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オールドレンズ・ライフ

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オールドレンズ・ライフ
公開日:2012/10/23

Q&A・その5 デジカメ特殊機能との連携プレー

photo & text 澤村 徹

昨今のデジタルカメラは多機能で、様々な独自機能を搭載している。
これらはマウントアダプターやオールドレンズと連携できるのだろうか。


Question  17

手ブレ補正は使える


パナソニックとオリンパスのミラーレス機は、ともに手ブレ補正機能を搭載している。パナソニックはレンズ内手ブレ補正なので、オールドレンズ装着時は利用できない。一方、オリンパスはボディ内手ブレ補正機能を採用し、これはマウントアダプター経由のオールドレンズでも動作する。手ブレ補正機能を有効にするだけでよく、使い勝手も良好だ。さらにレンズの焦点距離ごとに、手ブレ補正の効き具合を最適化することが可能。50mmレンズを付けた場合は「50mm」と指定すればよい。マイクロフォーサーズは焦点距離2倍相当となるため、どうしても望遠撮影になりがちだ。オールドレンズ撮影で手ブレ補正機能が使えるのは、大きなアドバンテージといえるだろう。特に重量のあるポートレートレンズ、焦点距離の長い望遠レンズを装着した際、その威力が実感できるはずだ。



手ブレ補正機能を最適化
オリンパスPENシリーズは、レンズの焦点距離を指定して手ブレ補正の最適化が可能だ。もちろんオールドレンズでも動作する。
望遠レンズも安心
写真は152mmのシネレンズを付けた姿だ。重量はそれほどでもないが、35mm判換算304mm相当となる。手ブレ補正が使えるのはありがたい。



Question  18

ジオラマ写真を撮りたい

ジオラマ写真はティルトシフトレンズで逆アオリ撮影を行い、街をジオラマ風に見せる撮影方法だ。オリンパスPENシリーズはアートフィルターを搭載し、このなかにそのものズバリの「ジオラマ」というフィルターがある。アートフィルターはオールドレンズ装着時でも動作するので、手軽にジオラマ写真が撮影可能だ。ただし、アートフィルターは発色やコントラストを調整するため、オールドレンズの味わいは損なわれてしまう。オールドレンズのテイストを重視する場合はティルトアダプターでオールドレンズを装着しよう。ティルトアダプターはマウントアダプターにティルト機構を組み込み、手持ちのオールドレンズでティルト撮影を実現する。ミラーレス機用のマウントアダプターは厚みがあるので、その厚みを活かすことでこのような付加機能付きマウントアダプターが誕生した。



Kipon製が狙い目だ
KiponはM42、ヤシカ/コンタックス、ライカRなど、主要な一眼レフマウントのティルトアダプターをラインナップしている。
オールドレンズで逆アオリ
ティルトアダプターで逆アオリ撮影してみた。ピント位置の前後が大きくボケて、ジオラマをマクロ撮影したような独特の雰囲気だ。



Question  19

オールドレンズでムービーは録れる?

ミラーレス機に限らず、現在のデジタルカメラはムービー撮影が標準機能として定着した。オールドレンズファンのなかには、お気に入りのレンズでムービー撮影したいと考えている人も少なくないだろう。結論からいうと、マウントアダプターを介してオールドレンズを装着した状態で、特に支障なくムービー撮影できる。ただし、撮影時はマニュアル操作になるので注意しよう。純正レンズはカメラまかせでムービー撮影できるが、オールドレンズ装着時は絞りとピントを手動調整しなくてはならない。三脚にカメラを固定するなどして、撮影しやすい環境を整えよう。少々手間がかかるものの、スチル用単焦点レンズの大きなボケ味をムービーに活かせる。また、シネレンズでデジタルムービーというのも一興だろう。



録画ボタンをワンプッシュ
オールドレンズ装着時も、録画ボタンを押すだけで録画スタートできる。オールドレンズで手軽にデジタルムービーが楽しめる。
ピントと絞りは手動操作
ピントリングと絞りリングを手動操作するので、撮影中のブレには気を配りたい。絞りは明るさ調節という役割があることも留意しよう。



Question  20

特殊機能は併用できるのか

最近のデジタルカメラは、デジタルの多様性を活かした独自機能を搭載している。ソニーNEXシリーズのスイングパノラマ、オリンパスPENシリーズのアートフィルターは、その好例といえるだろう。こうした機能は純正レンズが必須と思いがちだが、実はオールドレンズ装着時も問題なく動作する。アートフィルターはすべての種類が選べ、画作りも純正レンズ装着時と大きく変わらない。オールドレンズらしさは失われるが、シーンに応じて好みのアートフィルターで撮影できるわけだ。スイングパノラマも同様で、オールドレンズでも動作する。ただし、ピント合わせと絞りは手動調整だ。スイングパノラマはカメラを動かしながら撮影するため、ISOオートの状態でかなり速いシャッターを切る。あまり絞り込むとISO感度が上がりすぎるので、絞りはF5.6あたりに設定しておくとよいだろう。


アートフィルターが使える
アートフィルターを使うとオールドレンズの色調やコントラストは失われるが、単焦点レンズらしい大きなボケ味は健在だ。

 
 オールドレンズでパノラマ
バルナックライカのエルマー35mmF3.5でスイングパノラマを使ってみた。エルマーらしい素朴な描写でパノラマ写真が撮れた。


 
澤村 徹 プロフィール
フリーライター・写真家

マウントアダプターを用いたオールドレンズ撮影、デジタルカメラのドレスアップ、デジタル赤外線写真など、ひと癖あるカメラホビーを提案している。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」の他、雑誌、書籍など数多く執筆。

ウェブサイト:http://www.metalmickey.jp/
Twitter:https://twitter.com/tetsu_sawamura
 
「オールドレンズ・ベストセレクション」
著・澤村徹
オールドレンズ172本をアーカイブ 
銘玉から迷玉まで、オールドレンズ172本を収録したオールドレンズガイドブックの決定版です。ライカ、ツァイス、ロシアレンズに国産レンズ、果てはマニアックなシネレンズまで、オールドレンズのフルコースを1冊にまとめました。7年続いた「オールドレンズ・ライフ」シリーズをベースに、豊富な作例とともにオールドレンズの魅力を解説しています。オールドレンズファン必携の完全保存版です。