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イベントレポート

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イベントレポート
公開日:2025/05/08

フィルムカメラからオールドデジカメまで盛りだくさん!「第5回 上野クラシックカメラ博」現場レポート

Text & Photo:鹿野貴司


2025年5月8日(木)から14日(水)まで、松坂屋上野店・6階催事場で「第5回 上野クラシックカメラ博」が開催されている。主催は写真機商振興会。すっかり恒例となったイベントだが、今回は参加するカメラ店や協賛メーカーが前回よりも4社増加。合計16社となり一層賑やかになりそうだ。

オープン前日、設営作業中の会場を取材すると、各店のブースにはさまざまなフィルムカメラやオールドレンズが並んでいた。その顔ぶれは一般的にクラシックカメラと定義されていた50〜60年代のものよりも、70年代後半から90年代前半の製品が中心という印象。思えば90年代前半でも30年以上経過しているわけで、流通量やコンディションを考えると当然の流れなのかもしれない。

またクラシックカメラ博という名称であるものの、時代の流れかデジカメの姿も。とりわけ若者や訪日外国人に人気というコンパクトデジカメや、今も一定数のニーズがあるというデジタル一眼レフの姿が目立った。そんな中で見つけたオススメのカメラをピックアップしてみた。
*これらの商品は、5月7日の取材時に撮影した商品です。現在の店頭在庫を保証するものではありません。



ゼンザブロニカ ETRSi+ゼンザノン PE75mmF2.8 / 110,000円
日東商事
使用感が少ないうえ、AE-IIプリズムファインダーやモーターワインダーEi、さらに純正ストラップや取扱説明書も付属。ガンガン撮影したい人にオススメだ。



(左上から時計回りに)
キヤノン Demi / 17,600円
オリンパス・ペンEED / 15,400円
リコー・オートハーフS / 16,500円
フジカ・ミニ / 24,200円
フジカ・ドライブ / 13,200円
カメラのヤマゲン
本来の倍の枚数を撮れるという経済性と、個性的なデザインから今中古市場で人気を博しているハーフサイズカメラ。カメラのヤマゲンではさまざまなアイテムを取り揃えていた。個人的にはゼンマイで自動巻き上げを実現したフジカ・ドライブを推したい。この価格はお買い得。



LIGHT LENS LAB 50mmF1.5 Z21 / 149,000円
焦点工房
まだ中国国内でしか販売されていないという、アンジェニューS21の再現モデルを5本入荷。1953〜65年にフランスで製造された銘玉を最新の光学ガラスで再現している。ピアノブラックの塗装が美しい(欲しい)。



(左)ニコン F3T / 99,000円
(中)ニコン F2アイレベル / 66,000円
(右)ニコン Fアイレベル+ニッコールHオート50mmF2 / 28,600円
セキ写真
ニコンのフラッグシップ「F」の初代から3代目をピックアップ。リーズナブルなレンズ付きのFもいいけれど、シャンパンゴールドのF3Tも実に美しい。



(左)コニカ オートレフレックスT3+ヘキサノンAR50mmF1.7 / 17,000円
(右)オリンパス OM-2N+OMズイコー35mmF2.8 / 17,000円+12,000円
スズキカメラ商会
どちらも個人的に所有しているため、ついつい反応してピックアップしてしまった。堅牢性重視なのかヘビー級のコニカと、米谷イズムでライト級なオリンパス、どちらも実用品としてオススメ。



(左)ニコン D750 / 85,800円
(右)ペンタックス KP / 82,500円
ペンギンカメラ
今回あちこちのブースで姿が目立ったデジタル一眼レフから2台を。フォーマットこそフルサイズとAPS-Cで異なるものの、どちらも2432万画素。画質は最新のミラーレス機と遜色なく、FマウントやKマウントのレンズをお持ちの方はいかがだろうか。



(左上)カシオ EXILIM EX-ZR500 / 17,600円
(上)ソニー サイバーショットDSC-W170 / 11,550円
(右上)キヤノンPowerShot G9 / 28,600円
(中央)ソニー サイバーショットDSC-WX7 / 16,500円
(左下)ペンタックス Q7+smcペンタックス5-15mmF2.8-4.5 ED AL / 48,400円
(右下)ペンタックス Optio H90 / 24,750円
ジェイダブリュー
最近急に熱くなってきた感のある、いわゆる“コンデジ”。Q7がコンデジにあたるのかは異論もあるだろうが、ともあれこれもいい、あれもいい…と絞りきれず6台も選んでしまった。どのメーカーもこのジャンルから撤退もしくは縮小してしまったが、今個性的なカメラを出せばそこそこ売れそうな気もする。


会場では10日(土)・11日(日)にジャンクセールが開催されるほか、11日13時からは写真家・赤城耕一氏のトークショーも行われる。また壁面には8x10の大判カメラを駆使する中澤哲也氏の作品が展示されていた。午前中や週末は混雑も予想されるが、各店舗とも意欲的な品揃えで臨んでいる。心と懐に余裕をもって、ぜひ足を運んでほしい。
 

<開催概要>

「第5回 上野クラシックカメラ博」
会期:2025年5月8日(木)〜14日(水)
時間:10:00〜18:30(最終日は16:00閉場)
会場:松坂屋上野店 6階 催事場
住所:〒110-8503 東京都台東区上野3-29-5
HP:https://www.matsuzakaya.co.jp/ueno/

イベント情報の詳細はこちらから
https://camerafan.jp/cc.php?i=1111
鹿野貴司(しかの たかし)

1974年東京都生まれ。多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、フリーの写真家に。広告や雑誌の撮影を手掛けるほか、ドキュメンタリー作品を制作している。写真集『日本一小さな町の写真館 山梨県早川町』(平凡社)ほか。著書「いい写真を撮る100の方法(玄光社)」

ウェブサイト:http://www.tokyo-03.jp/
Twitter:@ShikanoTakashi

<著書>

いい写真を撮る100の方法