TOP > コンテンツ一覧 >

ふぃるむかめら・のすたるじぃ

62
ふぃるむかめら・のすたるじぃ
写真家兼占い師のRinco Koyamaが、フィルムカメラで何気ない日常を写した連載記事です。郷愁を誘う写真と、タロットで占う毎月の運勢も必見です。【隔月更新予定】
公開日:2025/03/10

【令和7年3月】コンパクトなフィルムカメラで乗り物を楽しむ、箱根の旅

Rinco Koyama

フジフイルム NATURA CLASSICA
F5.6 オート FUJIFUILM FUJICOLOR100
「湯本橋をわたって」


少しずつ、春の陽気を感じるようになってきてカメラを持って外に出かける機会も増えてくる時期になりますね。
今回は、フィルムカメラと共に箱根を旅してきました。
箱根といえば、芦ノ湖や大涌谷など大迫力の自然を間近で感じることができることや、「芸術・アート」が盛んで美術館も多いことから、きっとカメラ好きの人にとっても訪れたい場所の一つではないでしょうか。

なぜ箱根は美術館が多いかというと、一年を通して乾燥しており湿度が低く、美術品の所蔵に向いているという理由があるそうですよ。
雄大な自然に触れつつ、五感を研ぎ澄ませることができる場所での発見をお伝えできればと思います。


フジフイルム NATURA CLASSICA
F5.6 オート FUJIFUILM FUJICOLOR100
「大涌谷へ」


箱根は、車やバスだけではなく、急斜面の山を登っていくためのケーブルカーや登山電車、ロープウェイやフェリーなど交通手段のバリエーションが豊富です。
今回の旅ではロープウェイは「運休」ということで、大涌谷に行くことは諦めていました。ですが、ダメ元で箱根登山電車の終点の「早雲山駅」に行ってみることに。
その時、なんと「ロープウェイの点検が終了」というアナウンスが流れたのです。
きっと、箱根の神様がサービスしてくれたのだと、ありがたく撮影させてもらった1枚です。

大涌谷は約3千年前の噴火以降、現在も100℃前後の硫気と水蒸気を噴出しています。ロープウェイで登っている途中から硫黄の匂いを感じました。草木は硫黄の影響で枯れ果て、まるで別世界にいるような感覚になります。別名「地獄谷」と称されているのにも納得です。西陽が射す16時頃の撮影だったので、広角が得意なNATURA CLASSICAを選びました。
太陽の色味がオレンジ色に近いため、大涌谷の雰囲気を引き立てて撮影するならこの時間帯がおすすめです。



フジフイルム NATURA CLASSICA
F2.8 オート Kodak GOLD 200
「箱根神社」


箱根にある神社の一つ「箱根神社」は芦ノ湖のほとりにあり、元箱根港から歩いていくこともできます。開運厄除・心願成就・勝運守護・交通安全・縁結びのご利益で知られ、源頼朝や徳川家康も参拝したといわれています。
平日に訪れましたが、多くの参拝者がいました。荘厳な空気が流れ、本殿までの89段の石段を登っていきます。森に囲まれているので影が多いですが、陰影を美しく残したくてこのカメラを選びました。

陰になっているところもきちんと写した上で鳥居の朱色も表現でき、まさに万能なカメラなのです。
フジフイルム NATURA CLASSICA
F2.8 オート Kodak GOLD 200
「神域に佇む」


芦ノ湖には、「箱根神社」「九頭龍神社」「箱根元宮」の3つの神社があります。伝説によると、芦ノ湖に住む9つの頭を持つ毒龍が嵐を呼び村人を苦しめていたそうです。
その龍を奈良時代の高僧「万巻上人」が調伏し、改心した毒龍が龍神となったのを祀ったのが始まりと言われています。

九頭龍神社には、月に一度の「月次祭(つきなみさい)」のために参拝船が出ています。幸いなことに当日は天候にも恵まれ、吹く風も気持ちよく月次祭は厳かに執り行われました。
時折、山鳴りが響いてくる様子も、きっと昔の人は龍の咆哮のように例えたのではないでしょうか。

雄大や山々に囲まれた静かな湖畔に佇む九頭龍神社。その湖畔に流れ着いた流木を撮影しました。奥行きがあって、まるでそこに立っているかのような臨場感ある写真になったかと思います



Leica IIIf Summaron f3.5cm
F3.5 1/200 Kodak Colorplus200
「光差し込む登山電車」

宿泊した強羅駅から出発する前の箱根登山電車の車内です。
山に沿って登っていく電車で、景色を楽しみながら乗ることができるほぼ全面がガラス張りの車両もあります。朝陽が綺麗に差し込んでいたので、そのシーンを撮影しました。
箱根登山電車は、日本で最もきつい勾配であり、世界的にも珍しい粘着式電車として知られています。箱根湯本駅から小湧谷駅の間の勾配では、前後で1.17 mほどの高低差があるそうです。なるべく山の景観を損なわないようにスイスの登山電車を参考にこのような仕組みになったそうで、「スイッチバック」という、電車が前に進んだり、後ろに進んだりしながらジグザグに坂を登る方法が採用されています。


それにより、山肌に張り付くようにして山を登ることができます。なかなか珍しいですよね。それが体験できるのも、登山電車の醍醐味です。

 


フジフイルム NATURA CLASSICA
F5.6 オート FUJIFUILM FUJICOLOR100
「店番する猫」


強羅駅前のお土産屋さんで出会った猫。朝早かったので、まだ開店前でしたが陽が射す窓辺で店番をしているようでした。人にとても慣れている様子でおとなしく、近づいてもゆったりとこちらを眺めていました。 動物を撮る時は、なるべく近くで撮りたいのでここでも広角レンズの出番。
そして、オートでピントを合わせてくれるので動きの予想ができないものにも使いやすいのです。
Leica IIIf Summitar 5cm F2
F3.5 1/200 Kodak Colorplus200
「駅に向かう途中」


 山の冷たい空気がピンと張り詰めた朝の場面を撮影しました。ケーブルカーの「公園下駅」へ向かう途中の道は、森から抜けると光が広がっていました。
空気は冷たかったですが、差し込む光が暖かい雰囲気を出してくれていたので薄いベールを纏ったような、柔らかくノスタルジックな雰囲気を作り出すことのできるSumittarのレンズを使用しました。

コントラストが強い場面でも、全体の印象を柔らかくしてくれるのがお気に入りです。

 

フジフイルム NATURA CLASSICA
F2.8 オート FUJIFUILM FUJICOLOR100
「箱根ケーブルカー」


山の斜面に沿って運行しているケーブルカー。車内も段差がついていて、座席が階段状になっているのも特徴的です。
駅から10分、といっても体感としてはとてもきつい坂道になっているので、歩いて移動するのは一苦労です。箱根に行くみなさんは、ぜひ積極的に活用してください。

この写真も、奥に見える「早雲山」も一緒に写すために広角レンズのNATURA CLASSICAを使用しました。目の前の被写体だけではなく、広い範囲を撮影する時には重宝しているカメラです。


フジフイルム NATURA CLASSICA
F2.8 オート FUJIFUILM FUJICOLOR100
「名物と一緒に」


大涌谷での一枚。名物の「大涌谷カレー」をいただきました。
目の前に広がる迫力ある景色の中でいただくカレーは一味違うような気がしました。ちょっと辛い後味は、思い出の中にしまっておくことにします。
いかがでしたでしょうか。今回は、乗り物に乗ることが多かったことと、広い範囲の景色を撮影することが多かったので広角レンズ、かつオート機能がついているNATURA CLASSICAが大活躍でした。ポケットに入るコンパクトなサイズなので持ち運びも楽です。

箱根は、もう少しすると桜、梅雨の時期には紫陽花も綺麗に咲くようです。このように時期やシチュエーションに合わせて、持ち歩くカメラを工夫してみるのも良いかもしれません。

 

占い師 Rinco Koyamaのタロット占い

【3月生まれのあなたの運勢】

「ペンタクルスの7」のカードからのメッセージです。
あなたは今、もう少しでこれまでやってきたことの「結果」が出る状態にあります。
その中で、「もっとやれたのに」「もっと頑張れたのかもしれない」など、自分がやってきたことに少し不満やモヤモヤを持っているような状態かもしれませんね。

何か物事が完結する目前になると、誰しも「内省」するタイミングが来ます。
「足りなかった」と思うよりも、「これまでこれだけやってきたこと」に目を向けてみてください。あなたがやってきたこと、知識や経験は、誰にも奪えないあなただけのもの。これまでの自分を認めつつ、これからさらに発展するためにチャレンジしていけば良いのです。まさに、「冬から春に向かっていく」様子に相応しいカードが出たと感じます。

「本当はもっとこうしたい」といった、撮りたい写真にも挑戦してみる、良いきっかけになるかもしれません。春になれば、その時だけに撮れるものもたくさん出てきますね。

「撮りたいもの」「行ってみたい場所」の計画を改めて練りなおして、楽しい春を迎えましょう!

 

<Rinco Koyamaの使用カメラ>


フジフイルム NATURA CLASSICA


 


Leica IIIf


 

コンテンツ記事関連商品
中古
ライカ IIIf レッドシンクロ
ライカ
レンジファインダー
¥128,000
カメラのナニワ
中古
ライカ IIIf レッドシンクロ セルフ付
ライカ
レンジファインダー
¥52,000
カメラのナニワ
中古
ライカ Summitar L 5cm/2 沈胴
ライカ
レンジファインダー用
¥45,000
レモン社
中古
Leica Leitz Summitar 50mm F/2 Lens for Leica L39 #57134T
Leica
レンジファインダー用
¥58,000
イロハスショップ
中古
IIIF
LEICA
フィルムカメラ
¥44,000
KOMEHYO(コメヒョウ)
Rinco Koyama
宮城県仙台市出身。フィルムカメラをメインにスナップやポートレートを撮影する、写真家兼占い師。個人撮影や書籍への寄稿など多岐にわたり活動。10歳からタロットを学び始め、占い歴は20年以上となる。

https://x.com/RincoKoyama
Instagram https://www.instagram.com/rinco_koyama/
note https://note.com/rinco_notebook/