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Traveler`s Photo Diary

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Traveler`s Photo Diary
公開日:2023/12/18

Hasselblad 500C/M(ハッセルブラッド)AGFA ULTRA 50 | 富山【ネガフィルム編】

Photo & Text 野寺治孝

撮影場所:富山県上市町 撮影年:1995年〜1999年(以下同)
ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス プラナー CF 80mm F2.8 T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50 三脚使用


ハワイをはじめ、海外を中心に写真を撮ってきた私が富山県に惹かれた理由は前回にも書きましたが、自身が病気になったのがきっかけでここが懐かしく愛おしい場所だと思えてきたからです。

地方や田舎をテーマにした写真は、当時はモノクロが多かったと記憶しています。もちろん私も最初はモノクロで撮りました。しかし、完成した写真を観ると違和感を覚えました。

「懐かしい思い出とはモノクロのイメージなのかな?いや、むしろ色濃く記憶の中に残っているものではないのか」

そう、感じたのです。

過去を思い出す時に「あの時は夕日は真っ赤だった。抜けるような紺碧の空だった」などと表現します。
脳内には実際の色よりも色濃く記憶されています。最近になって知ったことですが、“記憶色”と呼ぶそうです。

実際よりも濃く、鮮やかに色彩を記録出来るフィルムを探し、テストを重ねた結果『AGFA ULTRA 50 (アグファ ウルトラ50)』というカラーネガフィルムにたどり着きました。(すでにメーカー生産終了済み)

撮影したフィルムを、当時お付き合いのあったラボに持ち込んで協議を重ねてプリントしてもらいました。
今ならば彩度を上げることなどデジタルで簡単にできます。しかし90年代当時、デジタルカメラはまだ黎明期で、作品制作の道具として使える製品はありませんでしたから、フィルムで理想の色を表現するのはかなり難易度が高かったのです。
今回掲載した作品はネガ・フィルムをスキャンし、レタッチしたものです。ラボでプリントしたものよりも私のイメージに近づけることができたと自負しています。

なぜ3:2ではなくスクエアな比率にしたのかというと、昔の映画(特に小津安二郎監督の映画)のスタンダードサイズをイメージしたからです。
あと、人物を撮る時(特に面識のない他人)に、大きなハッセルブラッドのカメラで撮ると相手も「お!ちゃんと撮ってくれるんだ」と緊張するので、小津安二郎の映画に出てくるワンシーンのような、微妙な距離感が生まれると思ったのです。


早いもので、撮影から四半世紀経ってしまい、撮影場所は当時としてもすでに郷愁を感じる場所でしたが、今では北陸新幹線が通り発展著しい富山です。東京から乗り換え無しで3時間弱で行くことが出来ます。
もちろんそれはとても便利で素晴らしいことですが、新潟で乗り換えてゆっくりと走る車窓から眺めた日本海が懐かしく思い出される今日この頃です。

昔、こんなJRのテレビコマーシャルがありました。列車内にはきれいな女性が文庫本を読んでいて曇った車窓からは冬の日本海が見え、旅情溢れる空気感が漂っていました。

便利と引き換えに私たちは大切な何かを置き去りにしてしまったのかも知れません。

【ポジフィルム編はこちら



ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス プラナー CF 80mm F2.8 T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス ディスタゴン CF 50mm F4 FLE T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50 富山市内


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス ディスタゴン CF 50mm F4 FLE T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス ディスタゴン CF 50mm F4 FLE T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス ディスタゴン CF 50mm F4 FLE T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス ディスタゴン CF 50mm F4 FLE T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50 富山市内


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス プラナー CF 80mm F2.8 T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50


ハッセルブラッド 500C/M カール・ツァイス プラナー CF 80mm F2.8 T* マニュアル ISO50 AGFA ULTRA 50
 

<野寺治孝の使用カメラ>


ハッセルブラッド 500C/M
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野寺治孝 NODERA HARUTAKA
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。


<主な著書>

個性あふれる“私らしい”写真を撮る方法


カッコいいスナップ写真の撮り方


写真の撮り方レッスンブック


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