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東京ものがたり1970年代

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東京ものがたり1970年代
公開日:2019/11/05

散歩日和 1970-1980

photo & text 丹野清志

北区 滝野川

これまで、あのころは…と過去をふり返ることなどなかったのだけれど、近年写真を撮り歩いている町角で、ふいっと“あのころ”の小さなシーンを思いだすことがしばしばある。そんなことを友に言えば「トシですよぉ、そういうトシになったってことですよ」と笑いながら言うだろう。でも、昔を懐かしむ、というのとはちょいと違うんだよなあ、と私はもぞもぞとつぶやく。

あ、この界隈はあの時のままだ。それは漠然とした記憶の町で、何年何月になぜこの町を歩いたのかなどといった細部はまるで覚えてはいない。なのに、写真の中で会った人が鮮明に浮き上がってくる。

「来週は祭りだ。いい神輿が出るからまた来なよ。若いころさんざ担いだけどなぁ、腰いためちまってねぇ。ほら、この肩んとこのコブ見てみな、神輿だこよ」
あの時の写真の町に遊ぶのは瞬間の出来事で、すぐに現実の町に戻っている。

写真を始めたころ、カメラは人とのコミュニケーションの道具でもあるのだよとある人に言われた。カメラを持っていなければ、その町を歩くことはなかったし、内向的な性格だったから人との出会いに興味を持つこともなかったはずだ。人との会話について、人を見ることについて、カメラに向き合ってくれた人たちが教えてくれた。私のネガアルバムの中にいる人たちみんなが写真の師匠だった。

写真に写っているただすれ違った人や風景のシーンなのに、そこには確実にあの時があり、私がいる。写真の記憶は不思議だ、と思う。だから小さな好奇心を求めてまだまだ町を歩き続けていたいと思う。



豊島区 巣鴨 高岩寺


台東区 浅草


台東区 東上野


東上野


江東区 木場


浅草


浅草


浅草


【使用カメラ】

ニコンS3 ニッコール3.5センチF2.5
ニコンF2 ニッコール50ミリF1.8 / ニッコール24ミリ F2.8



ニコンS3 ニッコール3.5センチF2.5




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丹野 清志(たんの・きよし)

1944年生まれ。東京写真短期大学卒。写真家。エッセイスト。1960年代より日本列島各地へ旅を続け、雑誌、単行本、写真集で発表している。写真展「死に絶える都市」「炭鉱(ヤマ)へのまなざし常磐炭鉱と美術」展参加「地方都市」「1963炭鉱住宅」「東京1969-1990」「1963年夏小野田炭鉱」「1983余目の四季」。

<主な写真集、著書>
「村の記憶」「ササニシキヤング」「カラシの木」「日本列島ひと紀行」(技術と人間)
「おれたちのカントリーライフ」(草風館)
「路地の向こうに」「1969-1993東京・日本」(ナツメ社)
「農村から」(創森社)
「日本列島写真旅」(ラトルズ)
「1963炭鉱住宅」「1978庄内平野」(グラフィカ)
「五感で味わう野菜」「伝統野菜で旬を食べる」(毎日新聞社)
「海風が良い野菜を育てる」(彩流社)
「海の記憶 70年代、日本の海」(緑風出版)
「リンゴを食べる教科書」(ナツメ社)など。

写真関係書
「シャッターチャンスはほろ酔い気分」「散歩写真入門」(ナツメ社)など多数。

著書(玄光社)
「町撮りアート写真ブック」
「ニッポンぶらりカメラ旅」
「お気に入りカメラで楽しむ自分流町歩き写真の方法」
「写真集のつくり方」
「写真教室では教えない“新スナップ写真”の方法」
「誰も教えなかった “自分流写真”の方法」
「[四季を味わう]ニッポンの野菜」
 
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