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南雲暁彦のThe Lensgraphy
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南雲暁彦のThe Lensgraphy
写真家 南雲暁彦が、様々なレンズを通して光と時間を見つめるフォトエッセイ
「僕にとって写真はそのままを記録するという事ではない。そこには個性的なレンズが介在し、自らの想いとともに目の前の事象を表現に変えていく。ここではそんなレンズ達を通して感じた表現の話をして行きたいと思う」
連載一覧
https://camerafan.jp/ccbn.php?i=67
公開日:2023/11/08
Vol.20 Taylor & Hobson /COOKE AMOTAL ANASTIGMAT 2inch f2「心の休み時間」
南雲暁彦
Taylor & Hobson /COOKE AMOTAL ANASTIGMAT 2inch f2
レンズに歴史あり、じゃないが色々な物があるんだなあ。このレンズのことを調べていて素直にそんな事を思い、なんだか力が抜けた。イギリスのテーラー&ホブソン社が作った、クック アモタール アナスティグマット 2インチ f2という名前のレンズだ。
このレンズは映画用機材メーカーとして有名なアメリカのベル&ハウエルが作った「フォトン」というライカを超える高額なカメラの標準レンズとして作られたものだ。ところがこのフォトン、非常に高額だった為か全く売れず、その後値段を大幅に下げたにも関わらず一向に売れなかった、商業的には失敗だったという。そしてテーラー&ホブソン社が用意したこのクック・アモタールは大量に余ってしまい、ライカスクリューマウントに変換して販売されたという事らしい。時は1948年頃となっている。
*なお、このレンズは本国イギリスのリード&シグリスト製「リード」(Reid)にも装着されている。
最高級のカメラの為に!と頑張って生まれてきたものの、そんな大役はあっというまに無くなり、なんだか力が抜けてしまったな。というような立ち位置を想像したというわけだ。そういう事なので心穏やかに撮っていこうと思う。
海沿いに住む友に会いに
偶然、僕の実家にほど近い海沿いの街に住むフォトグラファーの友が写真の展示をしているというので、帰省と合わせて顔を出した。僕はその人のことをすごく優しい作品を撮る人だと思っている。その街で評判のとてもパンの美味しいカフェでの展示であった。
その場の雰囲気にとても合う、そして今回も気持ちが落ち着く、というか見入ってしまい少し切なくなるような、やはりすごく優しい海の作品が並んでいた。来て良かった。
笑顔で迎えてくれた友人と、そこで知り合ったライカ使いの方と3人でお喋りし、ごく当たり前のように写真やカメラの事を話題にする。
「そうそう、今日はちょっと変わったレンズを付けてるんだ」そう言って僕は例のクックの2インチが付いたM10-Pを出して見せる。
「ナニソレ、みた事ないよ」
「俺も初めて知ったんだけど、知る人ぞ知るクックの、アタ、アモ、アトーム、なんだっけ、なんかそんな名前のレンズでさ。だいたい50mmぐらい」
力が抜けているので、ちゃんと名前すら覚えていなかったが、この優しい空間での話にはちょうど良い抜け感だったなと思う。パンも、会話も、写真も、とても美味しかった。
彼らと別れ、気がつくと僕はそのままクーペを海に向けて走らせていた。もう陽が落ちる寸前だったが、その刹那だけシャッターを切れれば良いと思っていた。
浜に出る手前に自転車が置いてあって、それ越しに海が見える。孤独の寂しさと嬉しさが漂う空間。その前にしゃがみ込んでレンジファインダーを除いた。まあ、自然な行為だったと思う。意味も理由も考えない。そういう時間が欲しくて来たのだ。
「別に何をどう撮ったっていいんだよな、大義などないのだから」と心の中でつぶやいて自転車の二重像を合わせた。
Leica M10-P + COOKE AMOTAL ANASTIGMAT 2inch f2 (以下同)
1/30秒 F2 ISO640
「いいねえ、なんかいいよ。自転車」
最近、付けたレンズで撮る場所を選んでいるのではなくて、レンズが僕をそういう場所に導いてくれているように感じる。まあ、これも深くは追究しないようにして、浜に出た。
1/30秒 F2 ISO640
カメラを持っていなかったらこの空間に溶けて同化してしまいそうだった、自分という存在を繋ぎ止める為にも持っていないとダメな物なのである。このレンズは異空間に僕を誘い、それをライカ M10-Pが一歩手前で現実に引き留めてくれる。
1/30秒 F2 ISO400
ニュアンス
本当に今回は被写体を意識しなかった。無理に撮ろうとする事なく、何かが気になって立ち止まった時だけカメラを出してピントを合わせた。レンズの癖は自然と掴んでいたのでなんとなく合いそうな場所で立ち止まっていたかもしれないが、なるべくボーっと歩いた。そういうテクニック、ということにしておこう。
1/60秒 F2 ISO3200
周辺に向かってなだらかに落ちていく描写力が気持ち良い。開放はF2だから夜景スナップにも使えるし、明るい部分をもわっとさせる描写が、その場の雰囲気を見た目より強く伝えてくる。それでも中心部はちゃんと描写してくれるので写真的質感もある。
1/60秒 F2 ISO2500
雨あがりの空気を光が柔らかく膨らませ、このレンズがそれをさらに大きく膨らませ、表現している。
濡れた金属やプラスチック、ウッドデッキの質感も解像力が高ければ感じられるというものではない。
1/60秒 F2 ISO6400
1インチは2.54cmなので、2インチの焦点距離は約5cmだ、つまりCOOKE AMOTAL ANASTIGMAT 2inch f2は普通に50mm F2の標準レンズである。普通じゃないのは生産当時の逸話と、絞りリングがピントリングと一緒にぐるぐる回ること、絞りリングを動かすとピントリングも回ってしまうこと、覚えづらい名前、そして、のちに紹介するが、とある条件でとんでもなくファンタジックな絵を作り出す、ということだ。
実際、このぐらい古いレンズになってくると本来そういうレンズなのか個体差なのか微妙な部分でもあるのだが、僕が今回出合ったクック アモタール アナスティグマット 2inch f2はそういうレンズだった。
個体によってはMade in Italyのものもあるらしく、アメリカのカメラの為にイギリスで設計されたレンズがイタリアで組み立てられた、と非常にグローバルな生い立ちをもっているようだ。今回僕が使ったレンズはEnglandとしか刻印されていないので、また違うラインだったのだろう。
今の基準からすると極端に多い絞りバネを使っていること、絞りリングにクリックはなく無段階調整なのも加えておこう。そして個人的感想だが、あまり写真機のレンズっぽさがない。やはり質実剛健なドイツ製とは、物としての佇まいも写りのニュアンスも違う。
幻想恋図
昼間の公園に出かけた、これも撮影の為ではなく同じ大学で講師をしている仲の良い先生のワークショップを手伝いに行くのにカメラを持って行っただけだったりする。気持ちの良い雨あがりの日だった。
1/1500秒 F3.4 ISO200
雲の模様が描かれた煙突のような塔。なるほどこの瞬間の為に描かれたというわけだ、気持ちよく空とコラボレーションしている。
このレンズは柔らかい描写力、というより二次元的に立体感を省略し、逆にイメージが膨らんでくるような、いい意味でリアリティーから離れていくような表現になる。被写体と距離が離れるとそれが顕著になっていく。
COOKE AMOTAL ANASTIGMAT 2inch f2が持つファンタジックフィルター
そして、これが最もこのレンズの特徴が顕著に現れた写真だ。
僕の得意のミラーリングリフレクションだが、そのただでさえ特殊なフレーミングの中に肉眼では見えない光線や光球が出現し見事にリアリティーを吹き飛ばしてしまった。撮った写真と目の前の景色をなん度も見比べてしまうほど、見えない光が映っている。何回撮っても縦位置に変えても映ってくる、これはアモタールが見せてくれるファンタジーだ。
1/30秒 F4 ISO2000
木漏れ日がこの光景を作り出した要因なのはわかるが、ここまで見えていない光線が映るものも珍しい、というか初めて見たかもしれない。ある程度の予想と想像をして作ったフレームだが、想像をポンと超えてきた。前回の逆光にめっぽう強かったコニカ・ヘキサーとは対極に位置するようだ、アレはアレで見事だが、このレンズはわかりやすく面白い。ファンタジックフィルター搭載とでも言おうか、雨あがりの東京の公園を妖精の森にすることができた。そして心の休み時間が生み出した写真でもある。
自分の元へ
友人の写真展を見たり、仲間のワークショップに参加したり、そうやって過ごしていると自分の仕事や作品のことも意識するようになる。別の知り合いが写真展をしている場所が厩橋やスカイツリーのすぐ近くだった。ここも今回は撮影の為にではなくて展示を見に来たのだが、このフィールドは僕の慣れ親しんだ撮影フィールドでもある。やはりレンズがここに導いたのか、それはそろそろ休み時間の終わりをつげているのか。
1/90秒 F2 ISO2500
レイヤーを重ねたアニメのセル画のようにも見える。4枚もあればこの奥行きは出せるんじゃないかと思うほどひらべったい描写だ、もちろんいい意味でだが。わかりやすく、ドラマチックな部分だけが残る。
1/90秒 F2 ISO1600
今、自分も写真展を開催しているのだが、会場の内装工事で一度作品をはずしていた。それを掛け直しに行く日になっていた。そろそろ自分の元へ帰る時かもしれない。心の休み時間の最後は自分の作品のもとで過ごそう。
1/2000秒 F2 ISO200
絶対的な解像度などはないし、操作性も良くはない、ただ、その場を印象的にするのは得意なレンズだ。眩しさのない優しい描写が僕の心を休み時間にしていたのだ。
1/60秒 F2 ISO320
1/60秒 F2 ISO4000
会場に置くようにと新しく作った小さなコンセプトパネルに、肉眼では見えない光の束が重なる。若干ニュアンスを変えて作品の再展示も終わった。さて、これをもってまたリアルな写真の世界に戻ろうか。
監修:日本カメラ博物館
https://www.jcii-cameramuseum.jp/
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<プロフィール>
南雲 暁彦 Akihiko Nagumo
1970 年 神奈川県出身 幼少期をブラジル・サンパウロで育つ。
日本大学芸術学部写真学科卒、TOPPAN株式会社
クリエイティブ本部 クリエイティブコーディネート企画部所属
世界中300を超える都市での撮影実績を持ち、風景から人物、スチルライフとフィールドは選ばない。
近著「
IDEA of Photography 撮影アイデアの極意
」 APA会員 知的財産管理技能士
多摩美術大学統合デザイン学科・長岡造形大学デザイン学科非常勤講師
公式サイト
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note
<著書>
IDEA of Photography 撮影アイデアの極意
Still Life Imaging スタジオ撮影の極意
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