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中古カメラ 一期一会

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中古カメラ 一期一会
ショップのショーケースにならぶ中古カメラたち。中古カメラは1点モノで、同じ物は2つと無い。。。いまこの時を逃したら、目の前のカメラとは2度と出合えないかもしれない。写真家がショップを彷徨いながら出合った魅力的なカメラたちを紹介する。
公開日:2017/06/23

新橋イチカメラ 〜オーバーホールされたハッセルブラッドを手に入れる!〜

photo & text 大浦タケシ


「新橋イチカメラ」は、JR山手線/京浜東北線の御徒町駅から徒歩おおよそ5分のところに店舗を構える。店名の由来はかつて新橋にお店があったから。新しい写真愛好家の方はご存知ないかもしれないが、かつて新橋駅周辺にはいくつもの中古カメラショップが並び大層賑わっていた時期があった。新橋イチカメラは、“新橋カメラ”の名で大判、中判カメラをメインに扱うショップとして、その界隈で名を馳せていたのである。

新橋駅前の都市開発のため現在の場所へ移転し、名前が変わってからも、ショップコンセプトに変わりはない。商品ラインナップは、大中判カメラをメインとしながら、新たにデジタルカメラが加わった。
とりわけハッセルの充実ぶりには目を見張るものがある。特徴的なのはボディ、レンズ、フィルムマガジンがセットになって販売されていることだろう。しかも、ほぼ全てが専門の修理業者によってオーバーホールがなされ、各パーツが確実に動作するよう調整されているのである。
ハッセルの場合、いくらボディのみが整備され調子よくても、装着するレンズやフィルムマガジンに何かしらの微細な不具合があると、ボディの機構がダメージを受けてしまうことがある。そのため同ショップでは、購入した人に長く安心して使ってもらうために、このような販売手法をとっているのである。

ちなみにショーケースに並ぶハッセルの販売価格は、他のショップにくらべわずかに高め。これはオーバーホールの費用が含まれているからだ。
オークションなどで「安くてコンディションの悪い商品」を買っても、すぐに故障してしまい高額な修理費用を必要とすることを考えれば、極めて値ごろ感あるものだと言ってよい。安心して使えることを考慮すれば、この価格設定は大いに納得できるものだ。

ショーケースに並ぶ他のカメラについても多くがオーバーホールされている。目視によるチェックと軽くボディ周りを拭いただけで“整備点検済み”とするのとは大きく異なるのである。「中古カメラって大丈夫?」と思う人や、買ってから無用なトラブルや出費は避けたい写真愛好家にとって、頼れる中古カメラショップなのだ。

今回の一期一会では、ボディ、レンズ、フィルムマガジンをセットとしたハッセルをメインに新橋イチカメラらしいアイテムを紹介していく。

 

6×6フォーマット 中判カメラ ハッセルブラッドシリーズ



ハッセルブラッド 503CW+CF80mm F2.8+A-12セット
+ワインダーCW(別売)+メータープリズムファインダー PME51(別売)

コマーシャルなどプロの撮影現場でかつてよく見られたセットを組んでみた。
ワインダーは最高0.8コマ秒とのんびりしたものだが、当時の中判カメラとしてはそう遅くないスペックであった。プリズムファインダーは露出計付き。斜め45°のアイピースはローアングルでもたいへん見やすい。この503CWセットには、レンズとフィルムマガジンも含まれている。



ハッセルブラッド 503CX+CF80mm F2.8+A-12
503CX は1988年に登場したVシステムの500系カメラ。1970年に発売され、1989年までつくられたベストセラーモデル500C/Mの直系モデルである。ちなみにハッセルはレンズシャッターモデルの500系と、フォーカルプレーンシャッターモデルの1000/2000/200系に分かれる。価格だけ見ると他のショップより少々高めだが、フルオーバーホールがなされているので、結果的にはお得に感じる



ハッセルブラッド 500C/M ブラック+CF80mm F2.8+A-128(左)、500C/M+C80mm F2.8+A-12(右)
500C/Mは20年近く販売されたカメラである。かつてハッセルというとこのカメラのことであった。500C/Mをはじめほとんどのハッセルは巻き上げノブの軸からフィルムマガジンの巻き上げギアまでの間に2つギアがあり、そのうちひとつは敢えて磨耗しやすい素材を用いている。磨耗するとフィルムのコマ間が狭くなり、オーバーホールの時期を知らせる仕組みなのである。



ハッセルブラッド SWC/M+フィルムマガジンA-12
SWシリーズはビオゴン38mmF4.5が固定装着された広角専用カメラ。ミラーはなく、外付けファインダーでフレーミングを行う。さらに独特の薄いボディにシャッターボタンは本体上面にあるなど、ハッセルのなかでも異端児と言えるものだ。掲載した個体は元々SWシリーズ3代目のSWCであるが、ポラロイドバッグを装着できるようにファインダーを底上げするパーツを組み込み、SWC/Mと同等としているカメラである。



ハッセルブラッド 純正アクセサリー各種
画面右上より時計回りにフォーカシングスクリーン(アキュートマット)、ノブメーター、露出計アタッチメント、アジャスタブルフラッシュシュー、トライポッド(クイックカップリングH)。6×6ハッセルの魅力のひとつは、かつてのライカ同様多種多様なアクセサリーがライナップされていたことだろう。一時期にくらべ安くなっているので、お小遣いで少しずつ揃えていくと楽しい。

 

その他の注目すべき中判カメラ&大判カメラ



ホースマン SW612
6×12のパノラマ写真が撮れるコンパクトな中判パノラマカメラである。発売当時用意されていたレンズは10本だが、本モデルにはそのうちのローデンシュトック・グラダゴンN65mm F4.5が付属する。ボディのシルエットをはじめ大きな外付けファインダーや水準器など見るべきところは多い。ピント合わせは目測となるが、じっくりと腰を据えて撮影に臨みたい。



タチハラ フィルスタンド 45II
2000年に発売された4×5インチの木製フィールドカメラ。マテリアルに3年以上乾燥させたという桜の木を用い、金属部分には金メッキが施されるなど贅沢なつくりの逸品である。もちろん精度の高さはいうまでもなく、ラック&ピニオンで可動するバック部により正確なピント合わせが可能。大判写真の魅力は、やはり圧倒的な情報量で、35mmフィルムはもちろん高画素のデジタルカメラで撮影した画像とは異なる上質な結果が得られる。

 

<新橋イチカメラ 店内>


ハッセルブラッドコーナーのショーケース。ここに並ぶハッセルはボディ、レンズ、フィルムマガジンがセットになっており、それぞれが調整も兼ねてオーバーホールがなされている。写真ではそれぞれのカメラの後ろに黄色い紙は、保証書も兼ねたオーバーホールの作業報告書で、このショップの信頼の証ともいえる。



三脚にセットされた大判カメラが店内中央に並ぶのがいかにも新橋イチカメラらしい。この写真の後ろにもショーケースがあり、ライカや国産のカメラ、交換レンズが隙間なく並ぶ。アメ横界隈でのスナップ撮影も兼ねて訪れてみるのはいかがだろうか。


<ショップ情報>
新橋イチカメラ
住所:東京都台東区東上野1-11-1
電話:03-3833-4311/4312 FAX :03-3833-4313
営業時間 :平日 10:00〜19:00/祭日10:00〜18:00
休業日 :日曜
http://www.shinbashi-camera.com/


 
 
 
 
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