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銀塩手帖
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銀塩手帖
フィルム、銀塩写真に関する情報を記録していきます。
公開日:2015/03/23
甦る古典撮影技法 湿板写真館がオープン
photo & text
澤村徹
湿板写真をご存じだろうか。日本史の教科書で、坂本龍馬が台に寄りかかった写真を見たことがあるだろう。あれが湿板写真だ。ガラス板に薬品を塗り、それが乾くまでに撮影を終えなければならない。ずいぶんと手間のかかる古典撮影技法だが、デジタルはむろん、銀塩フィルムよりも遙かにレトロな写りが今あえて新鮮だ。JR日暮里駅から歩くこと数分、谷中の路地裏にひっそりと、湿板写真を撮ってくれるスタジオがオープンした。
カメラマンの和田高広氏が手がける「湿板寫眞館」は、古典技法と現代の技術を組み合わせ、商業レベルの湿板写真館としてオープンした。近年、湿板写真で作品づくりをしている写真家がジワジワと増えている。しかし、商業写真館として湿板でポートレートを撮ってくれるスタジオは、和田高広氏の湿板寫眞館がほぼ唯一だという。今回は筆者が被写体となり、湿板写真を体験してみた。
体験レポートの前に、湿板写真の歴史的な位置づけを簡単におさらいしておこう。世界で最初に普及した写真技法は、19世紀前半に登場したダゲレオタイプと呼ばれる銀板写真だ。ダゲレオタイプは感度が低く、撮影に10〜20分ほどの時間が必要だった。その後、19世紀中期に登場した湿板写真は、撮影が10〜15秒と短く、さらにネガを作って何枚もプリントすることができ、ダゲレオタイプに取って代わる写真技法となった。ただし、湿板写真はガラス板に薬品を塗り、それが乾くまでにすべての作業を終えなくてはならない。つまり、湿板の用意、撮影、現像といった一連の作業を、一気に処理する必要があった。こうした不便を解消したのが、19世紀後半に発明されたガラス乾板だ。湿板のようにぬれている間に撮影現像を済ます必要がなく、自由なタイミングで現像できる。撮影の簡便性に加えて感度も高く、写真撮影は乾板によって急速に広まっていく。媒体がガラスからフィルムに置き換わり、その後の発展は周知の通りだ。
Photo : Takahiro Wada / copyright Light & Place
和田高広氏の湿板写真はアンブロタイプと呼ばれ、ガラス板にポジ反転写真を浮かび上がらせる。完成した写真は、黒い布の上に置いてポジ像を鑑賞する仕組みだ。写真はガラス板1枚のみで、紛れもない一点モノとなる。その味わい深い描写については、サンプル画像を見てもらうのが一番だろう。湿板写真という今や失われた写真文化が、現代の技術を応用しながら見事に復活している。和田氏はガラス板に塗るコロジオン溶液やニスの調合を工夫する一方、ライティングにことのほか力を注いだという。彼はいわゆる商業カメラマンで、数々の著名人やアーティストのポートレートを手がけてきた。そうしたノウハウから複数種のライトを組み合わせ、現在は6秒ほどで湿板写真が撮れる。セッティング次第では3秒程度まで短縮することも可能だ。ただし、彼はあえて6秒前後という撮影時間にこだわっているという。このこだわりがどのような効果を生むのかは、実際に撮影を体験するとよくわかる。その様子をレポートしよう。
湿板写真の撮影
スタジオに足を踏み入れると、1台のアンソニー(写真館などで使う大型カメラ)が出迎えてくれる。ボードに付いているレンズはF4.5のボシュロムテッサーだ。いくつものレンズを試した結果、このレンズのトーンとシャープネスが気に入っているという。アンソニーの前に座ると、大がかりなライトに圧倒される。光量が多ければよいというものではなく、特定の波長をたっぷりと照射するのがコツだという。
後ろから固定具(首支えの棒)が添えられ、かつて経験のない長秒撮影が始まるのだと、自ずと緊張が高まる。固定具は体重を預けるものではなく、軽く添える程度だ。わずかではあるが、支えられているという感触が、身体の動きを止めようという意識につながっていく。
和田氏がガラス板をカメラにセットする。レンズからキャップが外され、6秒間の秒読みがスタジオ内に響く。撮られる者にとって、1秒でも十分に長い。その6倍の時間だ。瞬きはしても問題ないと聞いているが、体を動かさずに6秒をやり過ごせるのか、不安がよぎる。固定具の感触が、首の後ろでやけに鮮明に感じられる。和田氏の手が伸び、やっとキャップがレンズを覆う。これほど緊張を強いられる撮影は経験したことがない。
撮影後は現像、乾燥、ニス塗りという工程を経て、世界で1枚だけの湿板写真が完成だ。
ガラス板を黒い布を敷いた専用の箱に納め、写真を鑑賞する。究極のアナログ写真とでも言うべきローファイさは言うまでもなく、被写体の佇まいが驚くほど堅い。幕末や明治の湿板写真を見たとき、その被写体のぎこちなさ、堅い表情に違和感をおぼえた人は少なくないはずだ。あのぎこちなさが見事に再現されている。6秒という撮影時間が、体も表情も硬直させ、必要以上に畏まった姿を作り出す。和田氏の湿板写真は、単に古典技法でポートレートを撮ることに止まらない。湿板写真が現役だった、当時の雰囲気さえも現代に甦らせている。自分が歴史上の人物になったような、タイムスリップ感に満ちた写真を撮ってもらえるのだ。
撮影料金はキャビネサイズが1枚15,000円、八つ切りサイズが1枚25,000円(今後提供予定)だ。湿板写真は日本ではじめて普及した写真技術ということもあり、和田氏は日本固有のサイズでの撮影にこだわったという。世界で1枚だけの写真、自分自身が歴史の1ページになったような仕上がり、そして古典技法で撮られるという体験。写真がとても貴重だった時代の匂いを、湿板写真で実感してみてはどうだろう。
準備〜撮影〜仕上げまでの工程
撮影はガラス板を丹念に磨くことからはじまる。お手製の器具にガラスを固定して作業する。
コロジウム溶液をガラス板に垂らし、薄く広げていく。ハケなどは使わず、ガラス板を傾けて溶液を広げる。
ガラス板を暗室に持ち込み、硝酸銀に浸ける。その後、フォルダーにセットしてカメラに装着する。
これがガラス板を格納するフォルダーだ。ここにセットして、ガラス板が乾くまでに撮影を終えなくてはならない。
ガラス板の用意ができたらいよいよ撮影だ。撮影時間は約6秒。当時よりも短い時間だが、現代人にとっては長秒撮影だ。
大きなスクリーンに、上下反転した像が投影される。判が大きいだけに、ピント合わせはそれなりにシビアだ。
現像直後のガラス板。ネガ像がガラス板に浮かび上がる。
定着作業はスタジオで見せてもらえる。ポジ像がジワジワとガラス板に浮かび上がる。
シンクでガラス板を洗浄する。このあたりの流れはフィルム派の人にはおなじみだろう。
乾燥機でガラス板を乾かす。この状態の像は触れると剥がれてしまうので、ていねいな扱いが必要だ。
ニスをアルコールランプで温め、ガラス板に塗る。百年、二百年は余裕で保つという耐久性だ。
完成した湿板写真。箱に黒い布を敷き、そこにガラス板を置いて鑑賞する。
湿板写真は専用の箱に入れて納品される。八つ切りは桐箱で納品予定だという。
フォトグラファー 和田高広
ササキスタジオ勤務後、写真スタジオ「Light&Place」を設立。ミュージックビデオ撮影、ジュエリーおよび美術品の撮影などを得意とする。2015年2月より「湿板寫眞館」を開業。nipporini名義にて、アートワークとして光と場所をテーマに展覧会を多数開催。
湿板寫眞館
東京都荒川区西日暮里3-2-1
http://lightandplace.com/
*お詫びと訂正:写真技法の解説文で誤りがありましたので訂正いたしました。
<プロフィール>
澤村 徹(さわむら てつ)
1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。オールドレンズ撮影、デジカメドレスアップ、デジタル赤外線写真など、こだわり派向けのカメラホビーを得意とする。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線写真、オールドレンズ撮影にて作品を制作。近著は玄光社「
アジアンMFレンズ・ベストセレクション
」「
オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド
」、ホビージャパン「デジタル赤外線写真マスターブック」他多数。
<著書>
アジアンMFレンズ・ベストセレクション
オールドレンズを快適に使うためのマウントアダプター活用ガイド
ソニーα7 シリーズではじめるオールドレンズライフ
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