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写真家が選ぶ、今使いたいフィルムカメラ5選

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写真家が選ぶ、今使いたいフィルムカメラ5選
公開日:2019/02/13

大村祐里子イチオシのちょっと変わった、かわいいフィルムカメラたち

photo & text 大村祐里子

フィルムカメラの趣味は、新しい時代に入りました。
それは、デジタルカメラと比較する時代は終わって、フィルムならではの表現を追求したり、機械としてのカメラの魅力を楽しむ時代です。販売されているフィルムが豊富にある今、もっとフィルムカメラを使った撮影を楽しみませんか?
この連載では、“作品制作にフィルムカメラを使っている写真家”がオススメする機種をご紹介します。
第二回では、大村祐里子さんオススメのフィルムカメラをご紹介します。



お仕事の撮影では、スピードや正確さが求められるので、それに見合った、実用的でスペックの高いカメラをよく使います。しかし!趣味の世界では、あえて仕事とは逆に、とにかく手間がかかるものや、デザインが非常に優れているものを使いたくなります。今回、私はそのようなアプローチでフィルムカメラを選んでみました。(大村祐里子)
 

YASHICA ELECTRO 35 MC




以前カメラファンでもご紹介させていただいたことがあります(過去の記事はこちら)。レトロなデザインが魅力的な一台です。ポケットにすっぽり入るほど小さいのですが、35mm判です。絞りを自分で決めて、シャッタースピードはカメラ任せというスタイル。目測で被写体までの距離を計算してシャッターを切らないといけないので、完全オートのカメラよりは「撮っている」手応えを強く感じられます。コンパクトな外観からは想像できないほど写りは良く、作品制作にも十分使えます。デザインと実用性のバランスがとれているので、常用したいカメラです。


RICOH AUTO 35


 
近未来的でスタイリッシュなデザインに一目惚れし、ジャンク品として売られていたものを衝動買いしました。その後、修理師さんに直していただき、完動品として復活させました。ピント合わせの厄介さを回避するため、フォーカスは2.5メートルの固定焦点となっています。絞りやシャッタースピードの目盛りは一切ありません。裏蓋にフィルムの名前(※ほとんどが現在製造中止となっているもの)が表示されていて、それぞれに2から6までの番号が振られています。装填したフィルムの番号を、鏡筒に記載されている2から6までの番号と照らし合わせてセットし、鏡筒横のシャッターを切れば撮れる、という仕組みです。徹底的に自動化した35mmカメラとして作られたようですが、慣れないとちょっと扱いづらい印象です。でも、カッコイイカメラを使いたいときには最高の相棒です。

 

TARON Chic


 
株式会社タロンが開発した、縦型のハーフサイズ判カメラです。そのデザインのカッコ良さに心を奪われ、即購入しました。特にデザインが好みであるカメラは何か、と聞かれたら「タロン・シーク」と答えるほど気に入っています。市場に出回っている完動品はほとんどない、というレア度も魅力のひとつです(私のものは完動品です!)。縦型なので、そのまま構えて撮ると横位置の写真が撮れます。露出計の針が示した色と、シャッターダイヤル横の色を合わせてシャッターを切る、という簡単な仕組みです。ただ、ピントは目測なのでそこは慣れが必要です。写りは劇的に良いわけではないですが、悪くもないです。素敵なデザインを眺めて幸せな気分に浸りたいときには必ず登場させたいカメラです。

 

HOLGA120GCFN



プラスチックでできたトイカメラです。ブローニーフィルムを装填して使います。絞りとシャッタースピードはほぼ固定で、ピント合わせは目測です。使っている途中で突然裏蓋が開くこともあり、到底、しっかりとした作り、とは言えないのですが、露出とピントを正確に合わせると、トイカメラとは思えぬほどドラマティックな描写をすることがあります。その意外性がこのカメラの魅力です。カラーフラッシュが付いていたりもしますが、カラーフィルムではなくモノクロフィルムを入れて撮ると、独特の絵になるので私はそちらの方が好きです。カメラが起こす奇跡に掛けてみたいときに使いたい一台です。

 

minolta-16


 

千代田光学(後のミノルタ)が開発した、16mmフィルムを使用する小さな小さなカメラです。手のひらにすっぽりおさまるくらいのミニサイズで、とても可愛らしい外観をしています。多くのカラーバリエーションがあり、所有欲が刺激されます。刺激された結果、綺麗なワインレッド色の一台を購入してしまいました。向かって左側面にあるダイヤルで、絞りとシャッタースピードを調整します。フォーカスは2.5メートル位の固定焦点。写真のように、銀色の部分を引き出すと、シャッターチャージとフィルム送りが行われる仕組みとなっています。かつてはカートリッジ式の16mm専用マガジンを使用してフィルムを装填していたようですが、現在は専用マガジンも16mmフィルムも入手困難のため、撮影をするのは難しい状況となっています。しかし、このキュートなカメラでどうしても写真を撮ってみたいと思い、当時の純正フィルムを入手することに成功しました。色が出るかわかりませんが、近々、撮影にチャレンジしてみたいと思います。



 
 著者プロフィール  
大村 祐里子(おおむら ゆりこ)

1983年東京都生まれ
ハーベストタイム所属。雑誌、書籍、俳優、タレント、アーティスト写真の撮影など、さまざまなジャンルで活動中。雑誌連載:『フォトテクニックデジタル』にて「身近なものの撮り方辞典」を連載中。

ウェブサイト:http://omurayuriko.jp/
ブログ:http://shutter-girl.jp/
Twitter:@Holy_Garden