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20th Century America

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20th Century America
写真家 野寺治孝が残す20世紀のアメリカの情景
公開日:2022/06/30

1988〜2003年 ハワイ

Photo & Text 野寺治孝

オアフ島・カフク
コンタックス RX 25mmF2.5 フジフイルム・ベルビア50


プロに成りたての80年代、ニューヨークが大好きでよく撮影に通っていました。そんな大都会に慣れていた私のハワイに対する印象は、ハワイアンミュージックのスティールギターのボワーンとした悪い意味でのローカルな場所としか認識していませんでした。そんなある日、ハワイでの仕事が舞い込んで来ました。
ホノルル空港に到着して外に出た瞬間、とても心地良い風が吹いてきました。具体的にはココナッツのように“風が甘い”のです。この瞬間、私はハワイに恋をしてしまいました。

今までの中で最も多く訪れた外国がハワイです。計15回位は行っています。同じ撮影ポイントには何回も行きますがその度に新しい発見があります。ここへ来ればいつでも写真が撮れます。自分自身の写真に対する物差しのような場所かも知れません。


※アロハシャツが大好きで行く度に購入していたら100着以上になってしまいました。私はコレクターとして集めてる訳ではなく、あくまで夏の普段着として購入しましたが、友人が「100着以上合ったら立派なコレクターだよ」と言っていました。

80〜90年代のハワイはまだまだローカル感が残っていて、特にマウイ島やハワイ島に行ってしまえば、そこはまさに“孤島の楽園”でした。街に一軒だけあるバーで現地の方と知り合って朝まで話し込んだこともありました。またホテルのスタッフさんは休みの日にドライブに連れて行ってもくれました。クーラーバックにたくさん飲み物まで用意してくれて。
「なんでこんなに親切にしてくれるの」と尋ねたら「人に親切にするがアロハ・スピリッツだから。当たり前のことをしているだけです」と。

私の中ではハワイをアメリカとは思っていません。ハワイはハワイで独立しているのです。ところが昨今は地価と物価がとても上がっていて現地の友人も「本土並みになんでも高くて暮らし難い」とぼやいていました。このようなリアルな話を聞くと「アメリカだったんだ・・・」と思ってしまいます。
ここ5年間行っていませんので直ぐにでも飛んで行きたい今日この頃です。あの青い海やきれいなビーチ、そして何よりもアロハ・スピリッツが変わっていないことを願わずにはいられません。




オアフ島・ワイキキ
コンタックス RX 25mmF2.5 フジフイルム・ベルビア50



オアフ島・ワイキキ
キヤノン EOS-1 50mmマクロF2.5 フジフイルム・ベルビア50



オアフ島・カハラ
キヤノン EOS-1 24mmF2.8 フジフイルム・ベルビア50



ハワイ島・ホワイトサンドビーチ
ミノルタ X-700 200mmF3.5 コダック・エクタクローム100



マウイ島・カアナパリビーチ
ミノルタ α7700i 100-300mmF4.5-5.6 コダック・エクタクローム100



マウイ島・ホオキパビーチ
ミノルタ X-700  200mmF3.5 コダック・コダクローム64



オアフ島・ワイキキビーチ
コンタックス RX 180mmF2.8 フジフイルム・ベルビア100



オアフ島・ワイキキビーチ
ミノルタ X-700  200mmF3.5  エクタクローム100



オアフ島・カウェラ
キヤノン EOS-1 50mmF1.4 フジフイルム・ベルビア100

 

<野寺治孝の使用カメラ>


コンタックス RX

ミノルタ α7700i

ミノルタ X-700 
野寺治孝 NODERA HARUTAKA
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。


<主な著書>

個性あふれる“私らしい”写真を撮る方法


カッコいいスナップ写真の撮り方


写真の撮り方レッスンブック


トラベル・フォトレシピブック


パーフェクト・フォトレシピブック


レンズ1本で撮るフォトレシピ
写真がもっとかんたんで楽しくなる野寺流撮影講座