデジタルカメラがこの価格で出品。それでも決して安いとは言えない、でも、憧れのライカが何とか手の届きそうなところにいる。思わず頭の中でローンシミュレーションをしてしまったが堪えた。純正革ケースがオマケでついてくるという、大塚商会の目玉商品だ。



 

■日東商事
イエナほか(マニュアルフォーカスレンズ)




日東商事ではたくさんのM42マウントレンズが良心的な価格で並んでいた。M42マウントとは42mm径のスクリューマウントのことで、かつてはペンタックスやカールツアイス・イエナなど多くのメーカーで採用されていた。M42マウントは種類が豊富なうえに、マウントアダプターを使用することで、多くの現行デジタル一眼カメラに装着することができる。オールドレンズがはじめての人にオススメのレンズだ。


 

■藤井商店
精密光学研究所(現キヤノン)ハンザキヤノン(35mmレンジファインダーフィルムカメラ)

国産初の35mmレンジファインダーカメラとして名高いハンザキヤノンは、ボディがキヤノン製、レンズと距離計がニコン製、販売はハンザだった。ハンザブランド名のないオリジナルバージョンとの貴重な2台セット。マウントナンバーが連番という珍品コンビで、さらにこれまた貴重なオリジナルケース付き。価格はなんと、335万円と博物館級に高価だ。


 

■ステレオカメラ
オリンパス M-1(35mmフィルム一眼レフカメラ)


M-1は小型軽量を特長としたオリンパス銀塩一眼レフ・OMシリーズの初号機。後に同型のままOM-1と名称が変更された。名機であるが、ボディもレンズも驚くほど安く手に入れることができる。小さく軽い一眼レフで写真を始めたいという人にオススメの一台だ。

 

■愛好堂カメラ
ライカ M6、M6TTL


中古カメラの王道と言えばやっぱりライカ。中でもM6はM型ライカらしいフォルムのまま露出計を内蔵するので、使いやすく人気がある。同じM6でもロングセラーだったため仕様にいくつかの違いがあるので、お店の人に相談しながら自分にあった一台を選ぼう。


 

■鈴木特殊カメラ
ミノルタ オートコード(フィルム中判カメ

高価なイメージの2眼レフも国産なら手頃な価格で手に入る。なかでもミノルタのオートコードは搭載するロッコールレンズの写りに定評があり、下部にあるピントレバーが使いやすいことで有名だ。多少のガタつきはあるためそれなりの価格になっているが実用には問題なし。


 

■カメラのヤマゲン
コンタックス T2、T3(コンパクトフィルムカメラ)


高級フィルムコンパクトカメラも多くの種類が揃う。ここ数年で人気が高まっているため価格は上昇気味だ。カードサイズ並みに小型のコンタックスT3はさすがのお値段だが、やや大きめのコンタックスT2ならまだ手の届く価格。焦点距離は、T2が38mm、T3は35mmと若干異なる。高級感やレンズ性能はどちらも遜色がない。


 

■スズキカメラ商会
ベッサT ヘリアー101周年モデルセット(35mmレンジファインダーフィルムカメラ)


101周年モデルは、ドイツBESSAの名レンズ・ヘリアーが登場から101年を迎えたことにちなんでコシナから発売された記念セット。ボディ、レンズ、ファインダー、トリガーワインダーのセットであるが、復刻版ヘリアーだけでも価格以上の価値あり。


 

コニカ オートレックスP(35mmフィルム一眼レフカメラ)


世界初の自動露出機構を備えた35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフ。上部のレバーによってフルサイズとハーフサイズを切り替えることができる。ブラック塗装は非常に珍しいそうだ。お手頃価格のヘキサノンAR50mmF1.4と一緒にいかが?


 

■ライカカメラジャパン


今年はライカカメラジャパンも出店。展示用とされていたMモノクロームやライカSLなど、新品同様のデジタルカメラが破格のアウトレット価格で販売されていた。ライカカメラジャパンでの購入なのでアフターサービスも安心。これはチャンス!


 

<センサークリーニングコーナー>


ユーシーエスは、会場限定でセンサー清掃サービス(1,000円税込)も行っている。対応メーカーはニコンとキヤノンのみだが、会場でカメラを預ければ中古カメラを見て回っている間に清掃してくれるので嬉しいサービスだ。


 


【イベント情報】



今年も8月に新宿高島屋にて、写真機商振興会主催の中古カメラ販売イベント「新宿クラシックカメラ博」が開催されます。カメラファンの加盟店も多く出店いたします。
また、今年はカメラファンの執筆陣でもある写真家の赤城耕一氏と、大村祐里子氏によるトークショーも開催されます。これは行かなければならないイベントです!

 

第8回 新宿クラシックカメラ博

開催日時:2016年8月16日(火)〜22日(月)
開催時間:10:00〜20:00 

*8月19日(金)・20日(土)20:30 閉場
               最終日 22日(月)16:00 閉場
会場:新宿 高島屋 11階催会場
主催:写真機商振興会 
企画協賛:ワールドフォトプレス(モノ・マガジン)

★ジャンク品コーナー開設:8月20日(土)・21日(日)
★センサー清掃コーナー開設(ニコン・キヤノン)

 

<トークショー>

●8月20日(土)13:00〜
かくたみほ氏・大村祐里子氏「写真談義・カメラ談義」

●8月21日(日)13:00〜
赤城耕一氏「写真家とカメラ」

※出演者及び演題は予告なく変更する場合がございます。


写真機商振興会
http://www.camera.jp/

新宿タカシマヤ| 催し一覧
http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/event/




【参加店・五十音順】
愛好堂カメラ / 大塚商会 / Okadaya / カメラのゴゴー商会 / カメラのコセキ / カメラのハヤシ商事  / カメラ.ヒラノ / スイートロード / スズキカメラ商会 / 鈴木特殊カメラ / ステレオカメラ / セキ写真 / ツカモトカメラ / 日東商事 / ハットリカメラ / 藤井商店 / 元町カメラ / カメラのヤマゲン / ユー・シー・エス / ワカイカメラ   (五十音順)
【著者プロフィール】
 

曽根原 昇(sonehara noboru)
1971年生まれ。愛知県出身。信州大学大学院修士課程を修了。2006年よりフリーランスとなり、2010年に活動拠点を長野県より関東地方に移す。現在は雑誌・叢書・単行本などの撮影をメインにしながら、カメラ誌やウェブなどでカメラやレンズについての執筆も手がけている。
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